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ドッペル転生~鑑定&コピー能力で目立たず着々と最強に~ 作者:あまうい白一

一章 転生 そしてダンジョンへ~

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第七話 ドッペルした体の凶悪な性能差

 レベル2になった翌日。
 俺はアビスキマイラの体で動く練習をすることにした。

「ドッペル――っと」

 変身した体は、大人の男の身長を五~六倍したような体躯をしている。

 横にも縦にもデカイ。
 それで四足で歩くのだから、動きに慣れるのに時間がかかりそうだ。とりあえず、一日潰す覚悟で覚えてみよう。

「グレムリンウルフの時は丸一日掛かったし、キマイラも気長にやるか」

 とりあえず狼状態の経験を使えないかと、体のバランスを探ってみる。
 重心の位置は尻の付け根、蛇のしっぽの根元あたりにある。

 ……蛇は、操れるな。

 頭のある蛇だが、意思らしきものは無い。だから自動的に動くことなく、俺の意思どおりに動いてくれた。とはいえ、尻尾を動かした経験が無いから、とてもぎこちないが。

 ともあれ、蛇についてはオーケーだ。

 次は歩く練習だ。

 ……四足獣だと、後ろ足の使い方がポイントになるんだよな。

 狼状態での経験で、それは分かっていた。
 だから、まずは軽く後ろ足で地を蹴り、走り出してみた。すると、

「おっ?」

 想像以上に軽やかに、キマイラの体は動いた。
 一歩ごとにドシン、という衝撃音が響くが、重いのは音だけだ。

 ……おや、これは……まさか……?

 もう一度、今度はもっと強く後ろ足で地面をけってみた。すると、
 ぐおっ、っという勢いでキマイラの体は宙を飛んだ。

 巨体の割に全く重さを感じさせない、ジャンプだった。天井が一気に近づくほど、高く飛んだ。
 というか、本気を入れて飛べば天井に触れるくらいは行けると感覚で分かった。
 人間が十人縦に並んでようやく届くような、天井にだ。

「マジか。身体能力高すぎるだろ、この体」

 ドシンドシン言うから隠密行動は出来ないけれど、それ以外が高性能すぎる。

 全身の筋肉がバランスよく付いているのか、非常に力が伝えやすい。人間の体とほぼ同じような感覚で使えて、人間以上の動きが出来る感じだ。そして、思った。

「あれ、ってことは、もしかして、二足で立てないか?」

 試してみた。そうしたら、想像通り、二足で立つことに成功した。
 それどころか、歩けてしまった。

「バランス感覚もすげえぞ、これ!」

 基本は四足で動くことになる。
 ただ筋力や骨格の関係か、意外と人間時代の立ち方や、動き方も出来るようだ。
 むしろ、こっちの方が高さを得られるので、遠いところを見るときは便利だ。何より、

「この体だと、人間時代の動きが使える!」

 それが一番大きかった。
 動かし方を学ぶ時も、人間時代の経験が生かせる。素晴らしい体だ。そう、素晴らしすぎる。 

「めちゃくちゃ俊敏で、バランスも良くて、引っ掻きも強い。それで、呪言も使えるのか。……改めて思うと酷い性能だな」

 今は自分が使えているから良いけれど、こんなのを昔は相手にしていたのかと思うと、酷い性能差だ。だからこそ、この体の有用性を認識できたって事でもあるけれどさ。

 ……しかし、うん、こんなに性能の良い体を使いこなすことが出来れば、ダンジョン脱出が大きく近づいてくるな。

 この巨体の前に、ウサギなどの小型モンスターは逃げてしまうし、多少のモンスターならば呪言からの引っ掻きでなんとかなる。

 ウォークライなどの他のスキルを組み合わせれば更に万全になる。

 ……呪言だけじゃない。この体もいいものじゃないか。

 なんて思っていると変身時間が終わった。
 およそ五分間。
 レベル二の俺の変身限界時間がそこだ。

 いずれ限界なく変身し続けられる時が来るのかもしれないが、レベルアップの条件が曖昧なので、いつになるか分かったものじゃない。
 だから今は五分がキマイラで戦える限界だと思っていたほうがいいだろう。

 ……一応、こまめに変身解除すれば、戦闘時間の延長は僅かに出来るが……。

 変身解除している余裕がなければ、そんな延長は不可能だ。
 一度変身したら五分間のタイマーが動き出す。
 それを使いきるんで、五分間は回復しない。

 そして、一度五分間を使いきったら、必ずドッペルゲンガーの体に戻る。そうなったら即ピンチだ。
 使いどころや、温存は考えておく必要があるだろう。

 ……あと、何より、一度キマイラにドッペルすると物凄く腹が減るんだよな。

 キマイラになると毎回、運動量にかかわらず腹が減る。
 運動した時はもっと減るが、なんにせよ、この体だけやけにカロリー消費が激しい。

 ……そこもキマイラの課題だよなあ。

 腹が減ったら動けなくなる訳じゃないが、動きに精彩を欠くだろうし。 
 ドッペルゲンガーだと空腹も感じづらいのでいいんだけど。

「まあ、課題が見つかるのは良いことだしな。メシを食いながら、再確認するか」

 そうして、俺はキマイラの体の使い方を、人間時代を思い出しつつ、どんどん学んでいった。
  
●平行連載作品のご紹介
新作です。こちらの連載も応援して頂けると助かります!
元竜騎士が相棒の竜と共に、楽しく運び屋をしていく話です。
 最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます
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