第一章1話『少年と少女 I 』
これは少年と少女が交わした約束を果たすための物語
少年は走っている。この太陽の届かない広い街を。
少年は笑っている。この広大な世界で。
少年は話している。運命の気まぐれにより操作され、出会うことができた一人の少女と。
「なー、何読んでんだ?」
少年は尋ねる。木の下で本を読む幼い少女に。
「ーー。花の、本」
少女は突然話しかけられたことに驚いたが、すぐに安心したように少年の質問に答えた。
「へー、花か。いいよな!」
「えっ、分かってくれるの!?」
少年が少女を肯定すると、その反応を予想だにしていなかった少女が感情を高ぶらせて少年の顔に近づく。
その少女の喜びに「おう!」と答えて、共に笑い合った。無邪気に。陽気に。腹の底から幸せに。
「俺の名前はレックス! 君は?」
「私の、名前はーーよ」
ーーここまでの出来事は鮮明に覚えているのに、彼女の名前だけが記憶に残っていなかった。
誰かに記憶を消されたわけでもない。遠い遠い子供の頃の話だから、記憶に残ってない。ーー忘れてしまった。
「この花、知ってる?」
そうして少女が見せてきたのは、先まで読んでいた花の本だ。
とあるページを開き、それから彼女の幼い人差し指は一つの白い花の写真を指さしていた。
「それは?」
「これは、カナイバナっていう花。この花には、とある伝説があるの」
「伝説? なんじゃそりゃ?」
「えーっとね、この花はーー」
どうも、YouTubeをやってはや一年、えれべと申します。この度は自分が描いていた小説を上げさせていただくことになりました。まだまだ未熟者ですが、どうぞ応援よろしくお願いします。
どっちかと言うと、これプロローグだよね……




