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Led by cards  作者: みやぎ
120/131

119

真鍋先輩と会えなかった2日の昨日。そして3日の今日。



もう日が沈んで、外は真っ暗。






会えない。






どうしてたったそれだけで1日がものすごーーーく長く感じるんだろう。同じ24時間なのに。



しかも電話がかかってこない。メールも来ない。



ジョーカー覚悟で朝ひいたラッキートランプは






スペードの2…電話が鳴らなくても心配しないで






心配しないでって言われてもさ。






このまま連絡が来なくなったらどうしよう、なんて、つまんないことを考えちゃう。



たったの2日間なのに。



そんなことないない。真鍋先輩はただおじいちゃんの家に行ってるだけで、ただ電話とかメールができない理由があるだけ。



そう自分に言い聞かせるのに。



やっぱり………どうしちゃったんだろうって。






こんな風に誰かを好きになって、触れて、抱き締め合って、キスしてって、初めてだから、どうしていいか、分かんないんだよ。



メールしてもいいのかな。電話しても、いいのかな。



でも真鍋先輩から連絡が来ないってことは、しない方がいいのかな。






はああああああ。






大きくため息をついて、テーブルにゴンって頭をぶつけた。






何か僕、自分で自分がぼりしょんだよ………。






「真尋ーーーー」






テーブルにおでこをくっつけたまま、スマホを持ってどうしようーーーって悩んでいたら、下から母さんの呼ぶ声。



誰かと何か言って、階段をのぼる足音が聞こえた。






「なあにーーー」






何だろうとドアを開けて、階段を覗いたら。






「せんぱい⁉︎」






真鍋先輩が、居た。






ど、どうして?何で?



今日の夜に帰って来るって。だから会えるのは明日って。そう聞いてた、から。






「もう遅いからすぐ、帰るけど」






部屋に入って、ドアを閉める。






「会いに来た」

「………うん」






優しく笑う真鍋先輩が、ふんわりと、抱き締めてくれた。






「悪い、スマホの充電器持ってくの忘れて、電池切れてメールできなかった」

「………そうだったんだ」

「父さんの用事で早く帰ることになったから、そこで降ろしてもらった」

「え………?」

「家帰ってから電話しようかとも思ったけど」






真鍋先輩の手が、ほっぺたに触れる。



僕を見てる、甘いあまーい顔。






「やっぱ顔が見たくなった」

「………うん」

「30分ぐらいしたら、帰るな」





30分。



それだけのために、来てくれたの?






「先輩」

「ん?」






嬉しくて、しがみつく。






「……………こーちゃん」

「どうした?」

「ありがと。………大好き」






ばーか。






照れた声に、顔を見たら。






俺もって、キスされた。

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