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匍匐飛行 ~ ヘリコプターパイロットの細腕戦記 ~  作者: 梅小路 双月
第六章 行雲流水
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第2部 エピローグ

 結論から言えば、プリンスは私達と一緒にあの国を後にしたわ。

 そして驚いた事が一つ。


「あ~、やっと着いた。

 やっぱ我が家が一番だぜ」

 ハーレーは通常営業ね。

 輸送機から降ろされた個人の荷物を掌握して飛行班に運び込んだ私達は、とりあえず一息吐く事が出来た。

「よし、コーヒーでも飲んでこれからの段取りを付けるか」

 今回の教導訓練の成果報告を飛行班の皆で手分けして作成しなきゃならない。

 整備班は整備班で、輸送機に搭載されたサーペントを卸下して点検する仕事が残っている。それが仕事とはいえ頭が下がる勤勉さね。


「おう、待ちかねたぜお前ら」

「は?」

「え?」

「よしよし、プリンスも居るな」

「ロ、ロ、」

「ロック!」

「出迎え有り難う、ロック」

 隊長はと言えば、何事も無かったかの様にサラっと答えてる。

「え、サッド?」

「隊長?」

「しばらく、ここでやっかいになる事にした。

 まあ、ヨロシクな」

「ロック! 貴様っ

 突然いなくなって!」

「お、心配したか。ガハハ、禿げるぞ」

「禿げるか!

 全く貴様は、貴様という奴は」

「隊長?」

「すまんな、皆。ハイパワー氏を我がA・A(エア・アーマー)社に迎えられるかは浮動状況が多くてね。俺も今、彼の顔を見る迄結果が分からなかったんだ。

 ロック、その分では契約条件の折り合いも着いた様だな」

「まあな、余人をもって代え難いこの俺の経験。至当に評価してもらって感謝してるぜ」

「それより、サッド。もうちょい詳しい説明を頼むよ」



 全てはエルリック・ベリク中将つまり、プリンスの父親の思惑が絡んでいたって事の様だ。

「今回の教導部隊としての派遣任務には、企画の段階からベリク中将も一枚噛んでいてね。

 まあ、そもそも機甲部隊を鍛えるって目的は大前提としてあったんだが、それに彼の娘であるスヴェトラーナ准尉の行く末に関する問題も併せてどうにかしようと目論んだって事なんだ」

「つまり、プリンスの親父さんは最初から」

「そうだ。あの演習後、みんなが休暇を楽しんでる時に私が彼と直接会って、最終的な調整をしたって訳だ」

「あ~、あの時ですか」

「それにしたって、こんな回りくどい方法」

「まあ、色々と有るのさ。国の習慣、一族との軋轢、世間体とかな。中将が最大限プリンスを思っていた事だけは確かさ」

「親ばかね」

「親バカだな」

「愛されてるって事じゃないですか」

「そう言う事だ、皆。

 新たに二人のメンバーが加わった、これで運用の幅がより広がったと言う事だ」

「まだまだ、少数精鋭だけどな~」

「まあ仕方が無い。そもそもが、我々の仕事に向いている人材が限られているんだ。パイロットだったら誰でも良いって訳にはいかないさ」

「隊長の言う通りよ。飛行班は、ハーレー以下5人でもうしばらくは頑張りましょう」

「ロック。飛行経験ではアンタが圧倒的に上だが、序列的にはハーレーの下に就いてもらう。どうだ」

「ああ、全然構わんよ。寧ろ組織のまとめ役なんてワシに最も向いてない仕事だ。ナンバー2の気楽なポジションで口だけ出させて貰うぜ」

 飛行班は、班長のハーレー以下ロック、ダーク、私(ジュリエット)そしてプリンスって事ね。

「ま、俺が班長って事だけど面倒事はバンバン皆に振り分けるからヨロシクな」

 ん?

 何か引っかかるわ。あれ~、何だったかしら。

「あー!」

「どうしたジュリエット、おしっこか」

「ダークぅ… そうじゃ無いわ、もう。

 皆素で忘れてるんじゃないの、あの二人組の事」

「おお、そうだ。マジックとスージーな、今奴ら何処にいるんだっけ」

「え~、南米?中東?

 ま、何処でも良いじゃない。とにかくうざい二人が居て、今は出張中よ」

「了解だ。まあ直接会ったらまた改めてだな」

 それ、何時になるかしらね。私もまだ会って無いんだから。


 話に落ちが着いた所で。

 色々とサプライズが有ったけど、私の周りも益々賑やかになって楽しくなりそうだわ。


 さて、次はどんな空が私を待ってるのかしら!


 私がストックしているジュリエット達の話は、ここまでです。

 一応完結とはせずに、話がある程度集まったらまた続きを投稿したいと思います。

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