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匍匐飛行 ~ ヘリコプターパイロットの細腕戦記 ~  作者: 梅小路 双月
第四章 夜を克服せよ
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戦争の階層

『ヘリボン部隊指揮官へ、こちら事前制圧攻撃ヘリ〈サーペント・リーダー〉だ。

 LZ(降着地域)に敵部隊、予備LZへ降着地域を変更する事を意見具申する』

 LZで攻撃を受け離脱した直後、ハーレーがヘリボン部隊へと無線連絡を入れる。ヘリボン部隊は設想、つまり実動部隊では無いので対応は統裁部の人員が行う筈だ。

『サーペント・リーダーへ、こちらヘリボン。基本計画のLZへは降着が不可能なのか』

『ヘリボン、サーペント。LZで敵の砲撃を受けた、こちらのASR(空対地ロケット)でLZ周辺への攻撃は可能だが、正直なトコ制圧効果は限定的と言わざるを得ない。更には現状、奇襲効果も失われている』


「ハーレー、状況判断を統裁部に居る差別主義の●マ無し野郎共へ丸投げでいいのか」

「ダーク、今回の演習は相手の戦車連隊が主役さ。俺達の判断はあくまで戦術レベル、戦争の階層で言えば更に下の戦闘(Engagement)レベルで十分だ」

「そうか、そうだな」

「但し、戦闘が始まったら遠慮は無しだ」

「ふふ、濡れてきたぞ」

「あ~、お前が下品なのは知ってるが、流石にそりゃあ」

「バカめ、お前もおっ立つぜ位言ったらどうだ」

「フン。こちとら、とっくにビンビンだぜ!」


【戦争の階層】

 戦争における諸々の活動は、階層を形成しその階層が相互に関連性を持ちつつ遂行される。階層は次の3つのレベルから成る。

1 戦略階層(Strategic Level)

  政治指導者が国の諸力を使って戦争を指揮する為の状況判断をする領域。

2 作戦階層(Operational Level)

  上層の戦略階層で定めた目的を達成する為に下層の戦術階層においてどのように戦うか又は戦わないかを時間的・空間的に考慮し、策定する領域

3 戦術階層(Tactical Level)

  敵を撃滅するなどの、部隊が個々に軍事行動を行う領域


 ダークがハーレーに言いたかった事は、速度と3次元での行動能力を持ち、火力を指向出来る戦闘ヘリコプター部隊だけが〈時間を空間に変化させる視点〉を持って戦えると言う事である。

 つまり、今目の前で行われている戦いと同時並行して敵が次の段階で戦場へ投入しようと考えている後方の部隊(例えば、戦果拡張の段階で使用をする作戦機動グループ〈OMG〉など)を攻撃する事で、今後必要となる手段を奪い、敵の全般的な作戦計画を破綻させる事が出来るという事なのである。

 時間軸上は未来の戦闘に出現して脅威となる部隊だが、空間的には遠距離の後方にある敵を「今」空間を越えて撃破出来るのは、戦闘ヘリコプターを主体とする航空戦力なのだ。

 戦闘ヘリコプターは、戦術階層だけでなく、作戦階層で戦い、敵の軍司令官の全般的な作戦計画を妨害する事で師団や旅団以上のレベルの戦いに最も寄与出来るのである。


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