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同性同士でいいじゃないか

 とある日の昼休み。

 みなちゃん、ことちゃん、ももちゃんが1つの机にあつまり何か本を読んでいた。

 三人ともかなり熱心に読んでいるようで、何を読んでいるのか気になった私は、悪いと思いつつも三人の近くに行き本を覗いてみた。


「何読んでる……のぉ!?」


 思わず固まってしまう私。だって覗きこんだ本に描いてあったのは男の子が二人くんずほぐれつしている漫画だったんだもん。

 きょ、きょ、きょ、教室でこの人たちはなんてものを読んでいるんだ!!

 と、というか高校生が買える内容なのかアレは! だ、だ、だってモロじゃんあんなの……。


「あ、麻衣。ってどうしたそんなに顔赤くして」


「み、みなちゃん……教室でなんてもの読んでるの」


「何って、ただのBL漫画じゃん」


 ただのBL漫画? この内容で?


「その……教室でエッチなの読むのは良くないと思うんだけど」


「別にそこまでエッチじゃないと思うけど」


 そういって、ことちゃんとももちゃんの方を見ると、二人は頷いた。


「これくらいなら普通だと思うけど」

 

「お店に行ったら普通に並んでるよ」


「うちらまだ16だから。そんな本持ってるわけないし」


 そんなことを言う三人。

 噓でしょ?

 あれ並んでるの? 一般BLコーナーってそんなに魔境なの? え、私がおかしい?


 混乱する私の肩にポンと手が置かれ、振り向けばそこにはめぐちゃんがいた。


「まいさん、大丈夫。あなたは正常だよ。あの三人というか、BL界の許容範囲が広すぎるだけだから」


「だよね! よかった仲間がいてくれた」


 やっぱりアレは過激すぎる。最近の少女漫画は過激だって聞くけどその比ではない気がする。

 

「ねえねえ、あの三人っていわゆる腐女子なの?」


 気になってめぐちゃんに尋ねてみる。

 みなちゃんは前に私のイラスト褒めてくれた時からオタク仲間の一人だろうと思ってはいたけど。ことちゃんとももちゃんも腐女子なのだとしたらかなり意外だ。


「うん。みなちゃんが布教した結果あの二人沼落ちしてね」


 へー、人は見かけによらないんだなぁ。

 めぐちゃんも腐女子ではないみたいだけどオタクみたいだしこのクラスオタク率高いな。

 どうりで快適なわけだよね。イラスト描いてたらいつもみんな褒めてくれるの凄いなとは思ってたんだよ。

 ここはオタクが許容されまくった世界なわけだ。納得。


「でもね麻衣、私達のこと腐女子って言ってる恵も姫女子だからね?」


「姫女子って……なに?」


 みなちゃんから発せられる初めて聞いた単語の意味が分からず首を捻る。お姫様みたいな女子?でもめぐちゃんはお姫様ってタイプではないような……。

 

「うちらの逆。女の子同士の恋愛。所謂百合が好きな女の子のこと。よく教室で百合漫画読んでるよ」


「え、そうなの!?」


「そうだよ~、百合ってさ尊いんだ……」


 遠い目をしてどこかへ遠くへ思いを馳せている様子のめぐちゃん。

 百合かぁ。確かに何かのタイミングで見かけた百合アニメ。あれは凄くキュンキュンした記憶がある。結局、百合というジャンルにのめりこんだりする前にほかのコンテンツに意識が向いたからそれっきりだけど。


「百合が好きなのはめぐちゃんだけ?」


「今のところはそうかな。布教したいとは思ってるんだけど百合が関わると途端に語彙力の低下が生じてしまって……」


 好きなもののことになると語彙力が低下するのはオタクあるあるだからわかるけど、クラスの中で頭のいい方のめぐちゃんでもそうなってしまうのか。


「でも、あれだね。女子高だしここめぐちゃんにとっては楽園なんじゃないの?」


 だってさ、転入して以来女の子同士でイチャイチャしている姿しか見てないよ私。女の子が集まればギスギスジメジメするものだとおもってたのにそんなもの少しもなくて驚いたもん。


「生ものは別に興味なかったんだけどね。次元とかどうでもよかったみたいです。3次元でも尊いものは尊い。いつも感謝」


 手を合わせて合掌のポーズをとる恵ちゃん。同級生の絡みを生ものって……とは思いつつも、別に百合というジャンルに興味のなかった私ですら、女の子同士が仲良くしている姿には思わず手を合わせたくなる時があるから仕方ないとも思う。


「もうさ、女は女同士、男は男同士で恋愛してればいいと思うんだよね」


 みなちゃんの言葉にめぐちゃんだけでなく、ことちゃん、ももちゃんも大きく頷く。

 オタクがおる……。ここに過激派オタクが四人もおる。

 女子高ってやっぱりやばいところなのかもしれない、と思わず戦々恐々としてしまっているといつの間にやら話が進んでいた。

 

「最近はさ、うちの好きなBLを恵に、恵はうちらに百合を布教しあっているわけよ。麻衣もどう? おすすめの本とかいくらでも貸すよ」


 みなちゃんの言葉にうんうん、と頷くめぐちゃん。

 BLに百合かぁ。触れてみるのもありな気がするけど、さっきみなちゃん達が読んでたのはちょっとハードルがたかすぎるんだよなぁ。でもみんなの好きなものに興味はあるし、とりあえず1冊ずつ読んでみるのはありかもしれない。


「それじゃぁ借りてみようかな。あっ、でもさっきみなちゃん達が読んでたみたいなのじゃなくて初心者向けの奴でお願いします」


「オッケー、軽い奴ね。了解了解。」

 

「任せて、私が沼に落ちた作品持ってくる」

 

 大丈夫かな……。

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