世界設定
宇宙の独り子たちへ 世界設定
*これは本編ではありません。近日本編はアップロードします。
-人類選別用コンピューターシステム”ADL”の各ランク詳細と待遇-
Sランク:人類至宝
基本条件:歴史に名だたる偉人たちと同等以上の天才的才覚があること。家系も元王族などVIPの親族を3親等以内に持っていると選ばれる可能性が飛躍的に向上する。
待遇:第二の地球”J89”行きの宇宙船に確実に搭乗することができ、基礎教養とその人の才覚を最も育てられるであろう適任者の教育を無償で受けることができる。その他生活保障も必ず優先的に行い、未来の配偶者も”ADL”とゲノム解析に基づき世界政府が決定する。この際彼らの配偶者への趣味趣向は人類存亡の為にも取り入れないこととする。
人類が全身全霊を賭けて守るべき人々である。
Aランク:重要指定人類
基本条件:様々な才覚に恵まれ、由緒正しき家柄及び影響力のある者の家の生まれであること
待遇:第二の地球”J89”行きの宇宙船に優先VIP用オークションでチケットを落札することで搭乗できる。オークションで落札できなかった場合は、無償でコールドスリープに就くことができる。基礎的な教育を保障され、才覚を伸ばす為の特別教育も世界政府の50%受け持ちで受けることができる。その他生活保障も優先的に行い、未来の配偶者も”命の選別”とゲノム解析に基づき世界政府が決定する。この際彼らの配偶者への趣味趣向は人類存亡の為にも取り入れないこととする。
Bランク:上流一般市民
基本条件:特別な才覚が存在し、平均以上の経済力、影響力のある家の生まれであること
待遇:第二の地球”J89”行きの宇宙船搭乗への保障は一切されないが、一般市民向けオークションでのチャンスは存在し、Aランク新生児の両親の紹介があれば優先VIP用オークションへの参加も可能である。チケットを落札できなかった場合は、一定金額でコールドスリープに就くというの選択肢もある。基礎的な教育と生活は保障されるが、特別教育への世界政府の補助は無い。同ランクならば配偶者の決定権がある。
Cランク:一般市民
基本条件:平均的な経済力が家系に存在し、平均的な才覚があること
待遇:第二の地球”J89”行きの宇宙船搭乗への保障は一切されないが、一般市民向けオークションでのチャンスは存在する。チケットを落札できなかった場合は、一定金額でコールドスリープに就くというの選択肢もあるが、Bランクの価格の2倍の金額となる。基礎的な教育は保障され、同ランクならば配偶者の決定権がある。
Dランク:下流市民
基本条件;家族を最低限養えるだけの経済力が家庭に存在すること
待遇:第二の地球”J89”行きの宇宙船搭乗への保障は一切されないが、一般市民向けオークションでのチャンスは存在する。超高額であるが、コールドスリープに就く権利は存在する。Dランクからは人類に貢献できる可能性が低いとし、配偶者の決定権は無い。
Eランク:淘汰決定市民
基本条件:なし
待遇:一切を世界政府は保障しない。地球在住権は存在する。配偶者の決定権は無い。
Fランク:芥
基本条件:人類に不要
待遇:一切を世界政府は保障しない。地球在住権は存在しない。配偶者の決定権は無い。世界政府の決定した人権は彼らに存在しない。
世界政府党首 ミラ・エッジソン 最終校閲済みスピーチ原稿
たび重なる災害や戦争により、我々人類は存亡の危機を迎えました。今こそ人類が一丸となってこれらの危機を乗り越えるべき時であると、私は世界各国の政治家たちと世界政府を樹立しましたが、そんな努力も報われず、今この瞬間、人類の60%が一切満足に食事ができないという大飢饉に直面しているというのが現状であります。その為我々は最終手段、人類削減を余儀なくされています。そこでプログラマーたちは世界政府の命により、人類の価値をランク付けするという、コンピュータープログラムを開発しました。名を”Auswahl des Lebens ver.1.00”、略してADLです。これは非人道的であることは認めますが、それに伴い人類救命の唯一の道であると信じています。残すならばより人類の希望足りうる人材をというのが私の理念であります。僭越ながら質問はお断りいたします。ご静聴感謝致します。
必然的に大半の市民は激怒し、デモを起こした。しかし世界政府樹立後の世界は最早、民主主義などという概念は存在しえなかった。世界政府は、人類生存の為と題しおよそ99%の政治家の賛同とともに異例のたった2ヶ月でデモを制圧し全新生児にADLに基づくテストを施行した。そしてこの物語の主人公は、最低ランクのFランクとなり、地球在住権をADLにより失った。このような幼子を皮肉にも”宇宙孤児”と人々は称し、嘲笑している。彼ら宇宙孤児は、宇宙にシェルターを作り、宇宙ゴミから宇宙船に必要なコアと呼ばれる部品を集め、地球に売り渡している。
ADLに関しての機関機密文書 S-16
とあるBランクの新生児から、テレパシーの特殊能力と宇宙空間でも宇宙服なしで生存できる可能性を確認。混乱を防ぎ、少しでも多くのコアを集めるべく、彼をFランクに降格し、宇宙孤児とする。両親の承諾は取得済みである。なおこの事実は他の宇宙孤児及びこの文書の閲覧権限の存在する関係者以外の人間以外には一切非公開とする。