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匍匐飛行 ~ ヘリコプターパイロットの細腕戦記 ~  作者: 梅小路 双月
第二章 アフリカで両用戦?
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舞台は西アフリカよ

 西アフリカにチナヌカマって言う小さな国があって、そこが今回の雇い主ね。

 チナヌカマが独立したのは御多分に漏れず第二次世界大戦の後なんだけど、実は元々は王国で、現在北に国境を接してるバーシクーチフタって国の一部として長く支配されていたのよ。

 その辺は歴史的に複雑で、バーシクーチフタも元々は周辺国を支配してた王国だったりする訳。そこにイタリアやフランスが植民地支配の食指を伸ばして来て、何だかんだ上手く立ち回ったバーシクーチフタの王族が周辺国を纏めた形で建国したのよ。支配下に置かれたチナヌカマはその後独立闘争を続ける事になるんだけど、長らく反政府勢力を一本化出来無くて、複数ある武装組織が主導権を争ってお互いの指導者を殺したり殺されたりが続いていたの。

 でも遂にバーシクーチフタの王制がソ連の介入で打倒された時に、その混乱の隙を突いて独立を果たす事が出来たの。独立運動の当初はバーシクーチフタ政府の力を削いで影響力を高めたいフランスから多くの支援を得ていたみたいなんだけど、その後フランスは第二次世界大戦の初戦でドイツに敗れてそれどころじゃ無くなって、大戦後もまあ、インドシナの対応に失敗したりして、その他の面倒事からは手を退く感じになり、現在はアメリカと友好関係を結んでいるわ。

 最大の仮想敵国であるバーシクーチフタがソ連/現ロシアの影響を多大に受けているから、アメリカに対するスタンスも当初は敵の敵は味方って考え方だったみたい。一方のアメリカはと云うと、チナヌカマをアフリカ大陸の数少ない友好国として重要であると評価してる様だわ。

 そんなチナヌカマとバーシクーチフタの関係だけど、国境を巡るちょっとした武力衝突は過去何度かあったんだけど、それでも概ね安定はしていたの。ところがつい先日、バーシクーチフタが突然チナヌカマ領の離島に武力侵攻したのよ。

 そもそもなんで今のタイミングなのかとか、侵攻理由とかが、ホント突然だったらしく全てが判然としなくて、初動対処以降の対応にも色々と議論が紛糾したみたい。

 まあ、最近の国際情勢も中国が南沙諸島(英名スプラトリー諸島、中国の他、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイが領有を主張している)の浅瀬を勝手に埋め立てて軍事基地化したり、ロシアがウクライナのクリミア半島を併合した挙句に侵略戦争を仕掛けたりしてるから、力による現状変更がまかり通ると思ったのかもね。


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