プロローグと言う名のモノローグ
恋愛小説初執筆
よろしくお願いします
突然だが、「モブ」という言葉を皆さんは知っているだろうか。
ゲーム等で度々使われる単語なので、皆さん知っていると思うが、意味としては「名前が明かされない群衆」の事を指すのだそうだ。
いわゆる、「村人A」とか「友人B」とか。
「医師」とか「看護師」とか。
「変態」とか「チャラ男」とか。
そういう、「固有名詞が明かされない人々」の事を指す。
それが、「モブ」である。
RPGの王様みたいに、メインキャラに関わってくる人もいるが、大抵は関わらないものだ。
「ようこそ○○へ!」くらいならマシだが、「最近うちの主人が…」みたいに、重要じゃない(むしろ不要な)事しか言わないのが相当数存在したりする。
閑話休題
正直に言おう。
私はモブキャラになりたい。
女の子なら、イケメンに言い寄られたいと思っている人が大多数だろうが、私は生憎少数派だ。
人見知りだし、目立つのが苦手だ。
だから、メインキャラにできるだけ関わらずに、この高校生活を送りたいと思っていたのだが…
この状況は一体なんだ。
「瑞稀、やはりお前にはそれが似合いだ」
「瑞稀ちゃんやっぱカワイイ!ねぇねぇ、俺とデートする気にならない?」
「白羽さんが何か隠してるとは薄々気づいてはいましたが…。これ程とは」
「髪も目も肌も、とっても綺麗ですよ。瑞稀さん」
「うんうん。僕は今のみーちゃんの姿の方が好きだなぁ」
私を囲う五人の男子。
今、私が過ごしているこの世界が、もしも乙女ゲームの世界だったなら、きっと攻略対象だったであろう彼ら。
どこでどう間違ったのか、彼らは私にたくさん絡んでくる。
…私は、良くて武防具屋の店主くらいの関わりでいいのに。
むしろ、「村人A」どころか「村人Z」あたりで、いいのに…
(主人公のポジションなんて無理だよぅ…)
私は、内心涙目で、そう思った。
読了感謝
2016.3.2 発見した誤字の修正を実行