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Led by cards  作者: みやぎ
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「真尋、そろそろ部屋戻ろう」

「もう?」

「さっきの話がマジこえぇ」






真鍋先輩の熱っぽい目がみるみるなくなって、眉毛が下がったちょっと情けない顔になった。






やっぱりこんな顔の真鍋先輩は………かわいい。






「大丈夫だよ」

「大丈夫じゃねぇって。本当にあった話なんて本気で耐えられねぇ」






真鍋先輩がくって項垂れて、僕の肩に顔を埋めた。






「なぁ、まひろー」

「ん?」

「今日は一緒に寝よう」

「ええええっ!?」

「一緒に寝てくれ」

「え、えっと、それって………」

「何もしないから、俺の布団に来い」

「え?一緒の布団に寝て………なのに何もしてくれないの?」






何だ、残念って、小さく呟いたら。



まひろーって、肩のところからくぐもった声が聞こえた。






「ん?」

「頼むからこれ以上俺を暴走させんな」

「だから………してもいいって………」

「お前というやつは本当に………」

「ねぇ、先輩」

「………何?」






呼んだら真鍋先輩が顔をあげて、困ったように更に眉毛を下げてる。






そんな顔、しなくてもいいじゃん。ただ僕は。



僕は、ね?






「………大好き」






言いたいだけ。






言って、そっと真鍋先輩のほっぺたにキスした。






「まーひーろー!!」

「やっ!!いたたたたたたっ!!先輩痛い痛い、いーたーいー!!」






ぐりぐりぐりって、僕は真鍋先輩にグリコされた。



それからぎゅうって、抱き締められた。






「急がない。大事にしたい。そう言ったろ」

「………うん」

「マジで、好きなんだ」

「………うん。僕も、好き」

「だからしばらくは………キスだけな」

「………うん」

「って、持つかなあ、俺。自信ないわ」






無理に我慢しなくてもいいのに、時々真鍋先輩って、変に頭固いよね?



でも、僕を大事に思ってくれてるっていうのは分かる、から。






分かる、けど。






「先輩と一緒に寝たら、布団でもキスしてくれる?」






そんなに側に居て何もしないって、すっごい拷問だよね?



そんなの、僕が耐えられない。






「まーひーろー。マジで勘弁してくれ。お前はどんだけ俺を煽れば気が済むんだ?」

「ダメ?してくれないの?」

「………させて頂きます」

「絶対、ね?」

「みんなが寝たらな」

「やった!!」






怖いって言ってる真鍋先輩には悪いけど、あの話をしてくれた友弥に感謝。



抱き締められながら小さくガッツポーズをした僕に、真鍋先輩がはああああって、大きく息を吐いた。






「ダメだ。お前、かわいすぎる………」






何のことか分からなくて真鍋先輩を見る。



優しい顔で笑ってる。






優しい顔。



僕だけに向ける、あまーい顔。






「先輩、好き」

「もう、それ、禁止」





やだよ、って言おうとした言葉は。



真鍋先輩の唇で、塞がれた。

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