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ピアノ、の、音?
聞いたことのあるような、ないような。
そんな曲が微かに聞こえてきて、ふらふらと引き寄せられるように、音の方へと足を向けた。
たどり着いたのは、今はあんまり使われていない第2音楽室。
ラッキーナンバーは2?
第2音楽室?
ドキッとした。
でもそんなこと、ある訳ないないない。先生が練習してるだけなのかもしれない。
そうだよ、きっと、そうなんだ。
期待半分。諦め半分で。
ドアのガラス部分からそっと、覗く。
ダメだ。見えない。
どうしよう、先生だったら。
でも。
もし。
もし…………。
もし…………?
僕は、どうしたい?
自分の心に聞いてみる。
どうしたい?このまま教室に戻る?
真鍋先輩かもしれない。でも。違うかもしれない。
可能性は低いよね。
ただラッキートランプがラッキーナンバーは2って示しただけ。
今までの結果にたまたま真鍋先輩が居ただけで、絶対にそうだって決まってる訳じゃない。
違って、先生だったら、怒られちゃうかもしれない。
でも。
でも。
………よし。
ドキドキする心臓を抑えて、僕は静かに、ドアを開けた。
これ、何の曲だろう。
誰が、弾いて、いるの?
足音をたてないように近づいて、覗く。
そこに居たのは。
そこに。
居たのは……………。