惨めな私に、彼は優しく私に手を差し伸べてくれた。
いつも私は、お金がなくて生活に苦労していた。
家賃、光熱費、食費、交通費、ネット代、携帯代、医療費、諸々。
入ってくるお金よりも、出て行く金の方が多いのよ。
金融機関でお金を借りていたが、返せなくなっていき結局他の金融機関で
またお金を借りる。
クレジット決済も借りれるだけ借りている。
どんどん私の借金は返せないほどに増えていった。
だから私は仕方なく、“風俗で働く事に決めたの!”
最初はどうしても“体を売る仕事に抵抗があったのだが......。”
次第に慣れていき、今では6時間ほどで10人ぐらいを相手にできる
までになった。
正直、昼の仕事もしてから風俗の仕事をする事は体に随分と負担がかかって
いるとは分かっていても辞める事はなかった。
“私は惨めな女なのかもしれない!”
・・・今思うと? 何故お金を借りなければいけなくなったのか?
当時付き合っていた彼氏の“借金を私が返す事になったところからはじまる。”
書類に私のサインをさせて、次の日突然彼は私の目の前から消えた!
当然! サラ金業者は私に彼の代わりにお金を返せと言ってきた。
『あんなクズ男と付き合ったのがいけないんだよ! アイツの借金、お姉さん
知ってるか? 500万だぞ! アイツは利子も返さなかったからこれからは
頼みますよ、お姉さん!』
『・・・そ、そんな私、お金なんて、ありません、』
『“じゃあ、いい風俗店紹介するよ。”』
『風俗店なっていきません! なんとか利子だけでも返していきますから!』
『まあ、アイツよりはマシだな! それと最初に言っとくが、逃げてもムダ
だからな、何処までも追っかけ行くぞ!』
『・・・わ、分かってます。』
『よし! 今日のところは、10万円払ってもらおうか!』
『・・・わ、分かりました、少し待っててください。』
『勿論! 時間はたっぷりあるんだから待つよ。』
『・・・はい、10万円です。』
『よし! 確かに10万円あるな、じゃあまた来月来るから!』
『・・・はい、』
・・・ここから私の借金地獄がはじまった。
いくら普通の仕事をしていても、“借金が減ることはない!”
でも? 風俗の仕事をしだしてからは? ある程度のまとまったお金が
できてサラ金業者に返せるまでになったの!
『おっ! 今月は20万円も返してくれるの?』
『・・・あぁ、はい。』
『凄いじゃない! 利子どころじゃないね! この分だと借金返せるん
じゃないかな。』
『本当ですか?』
『まあ、お姉さんの借金でもないんだし、早く返して自由になったら?』
『はい!』
『まあ、頑張ってよ。』
『ありがとうございます!』
私は彼の借金を、“3年で返し終わる。”
サラ金業者の借金を完済した後は、直ぐに風俗の仕事も辞めた!
私は普通の生活がしたかったのだ。
でも? 普通の仕事だけでは生活は直ぐに苦しくなる!
だからと言って風俗の仕事はもうしたくない!
そこで私は金融機関にお金を借りながら生活をするしかなかったのだ!
・・・そんな時、私に優しくしてくれる彼に出会う。
彼は私に優しく手を差し伸べてくれた。
“こんな惨めな女にだ!”
『ボクで良ければ力になるよ。』
『・・・でも? 私は、』
『大丈夫! 一人より二人なら直ぐに借金は返済できるよ。』
『でも貴方の借金じゃないのよ。』
『“君の借金はボクの借金だ! 一緒に返させてくれないか?”』
『貴方は私が惨めな女に見えないの?』
『・・・何故そんな事を言うんだい?』
『知ってる? お金が無くて、私はコンビニのゴミを漁って食べた
事もあるのよ。自動販売機の下や小銭がないか歩いて探した事もあった!』
『君は素晴らしい経験をしたんだよ。』
『お金がないから、公園の水だけでお腹を満たした事もあるのよ。』
『普通の女性が経験しない事を君はしているだよ!』
『なんで、私を惨めな女だって言わないのよ!』
『ボクは君を惨めな女だと一回も思った事はないんだ。』
『・・・私にとって貴方は眩しすぎるほどステキ過ぎて、私には勿体ない
としか想えないのよ!』
『それならそれでいい! この先も一緒にボクと居てほしい!』
『・・・・・・』
彼と付き合えた事で、“私のすべての借金は完済した。”
彼が今まで貯めてきたお金を私の借金に充ててくれたのだ!
今に私には借金はない!
でも、“こんな素敵な彼が私の傍に居てくれる!”
私にたったひとつ残ったモノは、、、?
“かけがえのないステキな彼だけ!”
最後まで読んでいただいてありがとうございます。