表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/116

香月と朝を過ごす事と俺の朝飯がお預けを食らった件について

今日中に完成したので投稿します

今回は寝起きの香月の話と若干修羅場を含んでおります

 みなさん、藤堂遊です。俺は昨晩、義理の姉・香月と一緒に寝る事になり、彼女はそこで長年心に溜めていたものを吐き出し……幼児退行しました。いきなり何言ってんだ?コイツとか言うのはなしの方向で……


「ゆ~う~」


 誰だこいつ?昨日までの凛々しい香月はどこ行った?


「何だ?香月」

「ん~ん、何でもな~い」


 違いすぎるよね?ひょっとして多重人格か?もう一人の香月なのか?


「私は多重人格じゃないよ?」


 あの……地の文というか、心の声読まないでくれませんかねぇ……


「遊が読みやすいだけじゃん……」

「俺そんなにわかりやすいか?」

「うん」


 どうやら俺はわかりやすいらしい……


「そうか、わかりやすいのか……俺」

「うん、だけどわかるのは香月だけだよ?」


 もう俺はとうにでもなれ状態だった


「ところで、香月に1つ聞きたいんだが」

「なになに?」


 香月はワクワクという効果音が聞こえそうなほど目を輝かせている


「そのキャラは美月や遊華の前でも通すのか?」

「どうしようかな?」


 いや、どうしようかなってこっちが聞きたいんだが……


「遊はどっちがいいと思う?」

「俺は香月の好きにしたらいいと思う」

「え?」


 香月は目を丸くさせた


「まぁ、結局は本人次第だしな。香月の好きにしろ。ただ、否定されたら俺が守ってやるよ」

「うんっ!好きにする!」


 この時俺は不覚にも香月の笑顔に見惚れてしまった


「さて、起きるか」

「え~、もうちょっと一緒に寝ようよ」


 香月よ、今日は月曜で平日だぞ


「早く起きないと仕事に遅れるぞ?」

「それなら大丈夫だよ!私も美月も遊華も普通の仕事じゃないから」


 普通の仕事じゃないならどんな仕事だ


「危ない仕事でもしてんのか?」

「失礼な!危なくないです~安全な仕事です~」

「あー、悪かった悪かった」


 俺は香月の頭を撫でることで機嫌をとる事にした。遊華もそうだが、香月も俺が撫でると誤魔化されるのが不思議だ……


「もう!子供扱いしないで!」


 頭撫でられて誤魔化されるのは十分子供だと思うぞ?


 俺と香月はしばらく布団から出なかった。遊華の時とは違い二度寝はしなかったがな!


 時刻は10時である。元の時代なら俺は学校に行き授業を受けている最中なのだが、この時代で俺が在学なんてしているわけがいない。


「さて、どうしたものか……」


 隣には未だに香月がくっついているのだが、本当に二重の意味でどうしよう……


「こんなとこ遊華たちに見られたら大騒ぎだぞ……」


 できれば見つかりたくないし、見られたくない


「香月、本当にそろそろ離れてくれ」

「え~もうちょっとだけ~」


 香月が駄々をこね始めた頃だった。部屋のドアがノックされたのは


「だ、誰だ?」

『お兄ちゃん?起きてる?』


 ノックしたのは遊華らしい


「あ、ああ、起きているぞ」

『朝ごはんあるから早く降りてきて』

「わかった」


 ドアの向こうからは遊華の立ち去る音が聞こえた


「香月、朝飯だ。下に降りよう」

「ちぇ~仕方ないなぁ……」


 香月は渋々納得し、俺から離れた。ここで抱き着かれているところを見られたら一悶着あったかもしれない


 リビングに降りると既に遊華、美月、羽月さんがいた


「おはようございます」

「あら、遊君と香月。おはよう」

「遊ちゃん香月ちゃんおはよう」

「お兄ちゃんと香月ちゃん、おはよう」

「ああ、おはよう」

「「…………」」


 なぜか遊華と美月は無言になった


「どうした?2人とも無言になって」

「「…………」」

「遊君、それ」


 羽月さんが指さした方を見てみるとそこには……


「ゆ~う~」


 俺の左腕にべったりと抱き着いてる香月がいた


「Oh……」


 俺は衝撃的すぎてついリアクションが外国人になってしまった


「「説明してくれるよね?」」

「Oh……」


 遊華と美月の目に光はなく、逆らったら殺されそうだった


「ゆうをいじめちゃだめ!」


 香月さん、その原因作ったのあなたです


「あらあら、香月は昔の香月に戻ったのね」

「え?」


 “昔の香月に戻った”だと?え?羽月さん知ってたの!?


