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フィッツ•イン•プロミス 〜約束の旅〜  作者: えれべ
第二章『不穏な砂漠戦争』

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第二章12話『迷子の二人組』

アゾマン森でのゾンビ騒動を片づけ、ロンと旅をして数日が経つ。二人はワイド砂漠という砂漠に向かって歩いていた。

「こんなの……こんな約束の果たされ方しても……」


「◼️◼️……まだ諦めるには早ぇんじゃねえのか?」


 ◼️◼️はその◼️◼️を手に取り涙を拭くのだった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 ーー今度は凛々しくもない、少女の悲痛な叫びだ。ただ泣くことしかできなくて、自分の無力さを謳う、少女の叫びだ。



 シェイク村を出て数日が経った。レックスとロンは次なる目的地、ワイド砂漠へと向かっている途中だった。

 正確には、ワイド砂漠の中にあるコルトという街に向かっている。なんでもそこでは腕のいい狙撃手が揃っているらしい。

 ぜひ仲間を増やすためにも立ち寄りたいというところだ。


 すると突然ロンが、前にレックスが話していた旅の目的というものについての話題を持ちかけた。


「そういやレックスの目的は魔王を討つことだったよな?」


「あぁ」


「すげぇな、それめっちゃいいじゃねえか。俺も世界を見るためにも、世界を支配する魔王を倒してぇんだよ」


「だろ?……まぁ俺が魔王を倒したいのは、世界を救うためってわけじゃねえんだがな」


 レックスはロンの世界を救うために魔王を倒すと言う意志に感動した。そして、自分はそうではないということを考え、嘲笑する。それについてロンは触れることをしなかった。


 そしてレックスは話題を次の目的地についてのことに変える。


「そういや次の目的地である砂漠の街、コルトがあるワイド砂漠までもう少しだな」


「あぁ、さっそく冒険者としての俺が訪れる、初めての街ってわけだな」


 ロンは初めての旅の目的地への喜びと期待に胸を膨らませる。


 それからさらに歩き続け、ついにその砂漠の大地が見え始めた。それはとても広大で、本当に辿り着けるのか不安になる程だった。


 頼れるのはレックスの持つ世界地図だけだ。それがあれば、どこへだって足を運ぶことができる。だが、そこには一つ書かれていない場所がある。それが、


「なー、レックス。この地図、魔王城の場所が描かれてないな。どこにあるんだ?」


「それがよ、まだ何処にあるかが分かってないんだ」


 そう、さまざまな冒険者が魔王を倒そうとする中、いまだに魔王城の場所は掴めていない。


 そしてしばらくして、地面の色が草の緑色から砂の黄色に変わっていった。それが指すもの、それはつまり、


「見ろよ!ワイド砂漠が見えたぞ!」


「おーやっとか!待ちくたびれたぜ」


 二人はついにワイド砂漠に足を踏み入れたのだ。二人で砂漠への到達を喜びつつも、とりあえずこの砂漠を楽に移動するための生物、ラクダを入手したい。


「さぁ、ラクダでも捕まえたいところだが」


 そんなところに四十歳くらいの男が現れた。姿とその手に握るリードの先にいるラクダを見るに、どうやらラクダ商人なのだろう。


「やぁやぁ冒険者さんたち。これから砂漠に向かうのならば、ラクダはいらんかね?1匹五万Gだよ」


「欲しいけど、俺金持ってねえんだよな〜しかたねぇここは諦めて自力で」


 そう言いかけた時、なんとロンが十万Gを支払ったのだ。


「はい。ちょうどで」


「毎度ありー!」


「ーーロンいいのか?」


「いいぜこんくらい。その代わり、この分はきっちり冒険者として返してもらうからな?」


「ありがとう、そうするよ」


 商人はその場を後にし、二人はラクダに乗ってコルトへと進み始めた。


 そのラクダの快適さに、思わずレックスが感動する。


「速いし快適だな~。これだったら予定よりも早くつきそうだ。まあそんなに予定とかはねぇけど」


「そうだな。ーーって、なんかいるぞ?」


 ロンが驚くその先には、黒いサソリのモンスター、『オオサソリ』がいた。しかしまだ子供のようなので、あまり警戒することはなかった


「あれはオオサソリ、モンスターだな。でも、子どもだぞ?」


「見たことねえな。まぁモンスター自体ゾンビ以外見たことねえけど」


「気をつけろ。どんな攻撃をしてくるかわかんないぞ、子供だけど」


 しかし、なんとそのオオサソリは逃げ出した。これには流石に驚きを隠せるわけもなく、


「え?、襲ってくるんじゃないんだ」


 しかし次の瞬間、大量の大人のオオサソリの大群が、背中の針をこっちに向けながら走ってくる。


「流石にあれは……やべえな」


「に、逃げるか!」


 二人は再びラクダに乗って、死にたくないという一心で逃げた。


 幸い、このラクダは砂漠の上ではオオサソリよりも足が速かったため、逃げることに成功した。


「あー死ぬかと思った」


「あー外の世界ってのはこんなに危険なんだな」


 自分たちの無事を喜んでいる時、ふと恐ろしい事実を目にした。


 人には必ず一回は嫌な物には目を瞑りたくなる時がある。今、二人はまさにそれだ。


「にしてもここどこだ……?」


「それどころか、俺達道に迷っちまったな」


「あ」


 迷子の二人組は同時に顔を合わせ、同時に同じ言葉を発した。

 少年たちはこの広い広いワイド砂漠の真ん中に取り残されたのだ。

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