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Led by cards  作者: みやぎ
106/131

105

あれ?真鍋先輩の部屋ってどこだっけ?






トイレに行ったのはいいけれど、同じようなドアばっかりがいくつも並んでて、真鍋先輩の部屋が分かんなくなっちゃった。



そのうち誰か来てくれるかな?






なんて気軽に考えて、僕は窓の外に視線をうつした。






ひろーい庭が、まだキラキラ光ってる。






「きれーい」






窓際に寄って、そのキラキラを見る。





何か、色々あったな、このクリパ。



今何時ぐらいだろう?楽しい時間はあっという間。



もっと、続けばいいのに。






「先輩、来てくれないかな………」






そしたら………好きって言うのに。言っちゃう、のに。






しばらくそのまま、ぼんやりと窓の外を眺めてた。











「真尋!!大丈夫か!?」

「え!?」






バタバタバタって向こうの方から真鍋先輩が猛ダッシュで来て、僕はちょっとびっくりした。






「先輩、どうしたの?」

「真尋がなかなか戻って来ないから、みんなしてお前が青い手にさらわれたんじゃないかって」






僕の腕をガシってつかんで、ものすごい真剣な顔で言うから。






「心配して来てくれたんですか?」

「え、あ、うん、そう………」

「………ありがと」






真鍋先輩、あんなに怖がってたのに。






嬉しくなって、僕は真鍋先輩の肩におでこを乗せた。






来てくれた。



真鍋先輩が。



来てくれたよ。






だから。






「で、お前はんなとこで何してたの?」

「迷子」

「え?」

「部屋、分からなくなっちゃって、誰か迎えに来てくれないかなあって、待ってた」

「マジか」

「うん」






バカだな、お前って、笑われる。






だから、ね。






「先輩のパジャマ、触り心地いいですね」

「そうか?」

「うん、僕、これ好き」





合言葉は、好き。






好き。






ああ、ドキドキする。ドキドキしちゃうよ。






「先輩の、くりくりした目が、好き」

「真尋?」

「いつもは超カッコいいのに、時々眉毛下がってる笑い方が好き」

「真尋、ちょっと待て」

「先輩の声が好き」

「待てって」

「あったかい手が好き」






真鍋先輩の手を持って、自分のほっぺたにあてる。






うん。やっぱり、あったかい。



ドキドキ、する。






肩に乗せてたおでこを離して、顔を上げる。



真鍋先輩の目を、じっと見る。




庭のキラキラが、うつってる。






「先輩が好き。………大好き」






やっと。






やっと、言えた。

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