第二話『学校。』
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
寝起きにはキツい足への一撃を食らった狩野は叫んだ。
こうして狩野のアホな日常がスタートする。
悶絶すること20秒。
足に絆創膏を貼った狩野は画鋲のあったところを睨む。
カレンダーが剥がれていたのだった。
狩野 斗真
16歳。高校生。
特に秀でたこともなく、特技は水泳。
水に親しいからか魔法は『 水質変化』
水の水質、量、温度、力の向き、重さなどを操作できる。
ただし、魔力をものすごく食うので長時間使っていると、魔力がなくなってしまうのだ。
魔力を練り出す力を鍛えてこそこの魔法をマスターできるのだが、狩野は、魔力を練り出す力が非常に
低く、連続で使っていられるのも5分といったところである。
狩野が、時計を見ると、時刻は10時23分。
「これは夢だ。絶対夢だ!そう信じるぅ!」
と現実逃避気味に叫ぶと、カレンダーが見えた。
そこに見えたのは9月1日に書いてある、始業式の文字。
「信じない信じないシンジナイー!」
と言いつつ、着替えを終わらせ財布を持って出かけた。
電車に乗って学校に着いた時刻は、11時10分。
ガラリとした学校にひとり狩野は立ち尽くす。
「やっちまったァァァァァ!」
そう叫ぶと、玄関から誰かが出てきた。
出てきたのは、女。
茶髪でポニーテール。茶色の髪はおそらく地毛だろう。
三日月 碧衣
狩野の 幼馴染で同級生。
彼女が狩野を見て、
「ちょっと、うるさい。」
と言った。
狩野は、
「ん。ゴメン」
と一言。
彼女の魔法は
『 悪魔の足』
足を使った技を強化している。
例えば、走る時の地面を蹴る動作も、地面が爆発するように砂煙が出て、その反動で飛ぶように走ることができる。
そんな魔法を使って蹴られたら一溜りもない。
狩野は恐る恐る校舎に入った。
すると後ろから
「狩野くぅぅぅぅぅぅぅぅん!」
と言う激怒している人の声が聞こえた。
狩野はビクっとするように肩を動かす。
「・・・・・・ヤベっ!」
とりあえずヒロイン登場!って感じです。
さぁ狩野君はこれからどうなるのでしょう!