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匍匐飛行 ~ ヘリコプターパイロットの細腕戦記 ~  作者: 梅小路 双月
第三章 ダーク研修会
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バトル・オブ・ツシマ

「そして世界の海軍関係者全てに衝撃を与える出来事が日露戦争で起きる。

 カーリィ?」

「バトル・オブ・ツシマですね」

「ツシマ? ツシマって日本の対馬ですか」

「そうよ、世界的にはバトル・オブ・ツシマの方が通りが良いけどジュリエット、あなたには日本海海戦の方が分かり易いかしらね」

「日本海海戦、う~ん聞いた事が有る様な無い様な」

「ジュリエット、お前はホントに。

 アドミラル・トーゴーとか戦艦ミカサ位は知ってるだろう、流石に」

「やー、プリンス。ゴメンね~、やっぱ分かんない」(てへっ)

「バトル・オブ・ツシマは、日本の連合艦隊とロシアのバルチック艦隊が日本海の対馬沖で戦った海戦よ。

 そこで、日本は世界の海戦史上に残る完璧とも云えるワンサイドゲームを成し遂げるの」

「あ、日本が勝ったんですね。なんか私のイメージじゃ日本って常に負けてるもので」

「海戦の主要な参加艦艇は、日本の連合艦隊が戦艦4、装甲巡洋艦8に対して、ロシアのバルチック艦隊は、戦艦8、装甲巡洋艦9。但しバルチック艦隊の戦艦には旧式艦も含まれていたから、戦力としては両軍ほぼ伯仲していたわ」

「ふむふむ」

「連合艦隊旗艦三笠のマストにZ旗が掲げられて戦闘が始まると、」

「あっ、待って下さい。Z旗って何ですか?

 なんか無茶苦茶カッコ良さげなんですけど」

「もうっ、話の腰を折らないでちょうだい。

 いい、旗旒信号って言って旗の組み合わせで船同士や陸上と船との間で意思の疎通を図るやり方があるのよ。

 カーリィ?」

「はい、バトル・オブ・ツシマでのZ旗の意味は《皇国の興廃この一戦に有り、各員一層奮励努力せよ》です」

「うっは、何それ。むっちゃ燃えるんですけど」

「はいはい、続けるわよ。

 海戦は日本艦隊の敵前大回頭で大勢が決するの。所謂トーゴーターンね」

「え~、東郷提督やりますな!

 自分の名前が必殺技として残ってるなんて、素敵過ぎる」

「日本艦隊はその日の夜も駆逐艦や水雷艇による攻撃を仕掛けて、更に次の日も再び主力艦隊による追撃を行ってバルチック艦隊を殲滅したの」

「せ、殲滅。海戦で殲滅って余り聞かないですよね」

「だから世界の海軍史上に残る戦いなのよ。

 具体的な損害は、バルチック艦隊が戦艦撃沈6、捕獲2。装甲巡洋艦撃沈3で参加した主要艦艇全てを失っているわ。

 対する日本艦隊は、水雷艇3隻が沈没しただけよ」

「ホントに殲滅ですね、比喩的表現じゃ無く掛け値なしのワンサイドゲーム」

「ロシアは戦争全体では、投入した戦艦13隻の内12隻を失っているわ。

 戦艦の建造は、まあ年2隻が限界でしょうからこれを回復させるだけでも大変よ。しかも他の国だって建造を進めるんだから、追い付ける訳が無い。

 ロシアの戦艦保有数は日露戦争前は世界第2位だったんだけど、戦後10年経っても5位でしか無いの、先進国としてはイタリアと同率で最下位よ。

 艦隊中核を失うって事がどれだけ悲惨なのかが分かるってものね」

「これで日本は大国ロシアに勝っちゃうんですね」

「そう。この結果から世界各国の海軍は艦隊決戦による勝利によって、戦争の行方を決定付ける事が出来ると考える様になるの。

 そして、その為には強力な戦艦の質と量が敵国を上回る必要が有る」

「《大艦巨砲主義》の誕生です」


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