遊華たちの意外な職業と美月が独占し始めた件について
今回は遊華たちの意外な職業と美月が遊を独占し始める話です!
俺、藤堂遊は現在父さんのパソコン部屋に来ています。もちろん部屋に入った時にちゃんと鍵は掛けた。じゃないと羽月さんはいいとして、遊華たちには妨害されそうだし……
「調べるって言ってもなぁ……とりあえず、パソコンを起動させるか」
俺は考えても仕方ないと思い、パソコンを起動させることにした
「パソコンを起動させたはいいが……まぁ、無難に検索をかけてみるか」
俺は検索サイトに遊華の名前を入力し検索をかけることにした
「えーっと、“藤堂遊華”っと」
まぁ、似たような名前か同姓同名の有名人くらいは出てくるだろ
「は?え?嘘?マジで?」
俺は驚いたなんてモンじゃないくらいの衝撃を受けた。
「は?遊華が声優?」
そう、検索して出てきたのは遊華の事を詳しく書いてあるサイトのページで俺は軽い気持ちでそのサイトをクリックしたが……
「えーっと、“藤堂遊華は自他ともに認めるブラコンであり、兄は現在行方不明の藤堂遊。姉は同じく声優の藤堂香月と藤堂美月”って書いてあるな」
遊華たち声優だったのか……
「遊華や香月、美月はいいとして、何で遊華の解説に俺の事まで載ってるんですかねぇ」
俺は頭が痛い。普通ここまで詳しく書くか?
「というか、3人揃って声優かよ……別にいいんだけどね?」
その後、俺は香月と美月のページにもアクセスしたが、ブラコン以外はほとんど同じ事が書いてあった
「なるほど、だから香月は今日こんな時間に起きても平気だったのか」
いや、平気じゃないけどね。考えられる事は3人ともオフか収録が夜からかの二択だし
「リビングに降りるか」
俺は今猛烈にカフェインを欲している。コーヒー飲んで頭をスッキリさせたい
「父さん、パソコンありがとう」
リビングに降りると俺は父さんに話しかけ礼を言うことにした
「どういたしまして。遊華たちの事について何かわかった?」
「ああ、遊華たちの仕事の内容はわかった」
「ん?遊ちゃん、私たちのこと調べてたの?」
美月が話に加わってきた。だが、特に気にしている様子はない
「ああ、父さんが自分で調べろって言うからな。自分で調べた」
「そっかぁ~でも、言ってくれたら教えたのに~」
美月は軽く微笑むと俺の隣に座った
「遊は美月たちが大好きだからね。自分で調べて知りたかったんだろ」
「そっか、そっか、遊ちゃんは私たちの事大好きなんだ……えへへぇ~」
本格的に美月がだらしなく微笑んだ。いつも美月は可愛いが、今回は特に可愛いな。父さんもたまにはいいことをするな。いつもはしないのに
「お兄ちゃん、私の事大好きで独占したいんだ……」
「遊が私の事を……」
約2名トリップしてますが……
「ところで遊」
「何だ?父さん」
「3人の中で誰が一番好きなんだい?」
前言撤回、父さんは碌な事しないな。見直した俺が馬鹿だった
「…………父さん」
「どうしたの?遊」
「3人が俺を期待のまなざしで見つめてくるんだけど?」
「うん、そうだね。それが?」
それが?じゃねーよ!どうすんだよ!この状況!
「父さん、最初からこうするつもりで俺に自分で調べろって言ったでしょ?」
「もちろん、それ以外で何かあると思った?」
……俺はこの時から父さんをと父さんと呼ぶことをやめる事にした。こんなの親父で十分だ
「はぁ、俺は好きな物や好きな人に順位なんかつけたくないんだが……」
「「「誰が1番好きなの!?」」」
ちょっと?人の話聞いてた?順位つけたくないって言ったよね?
「俺が1番好きなのは」
「「「好きなのは?」」」
ヤバい、めっちゃ期待されてる!誰1番にしてもダメなやつじゃん!
「俺が1番好きなのは……羽月さん」
「あらあら、遊君ったら」
「って羽月さん、いつの間に!?」
「私は最初からいたわよ。ところで、いいの?遊君」
「何がです?」
「香月たち」
俺が香月たちの方を見るとなぜか泣きそうだった
「「「…………」」」
「別に変な意味じゃないぞ」
恨むぞ、親父……っておい!何でアンタは爆笑してんだよ!親父ィィィィィ!!
