俺が父さんを売り飛ばした事と香月さんがネガティブすぎる件について
今回は遊が悪意100%で遊斗に濡れ衣を着せます。
あと、夜のせいか香月がネガティブになってます!
みなさん、藤堂遊です。買い物が終わり家に帰宅して俺の衣類や生活用品の整理を終えたところです。その時になぜか妹の遊華、義理の姉の香月さんと美月さんが無言でした。俺はてっきり俺の戸籍等の事が原因だと思っていました。
俺の目の前では現在2種類の人間がいます。1種類目は…………
「父さんのではない遊の初パジャマでの添い寝は私が頂いた!」
ドヤ顔の香月さんである。そしてもう1種類目は…………
「「きいぃぃぃ!悔しいぃぃぃ!」」
地面に膝を付き親の仇を見つけた言わんばかりの遊華と美月さんである。
「……何だこれ」
俺には理解不能である。たかが一緒に寝るだけだろ?みんなはどう思う?理解できるか?
「お?今日は香月と一緒に寝るの?」
「…………」
厄災もとい父さん登場である。このタイミングで出てきてほしくなかった
「羽月さ~ん!父さんがまた美人に釣られてますよ~!」
「え!?ちょ、ちょっと、遊!?」
「ゆ~う~と~」
先程までいなかった羽月さん登場。
「い、今のは遊の嘘だよ!?僕は羽月しか見えてないよ!?」
「嘘吐くな。父さんの部屋エロ本だらけじゃないいか」
俺は実際に見たわけじゃないけど……
「ゆ、遊!な、何をい、言っているんだい!?」
「何でそんなに動揺してんだよ?父さん」
「し、してないよ?」
「その反応は遊君の言っている事が正しいように思えるんだけど?」
父さんは言葉が出なかったのか目を反らした。心なしか大量の汗が噴き出しているように見える
「「「…………」」」
香月さん、美月さん、遊華の3人は父さんをゴミを見るような目つきで見ていた
「ん?娘3人の僕を見る目が父親を見る目じゃないよ?何かゴミを見る目だよ?」
「父さん」
「何だい?遊」
俺は父さんに一言こう言い放った
「よくわかったな」
「遊!?」
「とりあえず、後ろで羽月さんがお待ちかねだ」
「え?」
父さんの後ろには鬼の形相の羽月さんが待ち構えていた。
「逝きましょうか、遊斗」
「ま、待って羽月、誤解だ!あれは遊の冗談なんだ!」
「でも、後ろめたい事があるから動揺したんでしょ?」
「………………違います」
父さん違うなら今の間は何だ?
「とりあえず、死刑ね」
「うわぁぁぁぁ!!!」
こうして父さんは羽月さんにどこかに連れて行かれた。これで厄災は去った
「お兄ちゃん……」
「遊……」
「遊ちゃん……」
ん?何か悪寒が……俺は振り向きたくないが、遊華たちの方に振り向いた
「ひっ!な、何で遊華たちまで羽月さんと同じ表情して俺を見るんだ?」
「お兄ちゃん、どうしてお父さんの部屋にエッチな本があるって知ってるの?」
「そうだぞ、遊。そのことに関して説明してもらおうか」
「そうだね~私も聞きたいなぁ~ねぇ、遊ちゃん?」
遊華たちは羽月さんと同じ表情をしているが、俺は怖くないぞ?なぜなら……
「別に知っているわけじゃないぞ」
「遊、そんなんで誤魔化せると思うか?」
香月さん睨まないで!って遊華と美月さんも!
「遊華は知らんかもしれんが、父さんは美人に弱いんだ」
「だから?」
遊華、冷たいよ……
「どんなに爆睡していても美人という単語で簡単に父さんは目を覚ますんだ」
「それで~?それだけじゃ説明になってないよ。遊ちゃん」
美月さん、言葉はいつも通りだけど、目が笑ってないよ……
「普段の父さんの様子等を見てひょっとしたら部屋にエロ本の1冊でもあるんじゃないか?って思っただけだ」
「ふむ、つまり遊は父さんにカマを掛けたと。そういうことだな?」
「ああ、そうだ」
大体、俺は父さんの部屋にほとんど入らないんだぞ。実際にあるかは知らん!
「なら、最初からそう言ってよ。お兄ちゃん」
「そうだよ~」
「紛らわしい事をするな」
3人とも最初に言って信じてくれましたか?
