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ドッペル転生~鑑定&コピー能力で目立たず着々と最強に~ 作者:あまうい白一

二章 出会う者と出くわす者

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第三話 上層部特有の変化


 食事の際、俺はグレムリンウルフにドッペルする。
 近辺で通常ドッペル出来ないものは無い、というレベルまで来たのだが、メシを食うときは、大体グレムリンウルフだ。

 この身体が一番、肉が食いちぎりやすくて、腹にメシをためやすいのだ。

 だが、グレムリンウルフになってメシを食うと、レオよりも小さい体になるため、奇妙な感じがする上に、肉を食べていると、

「へへー、親分のその姿、ちっこくてかわいいなあ」
「なんだとお」

 レオがこんなことを言ってくる始末だ。だから

「そういう事を言っちゃうお前はこうしてやるぞ」

 俺はドッペルゲンガーに戻って、レオの体をもふもふ、もにゅもにゅする。

「わひゃあああ。ごめん、御免って親分! くすぐったい」

 柔らかな毛皮の奥は、めっちゃプニプニした肉がある。
 幼年期から成熟期に入ったとはいえ、この体のプニプニ感は残ったままだ。

「だ、ダメだって! こ、御免って親分――!」
「よし、謝ったので許そう!」

 そしてもふもふしていた手を止めると、レオは涙目になってこちらを見てくる。

「うう、全く! 親分のスキンシップは偶に激しすぎるぜ。オレも年頃のメスなんだからなあ、気を付けろよなあ」
「おう。……そうだったなあ」

 そうなのだ。この子はこう見えてメスなのだ。
 何せ股間にアレがないからな。
 それに気付いたのはレオという名前を付けてしまった後だった。

 メスでこの名前はどうしたものかと頭を抱えたものだが、

『――親分が付けてくれた名前だからこれでいい! これじゃなきゃオレ、やだもん!』

 と言われてしまったので、返す言葉もなかった。
 まあ、うん。気に入ってくれたのならばいいんだけどさ、と食事に戻ることにする。
 一応、ドッペルゲンガー状態でも上半身は物理的に使えるので、食事も出来る。
 最初期に比べれば食材も調理方法も食事方法も豊かになったものだ。ただ、

 ……焼いた肉を口で噛んでいると、違和感を抱くようになってしまったんだよな。

 それくらい獣の姿に染まっている辺り、人外になったんだよなあ、との実感を得ていると、

「そういや親分、焼いた肉って美味いのか?」

 レオがそんな事を聞いてきた。

「うん? 食べてみるか」
「わん!」

 俺はレオに焼いた肉を千切って差し出してみる。
 レオはそれを口に咥えたのだが、

「んー、水分が少なくて、ちょっと噛みづらいな」

 ぽろっと落としてしまう。焼いた肉は確かに狼や獅子の口だと噛みづらいんだよな。俺は慣れたから簡単に出来るんだけれども、不慣れなレオだときついかもしれない。と観察していると、レオは俺の顔をじっと見て来た。

「ああ、そうか。親分みたいに人の口の方が噛みやすいんだよな――って、そうだ親分! 俺、人間に変身できるようになったぜ。ちょうどいいから見てくれよ!」

 そう言ってレオはその場で体を変化させた。

 魔法の光が僅かにレオの姿を覆い、そして出てきた姿は、金髪の髪をした少女だった。

「へへ、どうだ、親分。人間になれてるだろ!」

 そう言って小さな胸を張るレオは、確かにとてもかわいらしい少女になっている。だが……

「レオ……尻尾と耳、隠せてないぞ」
「わん!?」

 キマイラの耳が思いっきり頭から出ている。
 それをバッグの中から鏡魔石を取り出して見せてやったら、両手で頭を抑え始めた。

 すると耳は引っ込んだのだが、今度は尻尾が大きくなった。
 連動しているんだろうか。

 ちなみにこの子の尻尾はヘビではなく、普通に毛がふさふさした尻尾だ。

 ……キマイラは本来、尻尾は顔と目を持つ蛇になるはずなのだが、

 この子は違った。
 幼年期だから違うのか、とも思ったが成熟期になっても変わらない。
 ただまあ、そのうちヘビになるのかもしれない。蛇にならなくても別に問題は無いし、特に気にしないで行こう、と思う。
 ふさふさの尻尾だと触り心地もいいしな。

 なんて事を思っていると、キマイラは変身を解いた。

「ううう、親分にだらしないところを見せた気分だぜ」
「気にするな。十分可愛かったから」
「お、オレは恰好いいって言ってほしかったの!」

 若干スネ気味だ。この辺はどこぞのキマイラに似ているなあ、と思いつつ俺は食事を終えて、立ちあがる。

「さて、それじゃそろそろメシを終わりにするとして――」

 行こうか、と声をかけようとしたとき。

『うわあああああああああ!』

 通路の奥の方から、叫び声が聞こえた。

「……人の声だぞ、親分」
「みたいだな」

 ここはダンジョンだ。そして上層の街と近づいているのだ。
 人だって来ているだろう。

 とはいえ、善人か悪人かは分からない。モンスターを見たら即切り捨てるタイプならば、戦わなければならないのだから。だが、入ってきたのであれば、出口の情報を持っている可能性が高い。だから、

「とりあえず……見に行くか」
「わん。了解だ。親分!」

 俺達は悲鳴が聞こえた方へ向かっていく。
●平行連載作品のご紹介
新作です。こちらの連載も応援して頂けると助かります!
元竜騎士が相棒の竜と共に、楽しく運び屋をしていく話です。
 最強職《竜騎士》から初級職《運び屋》になったのに、なぜか勇者達から頼られてます
http://ncode.syosetu.com/n4045ed/

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