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ドッペル転生~鑑定&コピー能力で目立たず着々と最強に~ 作者:あまうい白一

二章 出会う者と出くわす者

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第八話 楽々侵入と、期待以上の街並み

 俺はミィルとレオと共に、迷宮都市の門をくぐっていたのだが、

「おお、ご帰還なさいましたか、ミィルさん。お疲れ様です」
「はい。お疲れ様です。あ、こちら私のお客様ですので、一緒に通してくださいな」
「了解ですー。ギルドの方にも帰還の方、ご連絡しておきますねー」

 といった簡単なやり取りで通れてしまった。
 こんなにユルユルな警備は初めてだ。いや、モンスターの体になってしまった今となっては有り難い事だけれどもさ。

「……なあ、ミィル。関所の警備っていつもこうなのか?」
「え? あー、いえ。いつもはこれほどじゃないですよ」
「おお、やっぱりそうなのか。いつもはもっと厳しいんだよな」

 今回が特別なだけだよなあ、と思っていたら、

「いえいえ、ダンジョンから出てくるモンスターが強めになっているので、最近はかなり厳しくなっていますよ?」

 真逆だった。
 いつもはもっとユルユルらしい。これ以上緩くしたら、関所の意味が無いと思うんだけど。

「それで、大丈夫なのか……」
「ええまあ、魔王がいなくなって、モンスターの凶暴化も収まりましたし。殆どの魔族とも融和出来ましたからね。問題なく平和に過ごせていますよ」
「融和に平和、ねえ」

 街の中央にある大通りを歩いているのだが、確かに魔族の姿は多かった。
 この都市には一年前もそれなりの魔族はいたけれども、どこかひっそりと隠れながら生きていた。けれども今は、普通に街を歩いている。

「親分親分。なんだかココ、匂いが雑多だけど、敵意のある匂いは殆どしないぞ。警戒も少なくていいって、面白いな、街って!」

 レオはこの光景を気に入ったようで、俺の足回りをグルグルしていた。 

 ……魔王がいなくなって平和になった、というのは嘘じゃないんだろうな。

 俺は強制的に打ち倒しにいくハメになったが、その甲斐があったと思う事にしておこうか、と思っていると、

「それで、親分さん。組合はこちらですので、付いてきてもらっていいでしょうか?」

 そう言って、ミィルが先を進み始めた。

「おう、道案内頼むわ」

 と言っても、ギルドの場所は大通りを進んだ先、都市の中央付近にあると分かっているけれど。とりあえず、久し振りの故郷だし、軽く眺めながら行くか、と付いていく。

 がやがやとにぎわう街の中は、それなりに様変わりしている。ただ、見覚えのある風景が広がっていた。

 ……まあ、一年も見なければこんなものか。

 と思いながら歩いて行き、やがて巨大な五階建ての建物がある街の中央部にたどり着いたのだが、

「さあ、こっちです」

 何故か、ミィルはその巨大な建て物を通りすぎた。

「……あれ、このでかいのがギルドじゃなかったのか??」
「え、そこは探索者を養成する訓練所兼商業施設ですよ。街が小さいときのギルドはそこにあったらしいですがね。今は向こうにあります」

 そうしてミィルが指さした先には、先ほど見た以上に大勢の人が歩いている、発展した街並みが広がっていた。

 ……いや、待て。俺がいたころ、ここから先はただの農地だったはずなのに……!

 土と木と水のにおいしかない、住人も少ない地域だったそこには、たくさんの人々が歩いていた。
 どうなっているんだ、との思いを得つつ更に歩くこと数分。
 たどり着いた先には、十階はあるであろう、巨大な建て物が立っていた。

「これは、なんだ?」
「えっと、これが、迷宮リゾート・ラビリスの運営を業務とするギルド兼領主の館となっております。――って、どうしたんですか、親分さん? そんなに周りをキョロキョロと見て」

 キョロキョロと見て当然だろう。何せ、ここは

 ……俺の家と畑があった場所だよな。

 木造の一軒家と、一人で面倒を見切れる畑。それが俺の記憶にある実家だ。
 そして塔のような建て物の隣には、俺の記憶通り一軒家も畑も残っている。

 だけれども、鉄や魔石で造られた厳重な柵で囲まれていた。

「ギルドがあるのは分かったが、こっちはなんなんだ?」 
「ああ、ここは、ギルドおよび、領主による厳重管理区域になっておりまして。領主か、ギルドの長による許可が無ければ入れない場所ですね」

 なんだか俺の実家が大変な状況になっている。
 どうなっているんだ。意味が分からんぞ。そう思っていると、

「あ、なんかこの先から親分に近い匂いがするー。親分の目的ってこの先にあるのか?」

 レオがくんくんと鼻を動かして、厳重管理区域を見やっていた。
 嗅覚の鋭いレオが俺の匂いを感じ取ったということは、やはり俺の家である可能性は大きいだろう。だとしたら、なおさらこの状態が気になるのだが、と眉をひそめていると、

「え、親分さん、この中に用があるんですか? だとしたら、これから、ギルドに報告するついでに、許可を取れるか聞いてみましょうか」

 ミィルがそんなことを言ってきた。

「ああ、……そう、だな。気軽に聞けることだったら、ちょっと聞いてみてもらえるか」
「了解です! 任せてください! 助けてくれたお礼という事もありますので、頑張って交渉しちゃいますよ!」

 そうして、ミィルは俺の家の脇にできた巨大な建物に入っていく。
 彼女を助けた甲斐がこんなことで出るとは、運が良いというべきか。なんにせよ、情報を集められるのはありがたいことだ。

「親分。オレたちも入るんだよな?」
「ああ、とりあえず、話を聞くだけ聞きたいしな。やばそうだったらすぐ逃げるぞ」
「わん! 了解だぜ、親分」

 街の状況が様変わりした理由がなんなのかは分からないが、とりあえず警戒半分、好奇心半分という感じで。俺はレオを撫でて冷静な気持ちを取り戻した後で、ギルドの中へと入っていく。
●平行連載作品のご紹介
新作です。こちらの連載も応援して頂けると助かります!
元竜騎士が相棒の竜と共に、楽しく運び屋をしていく話です。
 最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます
http://ncode.syosetu.com/n4045ed/

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