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第九話

 座学には暦学、算術、語学、戦術、薬学、食学、職学、魔術、話術があり、それぞれ初級、中級とある。中級の次は、戦術であれば陸戦術、海戦術、空戦術、人海戦術、歩兵戦術など、更に細かい内容毎に分類される。

 実技は週四回、二時間続きである。一年目の前期は調査訓練のみで、体力強化、武器練習、魔力鍛錬、魔力系統を週一回ずつ行う。

 ロキは以下の時間割りに決めた。


  一  二  三  四

月 話術 実技 実技   

火 食学 算術 実技 実技

水 実技 実技    職学

木 暦学    薬学 戦術  

金 魔術 実技 実技 語学


 初級だしどうせならと全部取ってみた。

 このスケジュールに更に居酒屋のアルバイトが組み込まれる。火水は夕方から閉店までの四時間、金土は夕方から朝までの十六時間だ。生活費や武器修理などの実費を考えるともう少しアルバイトを増やしたいところではあるが、日々の予習復習時間を考えると此処が妥協点だろう。休みが少なくなかなかのハードスケジュールではあるが頑張るつもりだ。

 ただ例の少年と魔術の授業が一緒になってしまった事が唯一の懸念点だ。何事も無いことを切に祈る。


 一ヶ月が経った。チームが徐々にでき始めており、実技の成績が良い人は引く手数多のようだ。俺は正直誰でも良かった。まだ何となくの人となりしか分からこないし、後々もチーム替えOKなのだから、そこまでこだわる必要も無いだろう。まあだからと言って自分から声を掛けるつもりはないんだけれど…。

「なあ、俺とチーム組まないか?」

 算術が終わり次の実技の準備をしていたら、黄色い短髪で正義感の強そうな眼をした少年に声を掛けられた。

「良いよ。」

「俺はジーク、先ずはお試しで……って良いのか!?」

「自分から声を掛けてきた癖に何でそんなに驚いてるだよ。」

「いや、そんな直ぐOKが出るとは思ってなかったから…。」

「ふーん、俺はロキ、よろしく。」

 ロキが右手を出す。

「よろしくな!」

 ジークはニカっと笑いロキと握手を交わす。

「他のメンバーはどうするか考えてるのか?」

「ああ、もう一人声を掛けてる奴がいるんだ。勧誘が成功したら教えるな!」

 そう言ってジークは実技の準備に戻って行った。

 たんぽぽみたいな奴だったな。

 そう思いつつロキも実技の準備を再開した。


 数日後、勧誘が成功したようで合わせたい奴がいると言われた。

「カノンと言います。よろしくお願いします。」

 ジークが奴と言っていたから男だと思っていたロキは、女の子が来て驚いていた。茶色のロングヘアに優しそうなオレンジの瞳の少女はほんわかした雰囲気を持っていた。こうして男二人、女一人、計三人のチームとなった。

 話してみれば、二人は寮生活らしい。どうやら寮で生活している生徒が大半で、実技だけでなく寮生活を通して声を掛ける人を厳選しているらしい。寮生活はそこでも活きているようだ。俺も寮に入れば良かったかと一瞬思ったが、やはり我が家の安心感には勝てないと思い直した。

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