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Led by cards  作者: みやぎ
111/131

110

「電気消すぞー」

「はーい」

「お願いしまーす」

「あざーす」

「はいよー」






時刻は1時。



さすがにもう寝ようって、みんなで布団に入って真鍋先輩が電気を消した。



真っ暗になって、真鍋先輩が布団に入る気配がした。






「真鍋先輩、青い手、見えません?大丈夫ですか?」

「おい、やめろよ早佐。マジ怖ぇ」






友弥の面白がってる声と、それとは正反対の真鍋先輩の怖がってる声。



布団の隙間から真鍋先輩の手が入ってきて、僕の手を握った。






「まーくん、真鍋先輩怖いって。布団に行ってやんなよ」

「え?」

「お許しが出たぞ。来い、真尋」

「え?」






ぐいぐいって引っ張られて、え?まだみんな起きてるのに?って、僕はドキドキし始める。






暗いから見えないとは思うけど、いいの?本当に?






「ハヤーーー、おれもこわーーーい」

「うっさいわ」

「こわいからおれの布団に来いよ、ハヤーー」

「黙れや」

「友弥って何で木戸先輩には塩対応なの?」

「だろ?ひどいだろ、扱いが。恋人なのに」

「そういうところがムカつくんだって!!」

「照れるなよーハヤ」

「照れてねぇわ!!」






向こうで騒いでる間に、こっそりと真鍋先輩の布団に移動する。



ちょっと上の方まで掛け布団をあげて向き合って、ぎゅうってした後、おでこをくっつけた。






みんな居るよ?みんな起きてるよ?






ちょっとだけ僕の唇に触れた真鍋先輩の唇が、僕のドキドキを更にドキドキさせる。






「光ちゃん、ヤっちゃダメだよ?」

「ヤらないって」

「え、何、そこ本当にイチャってるの」

「イチャってないよ!!」

「いや、イチャってるでしょ」

「絶対イチャってるね」

「光ちゃん、チュウだけにしときなよ?濃厚なのダメだよ?かるーいのね?」

「大丈夫だよ、亮平くん。俺もそこまでバカじゃないから」

「とか言って光ちゃん、絶対濃厚なのするでしょ」

「りょーうーへーいーくーん」

「俺そっち向くのやめるわ」

「うん、透くんその方が賢明だね」

「そっちも向かないから安心しろ」

「気が利くねぇ。ほらハヤ、来いって」

「だからうるさいよ、アンタ」






みんなの会話が面白くて、恥ずかしくて。






僕はふふふって笑った。






「何笑ってんの」

「ううん、何でもない」






友弥と木戸先輩の言い合いに紛れて、小さな声で話した。






しばらくして騒がしさは段々となくなって………静かに、なる。






もう、寝た?まだ、かな。まだ、だよね?






目の前の真鍋先輩は、僕をじっと見てて、僕は、落ち着かなかった。






みんなが起きてるかもしれないから、話すこともできない。






何か恥ずかしくて、目を伏せた。






「いてっ」






べしって音と共に聞こえた木戸先輩の声に、真鍋先輩とふたり、びくってなった。



声を殺して、笑う。






何してるんだろう、あのふたり。






「……………っ」






真鍋先輩の指が、ふいに僕のほっぺたを撫でた。






そして。そして。






暗闇の中で、唇を重ね合った。

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