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親友ェ…

黒歴史解放

ランクC 種別:対人宝具 範囲:1~100 レンジ:????

人間関係的に死ぬ自爆宝具、そして将来的に何かしら暴発する可能性があり、その時は社会的に死ぬ。

これを自分ではなく相手の黒歴史を解放すると、自分の手腕によって相手が死ぬ、そして自分と相手の関係が悪化する。

「こんにちは」


「こ…こんにちょぁ」


お、おい今こいつ噛んだよな。

そう思い顔を見てみると赤らめている男性――俺の親友『西崎勇人』、結構イケメンである。


「君もこの屋上の風に当たりに来たのかな」


そういってみるとバサバサと風が吹き、屋上に掲げてある校章の旗が揺れる。

そして俺の願った黒髪長髪も揺れて、それをさらりとかきあげて、親友の返答を待つ。


「ぼ…ぼきゅはちょもだちをまっておりゅまして」


噛み過ぎだろうが、キャラが違いすぎだろうが、というかお前なんでそんな顔が真っ赤なんだよ。

とツッコミはいくらでもあるが、さすがに言ってしまうわけにはいかない。

思い切り俺だとバレる可能性がある、なんにしてもこいつは俺の小学校入学式以来からの友達なのだ。

さて、屋上にて、そして逃げるための扉は勇人の後ろにある。

…どうしたものだろうか。







――二時間ほど前


雷直撃事件から二週間がたち、おそらくあの少女か、もしくは神の仕業であろう、あれほど激痛が走っていた火傷は完治して、すでに退院できるほどになった。


そして俺はその間ベッドに固定されていて、看護婦さんも定期的にやってくるわ、お見舞いも不定期にやってくるわで女性化するほどができなかった。

いつも俺に対して修羅のような怒りを見せる、元スケバンのマイマザーでさえも、俺が意識を回復すると泣いて喜んでくれたことを知れただけでも良しとしよう。

妹は『あ、生き返ったんだ。』みたいな反応だったが。


そして次の日、休めると思っていた俺は意外にもたたき起こされ、さっさと学校いってこいと言い渡されて学校へと向かう羽目になった。

たしかにそんなに長く休めるほどに頭が良いわけではないが、できれば女性化する方法くらい知りたかった。


その後ブツクサと陰険に「なんで休ませないんだよ…」といったことを言い続け、いつの間にか俺が通う学校へと到着していた。

到着すると、当然だろうが、ニュースまでもなった雷直撃事件は俺の高校の生徒たちも知っているわけで、俺は好奇な視線と、人々の人差し指にさされることと、そして笑い声で怒りに任せて叫びそうになったが、俺の肩をたたいた親友『西崎勇人』によってその怒りは抑えられることとなった。


「…雷に打たれるってどんぐらいの確立なんだろうな」


…お前もか。


『西崎勇人』

小学校入学式で同じクラスの隣の席となってから友達となってそのまま仲良く高校まで一緒になった、いわば親友兼腐れ縁…といった感じだろうか。

女性に対して少し理想が高く、そのためか女性に告白されてもYesとは言わない、こいつの将来がとても心配だ。

そのため一部女子からホモ疑惑をかけられ、俺の名前である『山田幸助』と勇人の名前が、その女子のノートに、『幸助×勇人』と書いてあり、帰ってインターネットで調べて戦慄したのは記憶の中で最も強烈な印象として残っている、俺はホモじゃない!


