表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
匍匐飛行 ~ ヘリコプターパイロットの細腕戦記 ~  作者: 梅小路 双月
第七章 対決! ハインド
28/106

対ヘリコプター戦闘

『スレイヤー、ゴールドだ。

 所属不明機をレーダーで捉えた、タイプ・アンノウン(機種不明)、SIF(敵味方識別装置)に応答無し。現在、付近を飛行する予定の味方航空機は君らスレイヤーだけだ。

 位置は4時の方向、距離2NM(ノーチカルマイル:3.76km)、高度不明、そっちへ向かってる。近いぞ、気を付けろ』

「ゴールド、スレイヤー」(スレイヤー了解)

 サッドはAWACSとの会話が続いているにも関わらず、相手の位置情報を聞くや否や直ぐさま左旋回に入れた。会話がひと段落ついてから操縦操作に移るなんて事はしない、他機と無線交信しながら状況を判断し同時にそれに合った操作をする。全てが一連の流れで、尚且つ同時並行的に進行させるのだ。

 敵機の状況は不明だけど、のんびり直線飛行してる場合じゃ無い。特にそのまま直進してたら山間部へと突入してしまい雲と地面に挟まれて機動に著しく制限を受けてしまう。

 取り敢えず真後ろを取られる事は避けられそうだ、私はゴールドの情報にあった方向に顔を向けて敵機を探すけどそれらしい物は見当たらない。全く、視程が靄と霧雨で最悪だわ。

『2(ツー)、ネガティブ・コンタクト』

 2番機もまだ敵機を目視出来て無いみたい。

「こちらも見えてないが、ゴールド(AWACS)からデータリングで情報が来た。そっちでも確認できる筈だ」

 そうなの、実は。

 サーペントの凄いとこって自前でレーダーも持ってるけど、データリンクを使って自分でレーダー照射しなくても他機から情報を受け取る事が出来るとこなの。

 データリンクはレーダー情報以外にも、例えば地図上の或る一点を示す事にも使えるし、更にそれらの情報を編隊内で共有する事で、簡単に認識の統一も出来るの。編隊の全機が遅滞なく同じ認識の下に行動出来るって事は、戦闘の指揮も連携も格段に容易になるって事よ。

『2、確認』

「よしフォーメーション、エンゲージ」(スレイヤー編隊、交戦する)

『2』

「対ヘリコプター戦闘だ、兵装を投棄する。

 ジェッスン・セレクト・スイッチ(兵装投棄選択スイッチ)、ウイングストア・ボース・オン(スタブ・ウイング兵装、インボード、アウトボードの両方を選択、確認良し)。

 ウイングストア、ジェッスン!(兵装、投棄)」

 サッドの操作でスタブ・ウイングに吊り下げられてる空対地ロケットのポッドと対戦車ミサイルのランチャーがそれぞれ二つづつパイロンから火薬の力で投棄され、地面に向かってクルクル回りながら落ちていく。

 一発も撃ってないのに捨てちゃうのが勿体ないって思うのは貧乏性かしら。これでこの機体の使える武器は機首の20mm機関砲だけになったわ。

 でも、仕方ない。対ヘリ戦をするって事は機体を振り回さなきゃなんないって事、機体重量は軽ければ軽い程良い。


          ◆


「お、兵装を投棄したぞ。奴ら気付いたか」

 うーん、奴らからは見えてるとは思えなかったが…

 そうか何処か上空にレーダー母機がいるな。

「それにしても、ふん。ガンファイトか、ちったあ骨の有る相手らしいや」

 しかし、惜しげも無く兵装を捨てるとはな。ふむ、金持ちの戦争だ。

 ハインドを雲から付かず離れず飛行させていたロックは、サーペントの2機編隊が自分達に向けて針路を変えた事を確認する。

 この時には前席のプリンスも2機のサーペントを目視出来ていた。

「ロック、どうするんだ。気付かれちゃったぞ。」

「このまま緩く右旋回で奴らから離れる方向へ向かう。

 ワシらの僚機もそろそろ戦闘空域に到着する筈だ。俺達は雲を隠れ蓑に使う為に高度を取ってたから逆に奴らのレーダーに捕まっちまったが、雲の下を来とるあいつらは上手く出来れば奇襲を仕掛けられる筈だ」

 ま、よっぽどボンクラじゃ無ければな。こっちが囮になってるんだ、上手い事やってもらわんと困る。

「ホントか?」

「いいか、プリンス。

 空中ではな自分の判断や行動の当てが外れたとして、それを後悔しても何も良い事が無いぞ。空中戦の最中に、しまった、失敗した、こうすれば良かった、何て思っても状況が良くなる訳が無い。良くなるどころか思考停止は最悪の結果しか生まんだろう。

 だから、後悔なんてしてる暇は無いんだよ。これが駄目だったら、次はこう。更に駄目なら、こう。ってな具合に次々に手を打つんだよ、遅功より拙速。瞬間判断力を養うこった」

「そ、そうなのか…」

「ガハハ、まあ2番機の奴らもチームを組んで昨日の今日だからな。奴らをそこまで信用は出来ん、正直なところな。

 だが、まあ少しは期待してもよかろうよ。逆に2番機の奴らを囮にしてやってもいいしな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