「父さんを退けたが、父さんはいつ戻ってくるか……」
朝は父さんを起こすために美人作戦を使ったが、羽月さんはすぐに父さんを解放してくれた。しかし、今回はどうなる事やら…………
「父さんの事は置いておいてだ、遊」
「ん?何?香月」
「私の部屋の場所はわかるか?」
「あー、わからない」
「そうか、案内しようか?」
「別に今日一緒に寝るんだからその時でいいよ」
今日は香月さんと一緒に寝るんだし、案内は必要ない
「そうか、じゃあ寝る時か私が風呂から上ったら一緒に行こうか」
「ああ、そうする」
「「むうぅ~」」
遊華と美月さんは剥れていたが、遊華は昨日一緒に寝ただろ……美月さんは明日一緒に寝るでしょう……
「二人ともそんなに剥れるな。俺はいなくならないんだから」
「本当に?」
遊華は不安げに見つめてくる。全くこの妹は……
「俺にこの家以外の居場所はない。よって他に行く宛てはない」
「そっか」
なんか自分で言ってて悲しくなるが、遊華を安心させられてよかった。
「むうぅ、遊ちゃん」
「何だ?美月」
「遊華ちゃんや香月ちゃんばかりずるい!私も!」
美月さんが子供の様な事を言い出した。一体何を求めているんだこの人は
「美月、明日一緒に寝るの楽しみにしてる」
俺は美月さんの頭を撫でた。
「うん!」
それから、晩飯を済ませて風呂に入った。しかし、晩飯の時間に父さんと羽月さんは姿を見せなかった。
「俺が父さんを売り飛ばしておいて何だが、何されたんだ?」
風呂上がりの俺の呟きはリビングに空しく木霊した。
「遊、独り言か?」
「ん?香月か?風呂上ったなら声くらい掛け……ってなんて恰好してんだよ!?」
俺が振り向いた時、香月は上はTシャツ1枚に下は下着のままでの登場だった
「どこか変か?」
「上はいい。下は下着1枚ってどういうことだ!?」
「ふむ、暑かったのでな」
いやいや、暑かったのでな。じゃねーよ!父さんもいるのにこの人はいつもこんな恰好で風呂上りにうろついてんのか?
「とりあえず、短パンくらい履いてくれ」
俺は全力で香月さんの方から顔を反らした。
「暑いんだが……仕方ないか」
やけに物分かりがいいな。もっとごねるかと思ったが……
「ごねないんだな」
「それも含めて部屋で話そうではないか」
「わかった」
俺と香月さんはリビングを出て香月さんの部屋へと向かった。
香月さんの部屋は何というか、女性というか女の子の部屋とはかけ離れていた
「あ、あんまりジロジロ見ないでくれ!」
「ご、ごめん」
「遊の言いたいことはわかっている……一般的な女の子の部屋とは違うと思っているんだろ?」
「あ、いや……そんなこと思っていない」
香月さんは自虐的な笑みを浮かべていた。俺は遊華だけじゃなくこの人まで泣かせてしまうのか……?
「香月、とりあえずベッドに行こう」
「え?」
「今日は一緒に寝るんだろ?」
「あ、ああ」
俺と香月さんはベッドに移動した。その後はどうするかは決めていない
「香月、俺はどっち側で寝たらいいんだ?」
「どっち側とは?」
「壁側か出入り口に近い側か」
「なぜそんな事を聞く?」
「遊華と寝た時に聞かれたからだ」
俺は遊華と寝た時に壁側に追いやられた。俺が逃げ出さないようにって
「遊華と寝た時はどっち側で寝たんだ?」
「壁側」
「なら、私も遊は壁側で寝てもらう事にしよう」
「了解」
こうして俺は壁側で寝る事になった。
「…………」
「…………」
い、いかん!寝れん!遊華は妹だから特に意識することはなかったが、香月さんは義理の姉だ。だが、血縁上は赤の他人……つまり、俺は遊華以外の異性と寝るのは初めてであり、眠れるわけがない……
「遊、寝てるか?」
香月さん、そういうこと言うって事は寝てないの知ってますよね?
「起きてるよ。眠れるわけないだろ」
「わ、私と一緒だと安心できないか?まぁ、私こんなだし……女っぽくないし……当たり前か」
はぁ、とうしてこの人はこんなネガティブ思考になるかな……
「何を勘違いしているかは知らんけど、香月の個性と俺が寝れないのは関係ない」
「え?でも私と一緒だと寝れないんじゃないのか?」
「それは事実だな」
「私とじゃ安心できないから寝れないんだろ……?」
いかん、どんどん後ろ向きな考えになってきている
「一緒だと寝れないのは確かだが、理由が違うな」
「え?」
「遊華以外の女の子と一緒に寝た経験がないんだよ!俺は!だから、ドキドキして眠れないんだ!」
何で俺がこんな恥ずかしい思いしなきゃいけないんだ……
「そ、そうか……お、女の子か……」
香月さんはどこか嬉しそうだった。
「大体、香月はどうしてそんな事を気にしているんだ?」
「そうだな、少し昔話をしてもいいか?」
「ああ、構わない」
俺は眠くなるまでの間だけ香月さんの昔話に付き合う事にした。
香月さんも遊香と同じように俺がこの時代に来たから変わった1人なのか?ひょっとして美月さんも何かを抱えているんじゃないか?
香月さんとの夜も遊華と同様に長くなりそうだな……俺って未来に来てからこんなことばかりだな……
遊・・・いくら弄られたくないからって父親売るなよ・・・
香月さん何があったの!?
最後まで読んで頂きありがとうございます!読者の皆様には感謝しています!
引き続き「遊びに行くつもりが未来に来ていた件について」をよろしくお願いします!