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俺と遊華がデートした件について

今回は遊華とのデート回になります!

 友達や同級生が現在何をしているか?なんて皆さんは考えた事があるだろうか?例えば、地元を離れて就職していたり、人によっては結婚して子供がいるなんて人もいるだろう。冴えなかった奴が美男または美女に変身しているかもしれない。俺、藤堂遊は今その友達が何をしているかが気になります。


「はぁ、気になる」

「ん?何が気になるの?お兄ちゃん」


 俺の呟きに遊華は律儀にも反応してくれた


「いや、俺があの日約束していた面子が今何してんのかなって気になってな」

「あ、あー、そういえばお兄ちゃんが帰って来てから会った人って主に私たちのお仕事関係の人たちばかりだもんね」


 そう、俺がこの世界に来て会った人間といえば遊華たちの仕事関係の人と親父と羽月さん、香月、美月など、ほとんどの人が身内か身内の仕事関係の人ばかりで俺の友達とか同級生にはほとんど会ってない


「ああ、連絡を取ろうにも俺の携帯は通話もメールもできないし……ん?そういえば、遊華は俺の友達の携帯番号とか知らないか?」


 確か俺がいなくなった日、正確には俺がこの世界に来た日なんだが、その日や俺を捜索するにあたり俺の友達にも電話を掛けたって言ってたし、遊華なら知ってそうだ。


「そりゃ、何人かは知っているけど、皆さん忙しいと思うからあんまり電話してないし……それに、泥棒猫も何人かいるし……」

「は?泥棒猫って何のことだ?」

「な、何でもないよ!」


 遊華は慌てて誤魔化した。


「とりあえず、外に出るか……遊華はどうする?」

「当然、私も行くよ。今日は香月お義姉ちゃんも美月お義姉ちゃんもいないし、それにお兄ちゃんはもう戸籍あるんでしょ?」

「そういえば今日は2人とも収録って言ってたな。まぁ、戸籍に関してはもうすでにあるから携帯の契約とかできるぞ。身分証明書も新しいのあるし」

「じゃあ、今日は兄妹デートって事で」


 デートってただ一緒に出かけるだけじゃないのか?まったく、遊華は何を言っているんだか……


「デートって言っても俺の新しい携帯の契約するだけなんだが……」

「もうっ!お兄ちゃんはデリカシーなさすぎっ!」


 デリカシーって言われてもなぁ……俺は携帯を契約するだけなんだけどなぁ


「もうっ!デートったらデートなの!」

「お、おう」


 何だ?遊華の奴やたらとデートを推してくるな


「デートなら待ち合わせとかしてそれらしくするか?」


 連絡手段を持たぬ俺が何言ってんだ?と思うが、一応聞いておこう


「んー、それもいいけど、家から二人で歩くのもデートのうちかなって思うからしない」

「そうかい」


 俺はてっきり待ち合わせするのかとばかり思っていたが、そうではないらしい


「おーい、遊華ーまだかー?」

『もうちょっと待ってー』


 俺は玄関から遊華を呼ぶが、遊華から待てをくらった。まぁ、男の準備は人によるが、そんなに時間が掛からない。しかし、女は準備に時間が掛かるものだ。多分


「お待たせ、お兄ちゃん」


 遊華は薄めのメイクに白のワンピース姿で出てきた。変装の為か伊達メガネをかけている


「どうかな?似合ってる?」


 遊華は恥ずかしそうに俺に尋ねてきた。


「ああ、よく似合っている。可愛いよ」

「え?そ、そうかな?」


 遊華は照れてモジモジしている。似合ってるのは本当だし、可愛いのも本当だ。


「じゃあ、行くか」

「うんっ!お兄ちゃん!」


 俺と遊華は家を出た。もちろん、戸締りはちゃんとした


「あ、そうだ」

「何?お兄ちゃん?」


 俺は買い物に行くにあたり、あるお願いというか頼み事を遊華にした。


「2人きりでの買い物の時は俺の事を“お兄ちゃん”じゃなくて“遊”って呼び捨てで呼んでくれないか?」

「え?何で?」

「さすがにラジオの時や家の中だったらいいが、さすがに外でしかも大勢の人の目の前で見た目は年上お姉さんの遊華に“お兄ちゃん”って呼ばれるのは恥ずかしい」

「わ、わかった。“遊”って呼ぶね」


 遊華よわかってくれてお兄ちゃんは嬉しいよ


「じゃあ、今からスタートでいいか?」

「うん、お兄ちゃん」

「お兄ちゃんじゃなくて?」

「ゆ、遊……」


 遊華は少し恥ずかしそうに俺の名前を呼んだ。


「お、おう……何だ?遊華?」


 ヤバい、俺まで釣られて照れてしまった……


「な、何でもない……」


 俺と遊華は駅前に向かう道中気まずい雰囲気だった


「着いたな……とりあえず、携帯の契約からするか」

「そ、そうだね。ゆ、遊……」


 いやいや、遊華さん名前を呼ぶたびに照れてたら今日1日持ちませんよ?


