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起きたら遊華たちが号泣していた件について

今回は起きてきた遊が号泣している遊華たちに戸惑う話です

 昨日は中々に中身が濃い1日だった……いきなりラジオの生放送に出演させらるわ、遊華たちの酒癖が悪い事が発覚するわという事があった。そんな俺、藤堂遊はリビングから聞こえる3人の女性の泣き声で目を覚ました。


「……遊華たち二日酔いで頭に激痛でも走って泣いてんのか?」


 俺は一先ずリビングに降りることにした。


「ふぁ~おはよう……うおっ!?」


 リビングに降りるとなぜか遊華たちは号泣していた。


「おにいちゃん……私に言ったよね?“俺はどこにも行かない”って」

「いや、言ったには言ったけど、あの時お前寝てなかったか?」


 そう、俺は遊華に“俺はどこにも行かない”って言ったが……寝てる遊華を安心させるためなんだけどなぁ……


「起きてたよ……」


 マジですか?遊華さん


「いや、あれは遊華を安心させるために言ったことであってだな……」

「でも、どこにも行かないって言った……うぅ……」


 遊華は再び目に涙を溜め始めた。香月と美月は今も泣き続けているんだが……


「ひょっとして俺と一緒に寝たかったとか?」


 俺は冗談半分で遊華に聞いてみた


「「「そうだよ!一緒に寝たかったよ!」」」


 いつの間にか泣き止んだ香月と美月も遊華と一緒に答えたてきた。しかし、なんだ……まぁ……こんな美人たちに俺と一緒に寝たかったって言われるのは悪くないな


「じゃあ、今夜一緒に寝ればいいじゃないか」


 どっから湧いたのか親父がまた余計な事を言い出した


「父さん、いつの間に帰ってきたんだ?」

「ん?さっき」


 親父はしれっと答えた


「それより、いいのかい?」

「何が」


 俺は親父が何のことについていいのかを聞いているのはまぁ、わかりたくないが……一応聞いておくことにした


「遊華たちの事だよ。さっきからずっと遊の事を見つめているけど」

「父さん」

「何だい?遊」

「パソコン部屋を借りる」

「うん」


 俺は親父にパソコン部屋を使う許可を取った。昨日と言うか今日か……寝る時に勝手に使ったが


「3人とも、ちょっと来い」

「「「え?」」」

「いいから、ちょっと来い」


 俺は3人を連れてリビングを後にし、親父のパソコン部屋へと向かった


「お兄ちゃん、ここお父さんのパソコン部屋だよね?」

「遊ちゃん、私たちをここへ連れてきてどうするの?」

「遊、私たちがどれだけ不安だったかわかってるの?」


 遊華たちはそれぞれの疑問をぶつけてきた。


「遊華が起きてたのはさっき聞いたが、ひょっとして……」

「私も起きてたよ。遊」

「私も~」


 驚いた事にあの時3人とも起きてたらしい……


「ってことは、俺がキッチンに行こうとした時に俺のジャケット掴んできたのは偶然じゃないって事か」

「「「うん」」」


 はぁ、なんて言うか……起きてたなら自分で歩けばよかったんじゃ……


「俺は疲れた。今から二度寝するから」

「「「私も一緒に寝る!」」」

「好きにしてください」


 俺には一緒に寝たいという3人組を止める術を未だに知らないし、実害がなければ別に一緒に寝るくらいはいいかな?なんて思い始めている


「「「うん!」」」


 俺はこの3人の笑顔を見て可愛いと思ってしまったが、そこに特別な感情があるのかどうかはわからないが……俺が今言える事は1つだ


「3人とも酒臭いからとりあえず口濯いできてくれない?」


 そう、遊華たちは酒臭かった。


「「「…………」」」


 3人は無言で部屋を出て行った


「さて、二度寝二度寝」


 俺は冗談じゃなく、本当に疲れたので二度寝することにした。まぁ、俺が寝た後で3人がどうするかは知らんけど


 重い……そして、両腕の自由が効かない……金縛りかな……


「ん?何だってこんなに重くて両腕の自由が奪われてんだ?」


 俺はゆっくりと目を開けた


「えへへ~おにいちゃぁん」

「ゆう……」

「ゆうちゃん……」

「…………」


 俺はびっくりして声を上げるどころか、固まってしまった。なぜなら、俺の上で抱き着く形で寝ているのが遊華で、右腕に抱き着いて寝ているのが香月、左腕に抱き着いて寝ているのが美月。俺はガチで拘束される形で寝ていることになる。


