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Led by cards  作者: みやぎ
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「まー、随分長いトイレだったな」

「まーくんも青い手に連れ去られたのかと思ったよ」

「ふふふふ。キスできた?」

「きっ………」

「キス!?」






ニヤニヤってした透と友弥が言ったあとに、木戸先輩がそんなことを言って、2人がびっくりしてて。






「木戸先輩!!」

「亮平くん!!」






お風呂で目撃された僕たちは焦った。



焦る僕たちを見て、透と友弥がまたニヤニヤする。






もう!!木戸先輩って何でこうなの!?






「なぁ、光ちゃん」

「ん?」

「部屋、余ってない?」

「部屋?部屋ならたくさんあるけど、何で?」






真鍋先輩は布団の上に座って、急にそんなことを言い出した木戸先輩に、首を傾げてる。






木戸先輩、どうしたんだろ、急に。






「おれ、ハヤとふたりで寝たい」

「え?」

「なっ!?」

「ふたりで?」

「ふたりで。な?ハヤ」

「はああああ?アンタまた何言い出してんの!?」






友弥がすごい勢いで木戸先輩に言ってるけど………。



友弥、木戸先輩相手だと、キャラ変わるよね?






思わず透と顔を合わせて、目をぱちくりさせちゃった。






「恋人ならさ、ふたりで居たいって思うのが普通じゃん。ね?光ちゃん?」

「そ、それは…………」

「恋人!!」

「ふたりはやっぱりもう恋人なの!?」

「ちっ、ちがっ…………」





かあああああって、友弥が真っ赤になってる。






「違うの?」

「違わねぇぞ?昨日好きだって言ってキスしたし。な?ハヤ」

「き、昨日っ!?」

「やっぱりヤっちゃった!?」

「ヤった…………!?亮平くん!?」

「だからヤってないって!!」

「昨日はハヤがヤダって言ったから途中まで………ぶっ!!」






ぼふって、友弥が持っていた枕が木戸先輩の顔にクリーンヒットして、木戸先輩は痛いなぁっていつもの優しい顔で笑った。






いや、でも、と、途中って、ど、どこまで?



あ、でも僕もさっきお風呂で身体にキスされて…………。



ダメだ、これ以上考えるとこれ絶対ダメなやつだ。






友弥も真っ赤だけど、僕も赤くなっちゃって、思わず枕を抱き締めた。






「だからおれ、ハヤとふたりで寝たい」

「だからって亮平くん………。いや、今日はやめよう。やめておこう」

「何で?」

「何でって………。俺も我慢してるから、亮平くんも我慢してよ」






ちょ、ちょっと何か。






「何で我慢しなきゃいけないんだよ」






会話がおかしい方に行ってない?






「好きならふたりで居たいって思うのは当然のことだろ?」

「そ、そりゃ、まあ………」

「ふたりで居たいし、キスしたいし、触りたいし、ヤりた………ぶっ」

「アンタいい加減にしろって!!」






木戸先輩がはいって友弥に返した枕を、友弥はまた木戸先輩に投げつけて、真っ赤な顔で言ってるけど。






ちょっと嬉しそうに見えるのは僕だけなのかな?






「まあさ、今日はせっかく5人で居るんだから、それはまたふたりの時にしてよ亮平くん」

「そうだよ!!せっかくのクリパに何言ってんだよアンタ!!」

「えー、残念だなぁ………」






胡座をかいていた木戸先輩が、ごろんって転がってふふふって笑ってる。






「ま、気持ちはよーく分かるよ、亮平くん」

「だろ?こんなチャンス滅多にないもん」

「ないよなぁ」






真鍋先輩は僕を、木戸先輩は友弥を、何とも言えないやらしーい顔で、見るから。



僕は顔がどんどん熱くなっていって、友弥はもう一度枕を投げつけた。






「え、待って。俺、またぼりしょんなパターン?」

「ぼりしょんだな」

「木戸先輩、即答やめてよ」

「ふふふ、ごめんごめん」

「来るのやめた方が良かった?」

「ダメだよ、透くん居てくれなきゃ!!」

「そうだよ、居てよ!!」






じゃないと僕たち、何されるか分かんない。



いいけど…………うん、いいんだけど、ね?






「なら、いいけど」

「でも透くんさー」

「ん?」

「昨日、どこ行ってたの?」






友弥が、まだちょっと赤い顔で、でもニヤって笑いながら透に聞いた。






あれ?昨日透も出掛けてたんだ。知らなかった。






「ど、どこって、別に」

「朝から居なかったじゃん」

「そ、それは、ちょっと、よ、用事があったんだよ」






珍しく、透がしどろもどろになってる。



あやしい、よね。






「俺、見たよ?」

「え?」

「仲良さそうに歩いてるところ」

「ええ!?透が!?誰と!?」

「同中の後輩の…………」






同中の後輩!?うわ、誰だろう。



透って僕たちのこういう、いわゆるコイバナ?はすごい色々聞いてきたり言ったりするのに、自分のって結構秘密主義なんだよね。






「わああああああ!!友弥!!てめっ!!」

「後輩ってことはまだ中学生かー」

「中学生に手ぇ出しちゃダメだなぁ」

「だっ、出してねぇし!!」

「誰!?誰!?僕知ってる子?」

「知ってるも何も……」

「友弥!!言ったらぶっ飛ばす!!」

「えー、透ずるーい。僕のことはいっつも根掘り葉掘り聞くくせに!!」

「だから付き合ってるとかじゃねぇし!!」

「でもラブラブな感じだったよ?」

「おおお、何だよ、ぼりしょんじゃないじゃん全然」

「だから違うって!!」






透の赤い顔って、貴重だなあ。絶対誰か聞き出さなきゃ。






透を見て、目が合って、僕はふふふって笑った。

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