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ドッペル転生~鑑定&コピー能力で目立たず着々と最強に~ 作者:あまうい白一

一章 転生 そしてダンジョンへ~

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第四話 複数ドッペル

 スライムを食してから、しばらくが経過した。
 俺は相変わらずダンジョン内部を歩いて探索していた。

 外が昼か夜か分からないため何日経ったかは分からないが、感覚的に一日二日は歩いただろうか。

 ……この身体はあまり疲れを感じなくていいな。

 一度ドッペルしたものは、二回目からは対象がいなくてもドッペルできるので、狼になって歩く事も出来るが、視界が低くせまくなるため、基本的にドッペルゲンガー状態で動いているのだが、思わぬ効果があった。 
 ただ、この状態だと基本的に全裸でうろうろすることになるが、ダンジョンの内部なので問題は無い。
 壁に鏡魔石が埋まっている事が多いので、時折、自分の裸が目に入って嫌になるくらいか。

 ……まあ、自分の姿が確認できるのは悪いことではないんだけどさ。

 ドッペルゲンガーの『見通す力』は対象を見なければ発動しない。だから自分で自分の体を見るのに、鏡魔石はとても便利なのだ。

 自分の体を見下ろすだけでも発動できなくはないが、文字が読みづらい位置に発生してしょうがないしな。
 そして、鏡に映る俺の体には、新しい情報が書き込まれていた。

【グレン lv1 種族スキル・《ドッペル》・《ウォークライ》・《溶解液》・《バニーウインド》《簡易敵探知(エコーレーダー)》《(気配微遮断)スニーク》

 バニーウインドはシーフラビットというウサギから得た、目くらましの砂埃を起こす程度の竜巻を作る技。
 エコーレーダーはキラープテラという蝙蝠から得た敵を探知する技能。
 スニークはマッドスネイクというヘビから取得した気配を消す能力だ。

 どれも微妙に使える技だ。
 そして、その姿の元になった連中は、今はどれも胃の中だ。
 グレムリンウルフの先制ウォークライで痺れさせる、という行為が、かなり強いため、とても楽にドッペル&食事が出来た。

 ちなみに味は全部最悪でした。

 味覚が変わっていても、塩味すらない生肉をひたすら胃に押し込むのは、とても疲れる行為だった。
 毒が無いモンスターだと分かっていたから、感情を殺して一気に食ったけれども。

 ……というか、このドッペルが曲者だよなあ。

 いきなり同じ姿になるので、まずモンスターは驚いて竦む。

 その隙に攻撃を加えれば、先制している時点でこちらが優位に立てる。

 体の動かし方はどうしても向こうの方が上なのだが、少なくとも一対一で、奇襲をかけられる状況ならば負ける事は無い。
 人間時代の知恵もあるし、地形を利用したり、地の利を得たりする事も出来るし。

 ただ、流石に集団戦になると負ける確率が上がる。初見のモンスターをドッペルした時などはなおさらだ。
 体の動かし方が分からないまま、集団にタコ殴りにされることになる。それが嫌で集団戦はしていなかった。

 そうして考えながら戦闘をこなしていく中で、思った事がある。

「これ、他のモンスターの体でもスキルは使えるのか?」

 もしもそれが出来るのならば、一番慣れている狼の姿で移動しながら攻撃できる。そして動き慣れている狼の姿ならば、多少は集団戦も可能になってくる。

 ……試してみるか。

 ちょうど、目の前に一匹のシーフラビットを見つけた。牙と角を生やしたウサギだ。
 物騒な見た目の通り、人の首を食いちぎりに来る凶暴なモンスターだ。

 そして、敵を見つけるとまず《バニーウインド》というスキルで砂埃をあげて視界を封じてくる厄介な相手でもある。
 あれを獲物にやってみよう。

「ドッペル――グレムリンウルフ」

 俺はまず狼に変身した。

「……最初は《スニーク》から……」

 そして俺は蛇が持っていた気配を僅かに遮断するスキルを使ってみた。

 これを使われると近距離まで迫られても、その存在を知覚出来なくなる。
 ヘビにはその力で苦労させられたが、今は自分の力の一部だ。上手く発動してくれている事を祈りながら、ウサギに接近する。

 本当に近距離まで、近づいた。普段、ドッペルゲンガーの体であったら、絶対に気付かれる距離なのに、ウサギは一切気にしたそぶりも見せずぼーっとしている。

 ……砂埃も起こしてこない。気付かれて、ない。ってことは、成功か。

 ただ、もしかしたら油断を誘っている可能性もある。
 慎重にいかねば、と俺はスニークを発動したまま、

「ゴアアッッ!!」
「――!?」

 ウォークライを放った。
 耳の傍でいきなり放たれた衝撃音に、ウサギはびっくりして身を硬直させた。

 本当に気付いていなかったらしい。これは美味しい、と俺はそのまま手足でウサギの首を抑え、首を食いちぎった。

「なるほど。別のモンスターの体でも、スキルは使えるんだな。……他のはどうだ?」

 こうして実験して言った結果、ほとんどのスキルは別のモンスターの体でも使える事が判明した。ただし、一つだけ、例外があり、

「ドッペル……は無理と」

 オオカミからスライムに変身する事は出来なかった。
 どうやら、モンスターに変化する時は一度、ドッペルゲンガー状態を介さなきゃいけないようだ。

 ……まあ、スキルの仕様が分かっただけでも御の字か。

 これのお蔭でまた生存率が跳ね上がる。基本的にスニークと敵探知をしていれば奇襲されることも減るだろうしな。

 それは有り難いことだ。何せ生存率が上がれば、探索もしやすくなる。

 そう、いつまでもこのダンジョンの中でじっとしているわけにもいかない。

 ……こんな洞穴で死ぬなんて真っ平ごめんだからな。

 せめて、日の光は拝みたい。というか、迷宮都市という故郷が近いのだから、一度戻っておきたくもある。

 ……その為にはまず、生き残り続けて、上への出口を探さないとな。

 ダンジョンは広い。だからこのまま、モンスターを狩って食して腹を持たせながら、周囲のマッピングに励んでいこう。

 そう思いながら俺は狼の口で、ウサギを食べていくのだった。

 うん、でもやっぱり生肉は、美味しくない!
続きは午後か夜に掲載します!
●平行連載作品のご紹介
新作です。こちらの連載も応援して頂けると助かります!
元竜騎士が相棒の竜と共に、楽しく運び屋をしていく話です。
 最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます
http://ncode.syosetu.com/n4045ed/

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