気が付いたら未来にいた件について
初めまして、謎サト氏です!小説を書くのは実に7年ぶりでわかりずらい部分もあると思います
誤字脱字はなるべく少なくしたつもりですが、もし誤字脱字がありましたらご指摘ください。
よろしくお願いいたします。
タイムトラベル、そんな現象は空想上の出来事だと思っていたし、実際に起こると思うか?と問われれば俺は迷わず起こらないと答えるだろう。事実そう思っていた……今までは……
自己紹介が遅れたが俺は藤堂遊現在15歳の高校1年生だ。なぜ俺がこんな話をしているかの理由を話すにはまず30分前のことから話さなければならない。そう、あれは30分前の話だ
俺はこの日自分が未来の世界に飛ばされるなんてことを想像もしていなかった。いや、誰でも想像できないと思うが……
「俺友達と遊んでくるからもう行くわ」
「……行けば」
相変わらず冷たいな妹よ……まぁ、妹が冷たいのは今に始まったことじゃないしいいか。
「はぁ、たまには素直にお兄ちゃん大好きっ!って言えんのかねコイツは」
「気持ち悪いこと言ってないでさっさと行けば?」
これ以上妹を刺激すると俺に被害が出るからな。さっさと待ち合わせ場所に行くか
「母さん、晩飯は冷蔵庫に入れといて」
「車に気を付けて行くんだよ」
俺は小学生じゃないぞ。まったく
「へーい、行ってきまーす」
「はーい、行ってらっしゃい」
こうして俺は駅に向かうために家を出た。そう、いつもと変わらないルート、いつもと変わらない駅、
いつもと変わらない電車。こんな日常がずっと続くと思っていた。
『まもなく1番線に電車が到着します。白線より下がってお待ちください』
俺は待ち合わせ場所に向かうべく電車に乗り込んだ。そう、乗り込んだまではよかった。
しかし、電車に乗り込んだ後、突然目の前が真っ白になった。
そして、気が付いたら……未来の世界にいた。どうして未来の世界かわかったか?だって?
それはだな、目の前に見たこともない建物があったり、来るときにはなかった店があるんだ……
「まぁ、一番の決定打は駅の周りがきれいになっていることか……どうやら俺は未来に飛ばされたらしい……」
これが30分前の話だ。問題はこの後どうするか?だな
「とりあえず、ここが何年後の未来なのか調べるのが先だな」
考えても仕方ない、コンビニ行くか……コンビニなら新聞売ってるだろうし、幸いなことに財布とスマフォもある。まぁ、スマフォはバッテリーが生きていればの話だが
「喉も乾いたし、コンビニ行くか。日付の確認と念のためバッテリー買っとくか」
俺はコンビニに向かって歩き出すことにした。ちなみに、俺は未来の世界に来る前は電車に乗り込んだ後だったが、この世界では駅前に飛ばされていた。
「え?嘘……まさか……お兄ちゃん!?」
「え?」
なぜ俺は目の前のお姉さんにお兄ちゃんと呼ばれているんだ?いや、それよりもいきなりやってきてお兄ちゃんって……この場合俺の取るべき行動は1つだ!
「あのー……人違いではないですか?」
「え……?私のことがわからないの……?」
いきなり大人のお姉さんにお兄ちゃんって呼ばれたことないし、そもそも俺の周りには俺をお兄ちゃんなんて呼ぶ奴は一人もいない。
「本当に私が誰かわからないの?」
「ええ、俺にはあなたの様な知り合いはいませんので。それでは」
俺はコンビニに向かうべく立ち去れ……なかった。だって、立ち去ろうとしたら腕をつかまれたからだ。あれ?なんかこの人泣いてないか?
「私、遊華だよ……?思い出してよっ!お兄ちゃん!!」
「は……?遊華?はぁぁぁぁぁぁ!?」
は?待て待て!?あのいつも俺に冷たくて俺には決して愛想なんて振りまいてくれなくて
お兄ちゃん呼びから一番遠いランキング第1位(俺調べ)の遊華ぁぁぁぁぁぁ!?
