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俺がラジオの生放送で質問攻めにあう件について

更新遅れてしまった・・・ごめんなさい

今回は遊がラジオにいきなり出演して質問攻めにあう話です!

 身内に仕事場まで来られて仕事っぷりを見られる、もしくは身内の仕事場で自分の話をされるというのはむず痒くもあり、若干恥ずかしいものを感じる。俺、藤堂遊は今……身内から公開処刑をされそうです


『まぁ、お兄ちゃんの事はラジオ中盤で話すとして』

『ああ、そうだな』

『そうだね~』


 俺の話はラジオでしないでください。俺は心の底から祈りラジオを聞き続けることにした


『じゃあ、リスナーからのメール読んでいきましょうか』

『そうだな』

『うん』


 できればリスナーからのメールで時間の尺を稼いでくれ。俺は切実に願う他なかった


『じゃあ、最初のメールは私が読みますね。ちなみにこのメールは生放送開始からリアルタイムで随時募集しているものです。最初のメールは“私は最近、兄に冷たく当たりすぎている気がします。私は兄とたくさんおしゃべりをしたいのですが、どうすればよいのでしょうか?”というメールです』

『ほぉ~、兄に冷たく当たりすぎているねぇ~私にはわからないかな~』

『ここは妹の遊華が答えるべきなんじゃないか?』


 遊華、リスナーの名前は読まない主義なの?それとも、この番組はラジオネームとか読まない方針の番組なの?


『そうですねー、私はお兄ちゃんに対しては素直に接するのが1番だと思いますよ?』


 遊華それブーメランな。こうして遊華たちのラジオは何事もなく進んだ。


『さて、ラジオもいよいよ中盤にさしかかりました!』

『そうだね~』

『そうだな』


 とりあえず、よかったとでも言っておこう


『ラジオの最初に話したと思いますが、私たちの好きな人ってお兄ちゃんじゃないですか?』

『うん、そうだね~』

『そうだな、私たちの好きな人は共通しているな』


 俺の祈りは空しく再び俺の話になった


『で、リスナーさんから“お兄ちゃんを連れてこい!”ってメールが殺到しているんですよ』

『それはまずいね~』


 確かにまずいな……主に俺が


『そこで今回、私のお兄ちゃんをこのスタジオに呼ぶことにしました!』


 ふざけんな、そんな話俺は聞いてない


『実はこの話は打ち合わせ段階でプロデューサーもOKしていた話なんだよね~』


 ……は?おい!プロデューサーも何考えてんだ!?嫌だぞ俺は


『今香月ちゃんが迎えに行ってるからね~覚悟してよね!』


 なんと!地獄からの使者が来るのか!?


 俺がどうやって逃走しようかと考えてるうちに1階から香月が俺を呼ぶ声が聞こえる。呼ぶな俺を……


「ふう~、どうやら諦めたらしいな」


 俺は香月の声が収まったので一旦パソコン部屋から出ることにした


「遊、見つけた。もう恥ずかしがり屋さんなんだから」


 クソッ!諦めてスタジオに戻ったと思った俺のミスか!


「香月、今日の帰りは早いんだな」

「いいや、まだ生放送は終わっていないよ」

「じゃあ、早くスタジオに戻らないとな」

「うん!遊も一緒にね!」


 すげーいい笑顔……


「嫌だ俺は行きたくない」

「いいから、いこ?ね?遊?」


 こうして俺は香月に強引にスタジオに連行されることになった


「…………」

「はい、ゲストが到着しました!私、藤堂遊華の兄の藤堂遊です!」

「…………」

「ほら、遊ちゃん!あいさつと自己紹介!」

「…………」

「どうしたの?遊」


 どうしたの?じゃねえよ!いきなり拉致られてわけがわかんないんだよ!しかも、プロデューサー含めたお偉いさんは全員なんでそんな乗り気なんだよ!?


「いや、どうしたの?じゃねえよ」

「「「?」」」


 いや、遊華たちも含めてこの状況おかしいと思うのは俺だけか!?