「俺は遊華たちを好きじゃなくて愛しているからな。1番好きって言われても困る」
「「「あ、愛している……」」」
よし!遊華たちの泣くのは回避できた!まぁ、愛していると言ったのは家族愛なんだがな!
「そういえば、いいのか?」
「「「「「?」」」」」
親父たちは頭に?マークを浮かべている。よしよし……さっきの仕返しだ
「父さんのパソコンの履歴っていかがわしいサイトの履歴ばかりだったんだが、消さなくて」
「ゆ、遊!いきなり何を言うんだ!ぼ、僕がそんなサイト見るわけないじゃないか!」
前も思ったが、覚えがないなら動揺すんな。
「父さん、後ろめたい事がないなら動揺するな。あと、お待ちかねだぞ」
「え?何が?」
俺は親父の後ろにいる羽月さんに声をかけた
「羽月さん、お願いします」
「え?」
「任せて遊君!」
羽月さんは親父の肩に手を置いた
「え?は、羽月?」
「大丈夫よ、遊斗……すぐに逝かせてあげるから」
「え?ぎゃぁぁぁぁぁ!」
親父、俺を女性関係で弄るからこうなるんだ。ざまぁみろ
「ふう……いい仕事したな」
俺は親父が退場したところで遊華たちの方を向いた
「遊華たちに1つ言っておくぞ」
「「「?」」」
「俺は好きな物や人に順位はつけない」
「「「うん……」」」
「遊華には遊華の、香月には香月の、美月には美月のいいところがそれぞれある」
「「「うん」」」
「だから、1番好きとか言われたら困る」
「「「うん!」」」
納得してくれたっぽい。できればあんまり触れてほしくないからな
「さて、納得してくれたところで今日はどうしようかな」
そう、繰り返すが俺は未来にやってきた身であり、現在俺は戸籍待ちだから携帯も契約できる状態じゃない
「ん?携帯?忘れてた!」
「どうしたの?遊ちゃん」
「遊?」
「お兄ちゃん?」
俺は慌てて未来にやってきた時に持っていた携帯を探しに行った。
「昨日は香月の部屋で寝たからな、あるなら香月の部屋か」
俺は内心申し訳ないと思いつつ、香月の部屋に入り自分の携帯を取った
「電源は入るのか……」
俺はリビングに戻る最中に電源の確認だけ済ませる事にした
リビングに戻ると香月たちが待っていた
「お兄ちゃんどうしたの?いきなり飛び出して」
「いや、携帯を取りに行っただけだ」
「遊、どうしてまた携帯なんか……」
「ちょっと気になる事があってな」
「遊ちゃん、気になる事って?」
「それを今から確かめる」
俺はソファーに座り、携帯のホーム画面を開いた
「げっ……やっぱり」
「何がやっぱりなの?お兄ちゃん」
「何かあるのか?遊」
「遊ちゃんどうしたの?」
俺は遊華たちに着信履歴を見せた
「うわっ!すごい着信の数だね遊ちゃん」
「さすがに私でもこんなに遊に電話しないよ……」
「だよなぁ……しかも留守電の数も相当だな……なぁ、遊華?」
俺の携帯の着信履歴の大半が遊華からのもので埋め尽くされている
「うっ!だって……」
「だって?」
「し、心配だったんだもん!悪い!?大好きなお兄ちゃんが帰って来なくて不安だったんだもん!」
遊華からの着信の量を見るとそれだけ遊華に想われていることがわかる
「遊華……」
遊華はそっぽを向いてしまった。
「それより、遊ちゃん!」
美月さん、遊華がそっぽ向いたのをそれ呼ばわりですか……
「何だ?美月」
「今日は私の日だよ!」
何か特別な日だと勘違いされそうだが、あくまでも今日は美月と寝る日であって特別な日ではない
「たっぷりサービスしてよね!」
わお、なんか彼女みたいな言い方!
最後は美月が彼女っぽくなっていました。
あと、1~2話くらいで本格的な遊争奪戦になりそうかも・・・
最後まで読んで頂きありがとうございました!