表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編小説

夏の雨降る夜に消える

作者: 雨宮雨霧

もう何も悔いはない。

あるとすればあの人にもう一度逢いたかった。

逢えるわけがない。

だからいい。


死にたいわけじゃなかった。

…死にたかった。

消えたいわけじゃなかった。

…消えたかった。

誰にも言えない。

誰にも言いたくない。

話せない。

分からない。

苦しい。


夏の夜の空気は優しい。

雨の冷たさは少し寂しい。

傘を置いて、髪をほどいて。


これでいいんだ。


雨に濡れる。

風に揺れる。

ここから落ちればきっと逝く。


崖っぷちに立つ。

落ちて海に沈む。

それが予定。


怖い。

怖くない。

死にたい。

死にたくない。

生きたい。

生きたくない。


さよなら世界。

盾と矛も私を守ってはくれなかった。


落ちる。

ゆっくりと。


落ちる途中で何かにぶつかる。

痛い。


海に落ちる。

空は綺麗だったよ。


海に沈む。

もう意識はない。


苦しみも痛みも。

死んでしまえばきっと、


楽になるだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