「グスッ……うん……遊華だよ……お兄ちゃん」
「…………だ」
「え……?」
「嘘だ…………嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁぁ!!」
俺は叫ばずにはいられなかった。道行く人に変な目で見られようが知ったことではない。なんか遊華(仮)が「ちょ、ちょっと、お兄ちゃん!?」なんて言ってる気がするが……
「はぁ、はぁ…………」
「落ち着いた?」
「はい、ですが、あなたが俺の妹の遊華である証拠がありません。なので、証拠を出してください」
そう、この人が遊華である証拠は何一つない。
「うーん、証拠になるかどうかわからないけど、お兄ちゃんの部屋のお小遣いのありかとか?」
「……なぜ知っている」
そう、俺は月々の小遣いを少しずつ貯めていた。高校卒業して一人暮らしをするために……理由?そんなの無愛想かつ口を開けば俺をパシリのように扱う妹から逃れるためだ。しかし、何故ばれた……
「それは家に帰ってから話すとして、これで信じてくれた?お兄ちゃん」
「とりあえずは信じましょう。そのことは母しか知らないことですし」
「ところでお兄ちゃん」
「はい、なんでしょうか?」
「なんでいなくなった日のままの恰好と容姿なの?」
遊華さん、それ最初に指摘しようよ……
「帰ってから話します。それより、今何年ですか?」
「今2028年だよ?」
どうやら俺は10年先の未来に来てしまったらしい……
「あ、そうそうお兄ちゃんいくつかいいかな」
「はい、なんですか?」
「1つ目、敬語やめて。2つ目、家に帰ったら覚悟していてね」
「1つ目はわかりましたが、2つ目はどういうことでしょう?」
「家に帰ればわかるよ、お兄ちゃん」
なんなんだ?一体……まぁ、2つ目はあまり気にしないことにしよう。
「よし、じゃあ帰ろうか」
「そうですね、帰りましょうか」
「敬語」
つい敬語で話したら睨まれた。そりゃもの凄い眼力だった
「お兄ちゃん、手つなご?」
「は?何言ってるの?」
「いや、手をつなごうって言ってるんだけど」
遊華さん、そんなキャラでしたっけ?
「なぁ、遊華」
「何?お兄ちゃん」
「お前、俺のこといつからお兄ちゃんって呼ぶようになったんだ?」
「私は昔からお兄ちゃんのこと大好きだよ!」
誰だこいつ、俺の知ってる遊華じゃない。だがまぁ人間好奇心には勝てないもので聞かなきゃいいことまで聞いてしまった。
「遊華は俺のことどれくらい好きなんだ?」
「私はお兄ちゃんが世界で1番好き……もう離さない……私から離れることは絶対許さない……」
俺に対しいつも冷たい態度で接してきて常に無愛想な妹が実はヤンデレのブラコンだった事実を10年後の未来の世界に飛ばされて初めて知った。
正直、聞かなきゃよかった……っていうか知りたくなかった……
妹が10年でここまで変わったんだ、家に帰るの嫌だな……帰りたくないな……
よし、逃げよう。そうしよう!って手をつないでいる状態だった……
「はぁ……」
「どうしたの?お兄ちゃん?まさか逃げようなんて考えてないよね?」
「に、逃げようなんて考えるわけないだろ!」
「本当?」
本当は逃げようと考えてたなんて言えなかった。だって、光が宿ってない目で見つめられて本当のことなんか言えるか……
遊華がこうなってしまったのは俺がいなくなったせいかどうかは置いといて、妹に対して今の俺が言えることは1つだ。それを伝えるとしよう
「遊華、俺は絶対にお前から離れないなんて言えないが、できる限り遊華のそばにいる」
「うんっ!」
俺、藤堂遊は未来の世界に飛ばされて妹にまさかこんな恥ずかしいことを言うとは思わなかった
最後まで読んでいただいた方々ありがとうございます!正直物語の進め方等不安な部分もありますが、
次回もよろしくお願いします!