「何はともあれ行くか」


 俺と遊華は携帯ショップに向けて歩き出した


「…………着いたな」

「うん」


 携帯ショップに着いたのはいいが、何だこれは?


「“今ならカップルで契約すると料金無料”って…………」


 まるで今日俺と遊華が2人でここに来る事を狙ったかのようなサービス


「遊華、一応聞いておくが、このカップルでの契約での契約なんてしないよな?」

「え?何言ってんの?遊」


 だよな……さすがの遊華もカップルでの契約なんて……


「カップル契約での契約に決まってんじゃん」

「…………」


 俺の予想はあっさりと覆されてしまった。


「やっぱ今日じゃなくても…………」

「何言ってんの!行くよ!遊!」


 こうして俺は遊華に半ば強引に携帯ショップに引きずられていった


「ところで、カップル契約にするにしても遊華は機種変更すんのか?」

「うん、ちょうどいい時期だし変更しようかなって」


 遊華と俺の目的は同じって訳か……


 俺と遊華はそれぞれ機種を決め、契約へと進んだ


「お二人はカップルですか?」

「「はい」」


 俺は笑顔の店員に罪悪感を抱きつつ遊華とカップルだと答えた。それからは流れるように契約が進み、無事に俺は携帯を手に入れる事ができた


「さて、契約も無事に済んだし、飯でも行くか」

「ご飯の前に1か所行きたいところがあるんだけど」

「行きたい場所?」

「うん、いいかな?」

「飯は急ぐわけじゃないからいいけど、どこに連れてくつもりなんだ?」

「行けばわかるよ」


 遊華は俺の手を引きどこかに歩き出した。どこに連れてくつもりなんだ?


「ここってゲーセン?」

「うん!」


 遊華に連れて来られた場所はゲーセンだった。


「ゲーセンで格ゲーでもすんのか?」

「もうっ!遊!鈍感すぎだよ!男女でゲーセンって言ったらわかるでしょ!?」

「あ、UFOキャッチャーか」

「違うよっ!プリクラだよっ!」


 いや、UFOキャッチャーもすると思うんだが……


「よしっ!あれにしよう!」


 俺は遊華が指差したプリクラに入った


「何だって急にプリクラなんか……」


 10年前の遊華からは考えられない行動だ。まぁ、10年前は俺と外出するなんて事自体しなかったし、そもそもが俺に対し今ほど素直じゃなかったな


『お金を入れてね!』


 プリクラから女性の声で機械から指示が流れてきた


「遊、ここは私が出すね」

「いや、さすがに全部出させるわけには……」

「わかった、じゃあ、半分お願い」


 こういう時の遊華は聞き分けがいい。俺が一方的に奢られる事をあまり良しとしていない事を知っているからな。


 俺と遊華が200円ずつ入れるとプリクラ機は選択画面に移った


『モードを選んでね!2つのモードが選べるよ!』


 なるほど、プリクラってのはモードが選べるのか


「遊、ナチュラルとくっきりならどっちがいい?」

「あー、今回はナチュラルで」

「わかった」


『ナチュラルモードで撮るよ!』


 再び機械からアナウンスが流れる。それから、俺と遊華は指示された通りに撮影を進めた。そして……


『今度はカップルでキスをしてみよう!』


 おい、なんて指示を出すんだこの機械……


「ま、まぁ、指示されちゃしかたないよね……」


 遊華、この機械がキスを指示する事を知ってたんじゃないよな?


「おい、遊華」

「さぁ、早く撮ろうか!遊!」


 俺は遊華に尋ねる前に言葉を遮られてしまって肝心な事を聞けなかった。まぁ、仕方ない……大人しく従うか


「遊華、目を瞑れ」

「う、うん」


 目を瞑った遊華の頬に俺はキスをした。


「え?頬?唇じゃないの!?」

「別にキスしたんだから唇じゃなくてもいいだろ?」

「う、うん……」


 遊華はどこかガッカリしているようだった……さすがに実の妹の唇を奪うわけにはいかないんでね。


 それから、俺と遊華は写真を分け合ってゲーセンを後にした。


「あれ、遊じゃね?」

「え?」


 俺は1人のチャラそうな男性に声を掛けられた







今回は遊華と遊のデートと遊の携帯契約回でした!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございます!

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