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父親
俺が1歳になる頃、父親が帰ってきた。
まぁ普通…イケメンでもなくムキムキでもない。
ほんと普通。よくこんな綺麗な奥さん貰えたなって位普通。
俺は母親似のようだ。
髪は父親譲りで黒だがタレ目に整った顔で庇護欲をそそる顔だ。
父はもう俺にデレデレである。
「あ~クレスは可愛いな~このこの」
といい頬をツンツンしてくる。正直ウザイ…
「あなた、今度の出征はいつですか?」
「ん~?出征はないが当分王都の守備かな~」
との話だ。
近くとはいえ王都と村は馬で1日程かかる。
父とは中々会えなくなるであろう。少し寂しい。
「まぁ直ぐ帰ってこれるし長期休暇には帰るよ」
「えぇ、クレスに顔を忘れられないようにしてくださいね」
「うっ…大丈夫だよな~クレス?」
「………」ニコッ
「だ、大丈夫だよな?な?」
「……………」ニコッ
父親は崩れ落ちた。痛恨の一撃であったらしい。
(1歳で流暢に喋ると気味悪いかと思って笑顔にしたが逆効果だったか…失敗)
それから暫くして父さんは王都に向かった。
一緒に王都で暮らすかとの案はあったが母さんがあまり乗り気では無いためお流れになった。