プロローグ～龍剣士の誕生～
ご主人様、このたびは私の物語を選んで頂きありがとうございます。
突然ですが、ご主人様は「人間と龍のつながり」について考えたことはありますか？
きっと、龍なんて見たことがないから分かりませんよね。私も同じです。けれど、想像することはできます。例えば、人間と龍が力を合わせて世界を守ったり、時には衝突しながらも絆を深めたり……そんな世界があったら、どんな物語が生まれるでしょうか？
こんな想像を繰り返すうちに、「この物語を描きたい」と思うようになりました。今までに読んだ冒険物語への憧れが、そんな私の背中を押してくれたのかもしれません。私にとって人間と龍が共存する世界とは、どこか懐かしくも新しい冒険の舞台でした。それをご主人様と共有したいと思ったのです。
本作では、人間と龍が契約を結ぶことで共存する世界を舞台に、主人公と青い龍の出会いから始まります。それぞれが失ったものを取り戻すためにひとつになって立ち向かう物語です。様々な葛藤を抱えながらも、彼らが絆を深めて成長していく姿を、ぜひ見届けてください。
この物語が、ご主人様にとってもう一つの世界になりますように。それでは、ページをめくり、人間と龍が導く新たな冒険の世界へと足を踏み入れてみてください。そこにはきっと、予想も出来ないような物語が待っています。
遥か昔、龍たちはこの世界と人類を創造し、自然と調和する豊かな地を与えた。しかし、人類の発展と共に進む自然破壊により、世界は次第にその調和を失っていった。
やがて怒りを覚えた龍たちは長い眠りから目覚め、その圧倒的な力で人類に裁きを下そうとした。
危機に直面した人類は、龍たちの怒りを鎮めるための方法を模索した。議論の末、人間と龍が契約を結ぶことで共存する道を築くことを決意する。
この契約で、龍が力を人間に分け与え、自らを剣の姿に変えた。契約者はその剣を手にし、自然の調和を蘇らせるために生きることを誓った。人類はそれを「龍剣士」と呼んだ。
しかし、すべての龍が契約に応じたわけではなかった。中には人間を拒絶する龍や、契約して得た力を私欲に利用する者も現れ、世界を乱し始めた。
この脅威に立ち向かうため、正義を掲げる龍剣士たちが剣を振るい、平和と調和を取り戻すために戦い続けている。