「羽月さん知ってたんですか?」

「ええ、母親ですもの。当たり前よ」

「なら、どうして……」

「あの子がやりたい事を母親の私が止めるわけにいかないでしょ?」


 それを言われると俺としては何も言い返せない


「お兄ちゃん……」


 俺は不意に遊華に呼ばれて振り向いた


「ん?どうしたんだ?遊華」

「香月お義姉ちゃんがお兄ちゃんに抱き着いている事を説明してくれるよね?」

「ひっ!」


 遊華がどんどん重くなっている……


「おにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん」


 遊華はひたすら『お兄ちゃん』とうわ言のように呟きながら俺に迫ってくる


「ゆ、遊華。お、落ち着け。な?」


 俺はどうにか遊華を落ち着かせようとした


「お兄ちゃんはどうして私以外の女に抱き着かれているの?どうして私以外の女に抱き着かれて嬉しそうなの?私じゃダメなの?ねぇ、答えて」

「お、落ち着け、遊華」

「私は落ち着いてるよ?」


 遊華よ、落ち着いてる人間は息継ぎなしで1度にたくさん質問しないぞ


「ねぇ、遊ちゃん」


 今度は美月に声を掛けられた


「美月!助けてくれるのか!?」


 俺は美月なら助けてくれると思っていた。だが……


「遊華ちゃんの質問に答えて」


 美月も遊華と同じ状態だった


「べ、別に俺は嬉しくなんか……」


 俺はどうにか誤魔化せないか試行錯誤してみたが……


「遊は私に抱き着かれて嬉しくないの?」


 今度は泣きそうな香月が目の前にいた。


「どうしろと!?俺にどうしろと!?」


 か、考えろ!この場を切り抜けて俺が助かる方法を!


「3人とも落ち着け!」

「「「私は落ち着いてるよ?」」」


 遊華と美月は目に光がないし、香月は泣きそうなんだが……どこが落ち着いてるんですかねぇ……


「遊君、遊君」


 羽月さんが俺に声を掛けてきたが、今はそれどころじゃない。一応返事はするが


「羽月さん、今忙しいんで後にしてもらっていいですか?」

「そう……せっかく名案があるのに……残念ね」


 今何と?名案があると、そうおっしゃいましたね?


「羽月さん」

「何かな?遊君」


 今の俺は猫の手も借りたいくらいだ。羽月さんの案を聞こうじゃないか


「羽月さんの案を教えてください!」

「仕方ないなぁ……教えてあげる」


 上から目線なのが腹立つな……


「遊君が3人にキスする」

「…………」


 羽月さん、それは名案じゃない。


「聞いた俺が馬鹿でした」

「そんな事よりもいいの?あの子たち」

「え?」


 俺は3人の事をすっかり忘れていた


「「「遊……ずいぶんと楽しそうだね」」」

「…………」


 羽月さんの相手をしていて遊華たちのこと忘れてた……だぁぁぁ!こうなったら出たとこ勝負だ!


「3人とも集合!!」


 俺は遊華たちをとりあえず集合させた。


「「「何?」」」


 集合させたはいいが、どうしよう……ええい!ままよ!


「「「ふぇ!?」」」


 俺は遊華たちを思いっきり抱きしめた。って抱きしめたじゃねーよ!!それしかないのか!?俺!


「3人とも、ごめんな」


 とりあえず、謝っとくか……うん、それがいい。それしかない。


「「「…………」」」


 どうしたんだ?遊華たちまた黙ってしまったぞ?もしかして間違えたかな?


「あらあら、遊華ちゃんたち放心してるわ」

「はい?」


 何で放心する。意味がわからない


「きっと遊君に抱きしめられて幸せだったのね」


 あれ?俺が謝った意味は!?っていうか、朝飯まだですか……


「これは当分朝ごはんはお預けね」


 羽月さん冗談でしょ……?


「私は本気よ」

「心を読まないでください」

「あら、わかりやすかったからついね」


 香月が心を読んできたのはこの人の遺伝か……


 それからの話をしよう。って言っても俺の朝飯が10分遅れただけなんだがな!朝から勘弁してくれよ……


とりあえず、遊と遊華たちに一言いいたい・・・

遊、何かハグに躊躇いなくね?遊華たちはハグ以外にも欲張っていい気がする

最後まで読んで頂きありがとうございます!

読者の皆様に大変感謝しております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