「お兄ちゃん、とりあえず自己紹介して」


 仕方ない、ここで遊華たちの番組をぶち壊しにするわけにはいかない


「藤堂遊華の兄にして藤堂香月、美月のお義弟の藤堂遊です」

「ってことで、私たちが大好きな遊ちゃんをゲストにお迎えしました~」

「遊、初めてのラジオ出演の感想とか聞きたいな…………」


 感想って言われても俺が出演したいって言ったわけじゃない


「そうですね……いきなり拉致られてなきゃ楽しいと答えたと思います」

「あはは……私たちもまさか本当にお兄ちゃんを出演させてくれるとは思ってなかったんでびっくりしてますけど、それ以上にうれしいです」

「そうだね~、今日の朝半分冗談で言ったのにね~」

「うん……遊と一緒にラジオできたらいいなとは思ってたけど、まさか今日叶うとは思わなかった」


 俺としてはうれしいやら何やらで怒るに怒れない…………


「遊、こんなメールが届いているんだけど」

「へぇ~、どんなメールか読んでくれると助かるよ香月」

「うん!じゃあ、読むね!」

「よろしく」


 俺は香月のキャラが変わっていることにツッコむ気力すら残っていない


「えー“遊さんこんばんわ”」

「はい、こんばんわ」

「“遊さんは遊華さんの兄ということで遊さんに質問があってメールしました”」

「俺に質問?何だろう?」

「“遊華さんはあまり中学生の頃の自分を話さないのですが、兄の遊さんから見て中学生の頃の遊華さんはどんな子でしたか?”というメールなんだけど。遊、中学生の頃の遊華はどんな子だったの?」


 中学生の頃の遊華か……


「ね、ねえ、お兄ちゃん?その質問に答えるのやめない?」

「私も聞きたいな~中学生の頃の遊華ちゃんってどんな子だったの?」

「うん、私も聞きたい」


 リスナー、香月、美月の要望に応えるか……妹を取るか……俺は面白い方に行く!


「中学生の頃の遊華は」

「わー!わー!」

「遊華ちゃん、ちょっとうるさい」


 誤魔化そうとした遊華は美月に口を塞がれてしまった


「遊、続けて」


 香月に続きを催促されてしまった


「中学生の頃の遊華は無愛想で俺には冷たい子でした」

「ううっ……恥ずかしい……」

「ほえ~そうなんだ~」

「意外だな、今じゃそんな気配かけらも感じないのに」


 遊華は若干泣きそうになってるし、香月と美月は意外そうな顔してるし……遊華のフォローだけしとくか


「まぁ、今言った事は事実だけど、俺にとっては可愛い妹でしたよ?」

「お兄ちゃん……」

「俺がリスナーの方と香月、美月に伝えられる遊華の事はこれくらいですかね」

「「「…………」」」


 なぜ黙る?なぜ赤くなる?


「あー、次がないなら俺帰っていいよね」

「「「ダメ!!」」」


 俺が周囲を見渡すとカンペが目に入った。


「えー、なになに?“3人とも顔が真っ赤でこのままじゃ番組がもたないので、遊君が場を繋いでください”?いやいや、初心者に何言ってんの!?」


 俺はラジオ初出演でまさかの無茶振りをされるとは思っていなかった


「とりあえず、3人とも戻ってこい」

「「「はっ!?」」」


 3人が戻ってきたところでラジオ再開と行こうか


「次のメール読まなくていいのか?」

「じゃあ、次は私が読むね!お兄ちゃん!」

「あ、ああ」


 何をそんなに気合いを入れているんだ?


「次のメールはまたお兄ちゃんへの質問だよ」

「へ?また俺?」

「読むね?」

「あ、ああ」


 俺への質問が連続で2通か……


「“こんばんわ遊さん”」

「こんばんわ」

「“僕は遊さんに対して気になる事があってメールしました”」

「俺に対して気になる事?」

「“いつも凛としているキャラで活動している香月さんが遊さんに対してはまるで恋する乙女のように感じます。遊さんはどうやって香月さんのキャラを変えたのですか?教えてください”とのことです!お兄ちゃん」

「別に俺は特別な事はしていない。ただ、香月に自分の為に頑張れって言っただけなんだけど」


 そう、俺は特別な事は何もしていない。ただ、香月に自分の為に頑張ってみろと言っただけなんだから


「遊……」


 香月……そんなに見つめないでくれ……


「「むぅ~」」

「遊華と美月が剥れてるから次行こうか……」


 頼む早く終わってくれ……俺は切実に願った


最後まで読んで頂きありがとうございました!

今回は遊がラジオ生出演しました!


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