「香月と美月はともかく、遊華は何でこんな体勢で寝れんだよ……」


 俺は過去の世界では女性とほとんど触れ合った事がなかったが、いざ女性と触れ合ってみるとわかる事がある。


「遊華たちっていい匂いするんだな」


 自分で言ってて気持ち悪いし、相手は妹と義理とはいえ姉だ。こんなこと言うのは本当に気持ち悪いと思う。だが……


「「「…………」」」


 遊華たちは顔が真っ赤に染まっている。結論は……遊華たちは起きている!


「遊華、香月、美月……起きろ」

「おはよう、お兄ちゃん」

「おはよう、遊」

「遊ちゃん、おはよ~」

「おはよう。3人とも動けないから離れてくれると助かるんだが」


 俺は一先ず遊華たちに離れてもらわなければ身動きができないので離れてもらうことにした


「あ、ごめん」


 遊華が一言謝ると遊華もそうだが、香月、美月は素直に俺から離れてくれた。


「今何時だ……?」


 俺は時計を確認すると、12時を過ぎている事を確認した


「3人とも昼はどうする?」

「「「今日は出前の気分!」」」


 なぜか遊華たちは声をそろえて出前を提案してきたが、まずは何でそんなにテンションが高いんだ?そして、声をそろえて言う意味は?


「そ、そうか……」


 俺はテンションの高い遊華たちについて行けず、一言そうかしか言えなかった。


 それから、俺たちは出前のピザを食べて一休みする


「3人とも今日は仕事ないのか?」

「私は今日は収録が1つあるだけ」

「私も~」

「私も収録が1つだけかな」


 昨日のラジオの生放送といい、今日の収録といい3人とも仕事が重なる事が2度もあるんだな


「じゃあ、俺は留守番してるわ」

「え?何言ってんの?お兄ちゃんも行くんだよ?」

「そうだよ~遊ちゃん」

「うん、遊も一緒」


 え?何で?俺も一緒に行くことは決定なの?


「3人とも収録場所は違うんじゃないのか?」

「「「場所も作品も一緒だよ」」」


 ナンテコッタイ!収録場所どころか作品まで一緒かい!


「いや、俺が一緒に行く意味は!?」


 そもそも、声優の仕事に部外者が介入していいのか!?


「昨日の生放送聞いてみんなお兄ちゃんに会いたがっているから」


 遊華よ、それは別にオフの日でよくない?


「いやでも、俺は部外者だし」

「大丈夫だよ~」


 美月、何が大丈夫なんだ?


「監督も遊に会いたがっているから問題ないよ」


 香月、監督さんたちが問題なくても俺が問題なんだよ


「いきなり行くのはまずいんじゃ……」

「「「いいから来る!」」」


 その後の話を少ししよう。俺は遊華たちに半ば強引に収録現場に連れて行かれた後、遊華たちの仕事を見学した。収録が終わった遊華たちにもそうだが、制作スタッフや他の声優たちにもみくちゃにされ俺は昨日に引き続きまた質問攻めにあうことになった。


「何で俺は遊華たちの仕事に関わる人には毎回もみくちゃにされるんだ?」


 俺は毎回と言ってもまだ2回目なんだが、もみくちゃにされた。このままだと俺の知らないところでよからぬ事が起こるかもしれない……いろんな意味で


「はぁ、もみくちゃにされるのは疲れるが、遊華たちが楽しそうに笑っているからいいか」


 俺はもみくちゃにされるのは勘弁してほしいが、それ以上に遊華たち……特に遊華には寂しい思いをさせてしまったという事もあり、多少の事は我慢するしかない。そう思う事にした。


 今の俺の状況も意外と悪くないのかもしれないな。未来に飛ばされて悲観する事ばかりではなさそうだ




今回は起きたら遊華たちが号泣してた話でした

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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