模擬戦
「よ~し。準備出来たな?始め!」
父さんの合図で模擬戦が始まった。
二人とも最初は様子見するつもりだったのか後ろに下がった。
これは最初は魔法勝負かな…と思った矢先
「アクアニードル」
「ちっ。サンドウォール」
「ウォーターバレット」
「くっ。細々したやつ打ってきやがって」
何とかかわすがかわした先でスールは木剣を降り下ろしてきた。
(マジか。読まれてんじゃん。)
木槍で何とか受け止め薙ぎ払い距離をとった。
「ちっ決まったと思ったのに」
「そんな簡単には終わらんよ~」
飄々と応え思考を切り替える。
甘い考えは捨てる。マジで勝ちにいくぞ俺。
「アースニードル」
「くっ」
「ロックバレット」
「なっ?中級?アクアウォール」
幾らか威力は下がったようだが相性が悪い。
しかも中級と初級だ。壁を突き破りスールに岩が向かう。
「くそ。とっておきだったのに。アクアスパイク」
水と岩が当たり威力が先程のアクアウォールで下がっているロックバレットは相殺された。
「使えると思ったよ中級」
俺はもう油断していない。
俺が使えるんだからお前も使えると思ってたよ。
俺はロックバレットを打った瞬間から回り込むため走っていた。
既にスールの側面だ。
「おりゃ」
俺の木槍がスールの脇腹を直撃。
「ぐっ」
スールはその場に蹲った。
「そこまで。クレスの勝ちだな。」
「俺の勝ちだなスール」
「ぐっまた明日やるぞ」
「いいよ~いつでもきなさ~い」
「次は勝つ」
軽口を叩きながらも俺達二人はふらふらだった。
無理して中級魔法なんて使ったので体の魔力が足りてないのであろう。
今日は何もやる気が起きない。
家に帰ると晩御飯も食べずに泥のように眠った。