ケラケラと笑っている親友へと俺は呆れたような顔で返し、


「笑い話じゃねーよ、真面目に死ぬかと思ったんだからな」


と返して、あぁそういえば死んだのかと思い出して精神的にちょっと疲れた。

そんな俺を見て何かを悟ったのだろうか、勇人はそうかと短く返してすぐに話題を変えていく。

こういったところもこいつのいいところだと思う。


「そういえば購買に新しいパンが発売されてよ、意外と旨いんだよ」


「へぇ、どんな名前だよ、今度買ってみるわ」


「夕張メロンパンお好み焼き風」


「どういうパンだよ…」


夕張メロンパンお好み焼き風、そう考えてソースをかけられたメロンがでてきて食欲が失せた。


「いや、うまいんだよなそれがー」


そういってどういった形状か勇人が詳しく説明するが、少々説明べたでよく理解できなかった。

雷直撃事件など、すでに俺たちの思考からは外れていた。









教室に入り、またも好奇な視線にさらされたが、無視して俺の机へと向かって鞄を置く。

時計を確認するとあと五分ほどでHR、少し時間があるなと思えば勇人が近づいてくる。


「そういえば次の時間は体育だよな。体育の松岡先生は今日休みだぞ。俺の目の前で車で事故った」


「衝撃事件をサラリというなお前」


ちなみに勇人はハプニングを見やすい体質だ、巻き込まれる体質ではなく、目の前で起こりやすいのだ。


「そんなことで次自習なわけだ」


「そうか、何する?」


「屋上行こうぜ」


「賛成」


そんなこんなでHRの鐘がなり、先生が入ってくる。

そしてHRにて、先生が俺へと大丈夫か、などと心配の声をかけてくれる以外は、いつも通りのHRで終わり、十分の休みが始める。


「さ、行こうぜ…っと俺ちょっとトイレいってくるわ」


そういって勇人がトイレへと行くのを見て、俺は腰を上げて屋上へと向かう。

屋上は柵が高く、柵の外には簡単に出られないようになっている、自殺・事故防止であろう、柵を立てるくらいなら屋上に入ることを禁止すればいいのに、という言葉はこの学校にて禁句である。

言ってしまい、それが校長の耳に入れば一時間ほど屋上の魅力について語られることだろう。


屋上へとついて、誰もいない屋上を見回して、そういえばと女性化について思い出す、


「…どうやってなるんだ?」


そういえばどうやってなるのだろうか、しまった、そう思い、色々と考えてみる。

少女に会う方法もわからないために自分で考えるしかない、つまり俺のアイディアしか頼れるものはない。

そう思い思考をギュルンギュルンと回す、どうせでてくるのは架空の作品のアイディアぐらいだろうが。


「あれか、水をかぶってみるか」


まさかのとある格闘漫画的思考だ。

そう思い、屋上に備えついてある水場へと走ってみる。


水道場にて横になり、噴射。






変化なし






何故か怒りを感じて水道場を殴ったら手がベキッという変な音を立てた。

激痛が走りその場でゴロゴロと転がる。へい馬鹿一丁上がり!


「しかし、これは問題だぞ…」


女性になる、これは大問題だ。

俺はなりたい、女の子に、かわいい女の子に、これ重要。

そう黒髪美少女に、そして感じてみたい。

胸が重くて肩がこる現象を!

…と少し思考がおかしくなったが、大問題なのは事実だ。

わからないということは気を付けることができない。

つまりいつかなってしまうかもしれないというこどだ。

人前で突然女性になれば検査されてしまうかもしれない。

そして研究員が美少女な俺に対して

「この胸は本物でしょうかぁ~?」

などといって発禁もの展開になる可能性が。

いやだ、俺は男だ、体は女性、心は男、その名も『山田幸助』だ!


「変身!とかいってすぐに変化すれば…あれ、声が高いぞ」


あれ、なんだろう胸についている双丘は。

大きいなぁ、俺の胸板こんなに厚かったかと思い触れてみる――やわらかい。

恐らく下着越しなために少し硬い質感を感じるが、その中身はやわらかい。

女性化しとる…Oh...It's.....perfect body!Congratulation!Wonderful!

しかし何故か着ている服が俺の高校の女子用になっている。


つまり男性→女性になると、服装も女性化するのか?なんというご都合主義。


しかしなれたとしてもすぐに戻らなければ。

そう思ったとき、耳へとガチャリと金属音が聞こえた。







Q:屋上にて金属音、音はガチャリ、この音な~んだ?

