俺がニート寸前まで追い込まれそうなのと父さんがゲッソリしていた件について
遊華たちは遊を働かせたくないようです・・・
遊斗、何があった?
どうも、未来に来て3日目の藤堂遊です。今日は朝から修羅場に巻き込まれて朝食が若干遅れました。もちろん俺は香月、美月、遊華を責める気はありません。だって……
「はい、お兄ちゃん、あーん」
「あー、むぐむぐ」
「おいしい?」
「ああ、うまいぞ」
あーんされてるし、責めたらまたよからぬ事が起こりそうだし
「遊ちゃん遊ちゃん、あーん」
「あーん」
「遊ちゃん、おいしい?」
「うまいぞ」
遊華があーんってしてくるなら美月もするよな
「遊、あーん」
「はいはい、あーん」
「遊、香月からのあーんは嬉しい?」
「ああ、嬉しい嬉しい」
当然ながら香月もあーんするよな。うん知ってた
「3人とも俺に食べさせてばかりだが、自分のはいいのか?」
「「「うん!後でしてもらうからいいの!」」」
あ、はい。ですよね!知ってた!
「…………疲れた」
「「「ん?何か?」」」
「別に何でも」
どうして俺はこんなに疲れているんだろう
「ところで、順番は俺が決めるぞ?いいな?」
そう、遊華たちに決めさせると100%時間を無駄に消費するからな
「いいけど、お兄ちゃん」
「何だ?」
「それって平等に判断して決めたの?」
「当たり前だ」
遊華、何をそんなに疑うんだ?
「遊、もう1ついい?」
「今度は何だ?」
「誰か1人だけにして2人にはしないなんてことないよね?」
「ない」
「そ、そっか……よかった……」
香月よ、俺はそんなに薄情な男ではないぞ
「それで、遊ちゃんはもう順番決めてあるんだよね?」
「ああ、決めている」
「なら、早く言ってよ!お兄ちゃん!」
「そうだそうだ!」
なぜこんなにも遊華たちは必死なんだ?
「そんなに焦んなっての!」
「「「だ、だって……」」」
ったく、あーんごときで大げさな……
「最初は美月からだ」
「やった!」
「「そんなぁ……」」
美月は喜び、香月、遊華は落ち込む。何か悪いことした気分……
「どうせ今日は美月と一緒に寝かされるんだし、それに遊華や香月にはそれぞれサービスしただろ?」
「「…………」」
え?してないの?したよね?
「何か納得いかないけど、今は納得してあげる」
「今だけだよ?遊」
遊華さん、香月さん、それ納得してないよね?
「遊ちゃん早く早く!」
「はいはい」
美月に急かされて俺は朝食のおかずから適当に選んだ。今日の朝食のメニューは目玉焼きとウィンナーとパンだから選択肢は狭いんだがな
「ほら、あーん」
「あー、はぐっ!」
「うまいか?」
「うんっ!おいしいよ!遊ちゃん!」
「それはよかった」
俺も美月が満足してくれてるなら何よりだ
「「むぅ~」」
約2名は剥れているがな……
「遊ちゃん、早く次!」
「はいはい」
俺はこれまた適当にチョイスし、美月の口の中へ放り込んだ。別に雑にはしていない
こんな調子で食事は進んだ。美月の後は香月と遊華なわけだが、2人は満足し俺は疲れたとだけ言っておこう
「さて、この後だがどうする?」
そう、本来なら俺は学校に行っている時間だが、ここは未来だ。俺はとうの昔に除籍されている
「うーん、この4人でイチャイチャは?」
「本当はお兄ちゃんと2人っきりでイチャイチャしたいけど、今はそれでいいよ」
「私も賛成」
美月の提案に遊華と香月は賛成するが、俺は反対だ。どんなことさせられるかわかったもんじゃない
「さて、バイトでも探すか」
俺はその場を逃れる為にあえて職探しをすることを呟いた
「「「ダメ!」」」
「何で!?」
「「「私たちとイチャイチャするの!」」」
「いや、俺はこの世界で自分の小遣いを稼ぐためのバイト探しをしたいんだが?」
「「「私が養うから必要ない!」」」
なんてこった、3人とも俺にヒモになれと?
「いや、さすがに世話になりっぱなしになるわけにはいかないし」
「「「私は遊の為ならお金だけじゃなく下の世話もするよ!」」」
それは是非やめていただきたいんだが・・・
「下の世話は置いとくとして、とりあえずありがとう」
俺にはこれ以上何も言えなかった
「「「遊……」」」
遊華たちは俺に熱い視線を向けてきたが、そこで熱い視線を向ける意味は?
