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Led by cards  作者: みやぎ
115/131

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そろそろ俺行くわって、透が立ち上がった。






「え?もう?」

「今さら隠す必要ないから言うけど、圭がうち来るから」

「ええ!?」

「マジ?」

「おお、やるなぁ渡瀬」

「へぇ」






時計を見ると11時。






そっか、もう11時なんだ。





「勉強するだけだよ」






照れ隠しにそっぽを向いてむすっと言ってる透を、みんなで笑った。



うっせーよって、言いながら荷物を持つ。






「んじゃおれらも行くか、ハヤ」

「俺らって何だよ」

「え?一緒に帰ろうよ」

「何でだよ」

「照れんなよ」

「照れてねぇよ」






え?友弥も帰っちゃうの?



ってことは僕も帰らないと、ダメかな。



本当はもうちょっと居たいけど……。






「じゃ」

「真尋はまだいいだろ」






僕も帰りますって、言う前に真鍋先輩に先を言われて、3人がニヤニヤしてる。






し、視線が痛い。






「あ、うん。大丈夫」

「玄関まで行くよ。真尋も来い」

「………うん」






真鍋先輩の指が僕の指に絡まって、そのまま玄関まで手を繋いで行った。






バイバーイって手を振って、戻るぞって真鍋先輩に引っ張られて、行こうと思った時に、友弥が昨日買っていた木戸先輩への1ヶ月遅れの誕生日プレゼントを渡してるのが見えた。



どんな顔で友弥が渡してるのか、どんな顔で木戸先輩が受け取ってるのかが見えなくて、ちょっと残念だった。






何だかんだ言って、あのふたりってラブラブだよね?






「真尋?ほら寒いから」

「うん」






差し出された手を握って、部屋に戻った。











何か、さ。改めてふたりきりって、さ。落ち着かないんだけど、どうしたらいいんだろう。






「あの、先輩………」

「何?」

「髪の毛、くすぐったい………」






今、真鍋先輩の中学時代の卒業アルバムを見せてもらってるんだけど、後ろからぎゅってされてて………あの、余計に落ち着かないんだけど………。






「先輩は、中学の時もサッカー部?」

「そう」

「あ、居た!!」






真ん中に座って睨むように写ってる真鍋先輩は、カッコいいっていうより、ちょっとかわいい顔。



ふふふって笑ったら、何?って肩に顎を乗せられた。






「先輩、何でいつもカメラ睨んでるの?」

「………………反抗期」

「反抗期!!」

「無駄にイライラしてたんだよ」

「今は違うの?」

「今?」

「今」






肩越しに目が合って、真鍋先輩がふって笑った。



卒アルとは全然違う、眉毛が下がった、優しい顔。






「今は、違う」

「違うんだ」

「何でかな。お前見てると、イライラしてる暇もないわ」

「………僕?」

「ドキドキは、するけどな」

「………うん」






ドキドキする。ドキドキ、するね。



僕もずっとドキドキしっぱなしだよ。






「先輩」

「ん?」

「………大好き」

「ばーか。煽ってんじゃねぇっつーの」

「いたっ」






ごつって、頭をぶつけられて。






ふたりきりの部屋で、僕たちはそっとキスをした。

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