A:ドアしかないだろ、何お前ほかにあると思ってるの?あぁそうかもしれない、あるかもしれない可能性ってやつはいつだって微妙なところで、100%なんてものがないんだ、どこかの音が風に乗って(省略






問いかけたら、帰ってきた答えがまどろっこしいものだった気がするが、それは思考から外しておこう。


「悪い悪いちょっと時間かかっちまった――」






想像通り、俺の友達である勇人だった。

そして勇人は俺の姿をみて固まる。

俺と言えばもはや思考が『うわあああああああああああああああああああ』という文字に埋め尽くされていた。

さてどうすればいいどうすればいい、今は――無関係のように通り過ぎるか。


「あ、あの、こんにゅちわっ」


おいおい、こいつ声かけてきやがったぜ。

しかも噛んでるし、俺はどうすればいい、このまま無視していくか?いやこいつを傷つける可能性がある。

…少しくらい言葉を返そうか。






そして冒頭に戻る。

ちなみに、「僕は友達を待っておりまして」を勇人が盛大に噛んだところからとなる。


「そうかなお邪魔だったかな」


よし抜け道ゲットだ、このまま俺は『だったら教室にもどるよ。』そういって帰ればミッシュンコンプリートだ、そう思い、すぐに続けようとしたとき。


「しょんなことはないれすっ!」


それよりも早く俺の親友さんは俺の逃げ道を防いでくれました。


「でも友達と遊ぶんだろう?邪魔じゃないかな?」


だが俺は逃げることをあきらめない。


「い…いえ、あなちゃ…貴方とともでゃ…友達になってみたいなぁなんてデュフフ」


変な笑い声をあげるな。

そうツッコミを入れたいのを抑える、この見たことのない我が親友の惨状になんだかおもしろくなってきている俺がいる。

好奇心を俺は抑えられない、近づいてみてみる、こいつが女性と話すことは結構見ているが、こいつ女性そんなに弱かったのか…などと思いながら、手を握ってみた。


「うりゅう!」


変な声を上げたがスルー。

すごいベトベトしてるがスルー…してやる。


「ありがとうっ」


笑顔で返してやる、ちょっとぐらいこいつが女性になれるということに貢献してやらないといけないな。

お前の親友からのプレゼントだ。


「友達になりたいって言ってくれてうれしいよ…でもごめんね、もうすぐ授業だろう?だからまた今度、君に会えたら君と遊びぼう、いや違うな…君にまた会いたい!」


そういって俺は勇人の横を通り過ぎる。

停止する勇人、心の中で爆笑する俺。


「また会おうね!」


そういって俺はミッションコンプリート。

完璧だ、友達の女性のニガテの克服について貢献し、そして逃亡も不自然なく終了。

一時間目の始まりを告げる鐘を聞きながら、


「変身解除」


変身から考えられる解除の言葉を言ってみると案の定元に戻っていたため、すぐに俺は屋上へと戻り。


「すまん俺もトイレいってたわ」


そういって屋上の扉を開けると勇人はいつのまにか外を眺めながら、入ってきた俺を見る。

そして風が吹き、風によって乱れる髪を抑えながら、フッとキザったらしい笑みを浮かべる、イケメンだからこそできる所業をやってのけ。

目を細めながら再度太陽をみる、何故こっちをみた。


「運命の出会いってあるんだな…」


「……は?」


何言ってるんだこいつといった視線を返せば、そうくるとは予想していたらしく、勇人は再度笑みを浮かべる、なんかイラッときたがとにかくスルー、最近気にしないようにすることが多すぎて大忙しだ。


「君にはまだ早い」


そういった勇人の頭を思い切りたたいた俺は悪くないと思う。

いつも大体2000文字なのに4000文字以上となったわけで

これは書きためという魔力なのだろうか、これだとすぐに消えてしまいそうで怖い。

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