「まぁ、、何にせよ俺は自分が使う金くらいは自分で稼ぐ」
「「「絶対ダメ!!」」」
なぜだ……?どうしてそこまで嫌がる?
「俺が働いちゃダメな理由を1人ずつ順番にどうぞ。まずは香月!」
「遊は私が養う!働く必要はない!」
「意味がわからん!次!遊華!」
「他の女によりついてほしくないから!」
「俺は遊華が言うほどモテん!次!美月!」
「遊ちゃんにはずっと家にいてほしいから!」
コイツら……俺に彼女を作るな!ニートであれ!って言ってるだけじゃん!
俺は本気で頭が痛い。行く宛てないけど、本気でこの家出ようかな……俺……
「最悪の場合は家出するか……」
俺はあくまでも最悪の場合を想定して呟いただけなのだが
「「「ダメ!」」」
この3人の耳は地獄耳か……ボソっと呟いた事まで聞き取るなよ……
「あー、出て行かないから落ち着け」
「「「本当?」」」
「ああ、本当だ」
「「「よかった」」」
今この時代で家出なんかしたら大変なことになりそうだ。主に遊華たちのせいで
「働くのダメなら学校に通うかな」
「「「それはOK」」」
何でだぁぁぁぁ!!働くのダメで学校に行くのがOKな理由は!?
「な、何で働くのダメで学校はいいんですかね……」
「「「高校生の小娘に私が負けるはずないから!!」」」
理由がしょうもなかった。ていうか、何か働いたらダメな理由の根本的なものを見た気がする
「はぁ……」
俺はただ溜息しか出なかった
「あー!お兄ちゃん溜息ついた!」
遊華、俺だって溜息くらいつくぞ
「遊は香月たちが嫌いなんだ……」
香月泣きそうになるな
「遊ちゃんは私たちの事嫌い?」
別に嫌いじゃないぞ。
「別に……ただ、愛が重いなって思っただけだ」
「「「重くないもん……」」」
本人たちに自覚がないらしい……ある意味で質が悪い
「俺は疲れたから寝るな」
まだ10時代だけどな!こいつ等とこのまま会話してたら身が持たん!
「「「じゃあ、私も寝る!」」」
「…………」
マジでか……止めろよ……
「ダメよ。二度寝なんて」
リビングに入ってきた羽月さんに止められた
「おはようございます。羽月さん」
「はい、おはよう。それより、ダメよ二度寝なんて」
羽月さん、今だけはあなたがまともな人に見えるよ
「まずはシャワーを浴びてからにしなさい」
そこぉぉぉぉ!?止めるとこ間違えてるよ!?この人
「「「はーい」」」
はーいじゃねぇよ!あんたらおかしいよ!っていうか、羽月さんどこ行ってたの!?
「羽月さん、いつの間にリビングから出たんですか!?」
「んー?香月たちがあーんを始めたところあたり?」
「理由は?」
「遊斗とイチャイチャしたかったから!」
今になってこの人は香月と美月の親なんだと確信した
「で、その父さんは?」
「や、やぁ、おはよう。ゆ、遊」
父さんは生気を感じさせない姿で登場した。あぁ、搾り取られたんですね……
「……おはよう。父さん。何があったかは聞かない」
「そうしてくれると助かるよ」
父さん、今だけは同情するよ……今だけな
「父さんに聞きたいことがあるんだが」
「ん?聞きたいこと?何だい遊?僕のモテる秘訣かい?」
羽月さんに売り飛ばすぞこの野郎
「あー、いや、それは別に聞きたくない」
「遊は女の子に興味が……ムグッ!?」
「父さん、それ以上言ったらカサカサの昆布みたいな今の状況よりもさらに大変な状況にしてやろうか?」
「わ、悪かった遊……だからこの手を放してくれないか?」
俺は父さんの顔から手を放した。全くこの人は自分の身が可愛くないのか?それとも……ドM?
「じゃあ、改めて聞くぞ?」
「うん、何かな?」
「遊華たちの仕事ってなんだ?」
「あれ?言ったなかったんだ」
言われてないから聞いてんだよ。バカ
「ああ、今まで仕事の話は出てこなかったからな」
「んー、どうせ聞いても教えてくれないだろうし、遊も簡単には信じないだろうからなぁ」
「は?え?信じる?何を?」
「とりあえず、はい」
父さんは俺に部屋の鍵を渡してきた
「父さん、これどこの鍵?」
「僕のパソコンがおいてある部屋」
「どうして鍵なんか渡したんだ?」
「わからないなら自分で調べるといい」
調べて出てくるのかはわからないが、とりあえず調べてみるか。出て来るかは知らんけど
わからない事は自分で調べる!遊斗って何だかんだ言っても父親なんですね
今回も最後まで読んで頂きありがとうございます!