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匍匐飛行 ~ ヘリコプターパイロットの細腕戦記 ~  作者: 梅小路 双月
第二章 アフリカで両用戦?
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いつものメンバーです

「そろそろ時間じゃないか?」

「うん、そうね」

 今回の作戦の全般説明がブリーフィング・ルームで実施されるのだ。私とプリンスは隣の船室を割り当てられてるダーク(本名:ヴァルマ・カリラ)と合流する為に部屋を出る。

 今回は女子パイロットが3名だったから部屋割りでひと悶着あった。内容はまあ、いつものダークの平常運転なのだけれど。


「サッド(本名:ヘルムート・バッツ)、揚陸艦での部屋割りなんですけど私が考えておきました。

今回派遣されるパイロットってサッド隊長以下6名じゃないですか」

 派遣が決定して数日後、艦へのフェリーが迫って来たタイミングでのダークの発言だ。

「うん」

「ですので、下っ端の小娘共2名。ロック(本名:かどうかは怪しいけど、ハイパワー)とハーレー(本名:ジルベルト・コルス)のおっさん二人。で、後はサッドと私で良いと思うんですが決定でお願いします!(フンスッ)」

「アホか! お前とサッドを同部屋にしたら作戦に支障が出るわ」

「根拠の無い言い掛かりは止めて貰えるかしら、この腐れキ●●マ」

 ああ~出た出た、ダークの毒舌。街を歩けば10人中10人が振り返る程の美人なのに、残念過ぎる……。

 でもそうね、二人部屋だとしたら確かに6人中3人が女性だから、組み合わせ的にはどうしても無理が出ちゃうか~。

「僕はロックと一緒でも構わないよ、ジュリエットとダークが同室で良いんじゃないか」

 プリンスゥ~、問題がややこしくなる様な事を言わない。

「ガハハッ、ジュリエットお前さんは誰と一緒が良いんだ。この際だから希望だけは申告しといた方が良いぞ」

 ヤバ、ロックめ~。折角存在感を消してやり過ごそうと思ってたのに。この男はいつも何か楽しそうだ。ってか、積極的に人生を楽しんでる感じね。でもこの問題、どう決着をつけるつもりサッド。

「そうだな、最終的な決定は乗り込む船との調整次第だろうが。

 俺の腹案は男は俺以下ラークシィ整備班長を含めた4人、女性はダーク以下3人とトーシュカ整備先任で4人。それぞれを士官待遇で二人部屋に割り振り、それ以外の整備クルーは下士官待遇としたいと考えているが、どうか」

「ああ、それが妥当なんじゃないか」←ハーレー

「ま、面白みは無いがそんな所か」←ロック

「隊長のいけず」←ダーク

「問題ない」←プリンス

「賛成でーす」←ジュリエット

 ダークは、わざと整備班を選択の外に置いて自分の欲望を満たそうとしてたわね。それに対してロックは多分初めから正解を知ってたから、あんなに状況を楽しんでたって事だろう。

 ハーレーは反射的にダークに突っ込む癖が付いちゃってるから、まんまと思考を制限されて会話の流れを誘導されかかってたわ。そこに、全く状況を読まないプリンスが介入って訳ね。

 私もまだまだか~。自分が大事なのは勿論だけど、もっと《戦場全体を俯瞰して自分を攻撃できる敵機がいるか、いるとすれば致命的な弾を撃つタイミングが何時かを判断して、自分が行けるか、それとも引くか》を常に見極めて、それを更新し続けなきゃならないわ。ま、OODAウーダループね。


          ◆


「ダァークゥー、いるぅ~」

 部屋をノックしながら声を掛ける。

「……」

返事が無い。

「え! もしかして置いてかれた」

「おい、ヤバいぞ!」 

 私とプリンスがなんでこんなに焦ってるかって言うと、二人ともこんな大きな船に乗った事が無いからよ。しかも、軍用艦ときた日には絶対に迷子になる自信がある。

 その点ダークは海兵隊出身だから船には慣れてるのよ。頼みの綱のダーク無しで、さてどうする。まず一番分かり易い飛行甲板まで上って、そこからルートを開拓するか……

「プリンス、闇雲に目的地を目指しても絶対迷子になるわ。だからまず……」

「いや、この場合逆に……」

 私達が廊下でナビゲーションの緊急ブリーフィングをおっぱじめたその時、目の前のドアが開きダークが顔を出した。

「アンタ達…… なに通路で騒いでるの恥ずかしいでしょ」

「ダーク!」

「あら~、クマちゃんにラーナちゃんじゃない、どうしたの?」

「あ、先任。もうすぐ今回の作戦の説明会が始まるのでダークを呼びにきました」

「呼びに来たって、お前ら。まだまだ時間には余裕があるだろうが」

「えへへ、実は二人とも艦内に不案内なもので…… 道案内よろしくDEATH」

「まったく、ここは幼稚園?」

「いってらっしゃーい」

 説明会への参加範囲は士官以上だから、下士官扱いのトーシュカ先任は留守番ね。その代わり整備からはラークシィ整備班長が参加する筈よ。


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