表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くたばれイケメン、美少女ども~~~陰キャたちの逆襲劇~~~  作者: カラカラ
涼野風香編~~~太の怒り
4/52

涼野風香編 前編!!

「やめてくれ!俺たちは友達だろ!」

 

 叫ぶアツシ。しかし、レイは聞こうともしない。アツシにアクアガンを突きつけながらはっきりと宣言した。


「くだらない。お前といつ友達になった?はっきり言ってやろうか。お前は俺の敵だ!次に会ったとき必ずお前を始末してやる!!」


 レイの決別宣言に衝撃を受けるアツシ。レイはそのまま、その場から立ち去ろうとした。だが、アツシはレイと一緒にガンバトラーたちと戦いたい気持ちが抑えられなかった。レイを引き留めようと必死に右手を伸ばした。


「待てよ!逃げるのか!俺との約束から逃げるのか!?」


 これに対し、レイは冷ややかに笑った。いつまでも過去の約束にとらわれているかつての相棒にレイは呆れたのだ。過去は過去のことであり、今は今のことなのだということを忘れてしまっているアツシに、レイは告げた。


「お前はいつまで過去にとらわれているんだ?」


「約束だっただろ!?」


「それがお前の選択か?まあ、それもいい。だが、俺は違う!いつまでも過去にとらわれているがいい!そうやっているうちにお前は死ぬんだ!!」


「行くな、レイ!!レーーーーーーイ!!!」


 レイの決別にアツシは絶望に打ちひしがれる。ついに決別してしまった彼ら!いったいどうなってしまうのか!?次回『希望の光』レッツガンバトル!



「やばいなこれどうなるんだ?」


 太はポテトチップスのり塩味を食べながら1人興奮していた。時間にして夜の1時。良い子は寝ている中、彼はアニメを見ていた。彼には2つの趣味がある。1つは彼の体型から察する通り、食べることである。ポテトチップスなどの油ギッシュな食べ物を1日に何度も食べるライフサイクルは小学校低学年の時から変わっていない。彼が豚になるのは人が空を飛べないくらい自明である。


 そしてもう1つの趣味がアニメ観賞だ。これもまた小学校低学年からの趣味であり、時間があればアニメを見るほどのアニメ好きである。彼の今のお気に入りアニメは『ガンガンガンバトル!!』。ガンバトラーに選ばれし10人が己の願いをかなえるため戦うアニメである。


「もう1袋ポテチ食ったら寝よ」


 しかし、彼は己の食欲と戦いはしない。むしろ仲間に引き入れていた。彼は1袋を平らげたあと、ベッドに入り幸せそうに寝た。



「席替えをするぞ」


 朝のホームルーム。その担任の唐突な提案に太は戸惑った。太の席は現在、窓際の一番後ろ。いわゆる主人公席であった。この席があるからこそ、彼らは教室の隅っこで目立たないように昼食を食べることができるのである。万が一、席替えによって中央の席になってしまったら嫌でも目立ってしまう。彼らにとって、この席替えは死活問題と言っても過言ではない!


 彼らの運命を決める席替えが始まった!トップバッターは畑山!くじを引き、その番号の席でしばらく過ごさなければならない。畑山は後ろの席が当たるように右手に神経を集中させ、くじを引いた!1番前の席。畑山は昇天した。


 そのあと、2番バッター秀男も引いたが前から2番目の席に座ることになってしまった。これで残るバッターは太のみ。彼が1番後ろの席を当てることができればしばらくは安泰!彼らの高校生活はバラ色になる!しかし、彼が1番前を当ててしまえばしばらくは悲惨!彼らの高校生活は花と散る!そう、全ては彼の右腕にかかっているのだ!


 太は右手を強く握りしめ、全ての血を集中させた。血の力......。彼に流れる由緒正しき山田の血は時に奇跡を起こす。この力で太は小学生のころ、給食のデザートじゃんけんで10人以上に勝ったことすらある。奇跡を起こせないはずがない。彼は「早くしろよ」といういわれのない罵倒を受けつつ、くじを引いた。


 ところで、1番前の席はたいてい嫌がられるものだが考えようによっては最高の席ではないだろうか?なぜなら、黒板の文字が前の席の人が邪魔で見えないということがないし、小さい声でも先生は聞き取りやすいからである。よって、そこまで悪い席ではない。太は素晴らしい席を獲得できたのである。


 昼休み、いつもなら3人で食べるところだが今日に限っては1人で食べていた。なぜなら、彼らのどの席の近くにもグループが昼食を食べていたからである。おそらく、グループのリーダーが運悪く彼らの近くの席だったのであろう。彼らがどうすべきか悩んでいるうちにこの状況が出来上がってしまったのである。じゃあ、後ろの席が空いているじゃないかと考える人もいるだろうが、彼ら陰キャに他人の席に勝手に座る、または許可を取る勇気などあるわけがない。まさに、最悪の状況であった。


「今日さ、スイーツ食べない?」


「えー、この前も食べたじゃん。太るしパス」


「なに、逃げるの?」


「そのあと運動すれば大丈夫だって」


 女子たちの会話が太の耳に入ってくる。彼は別に盗み聞きしているわけではない。聞こうとしなくても耳に入ってきてしまうのだ。


「あ、確かにそうだよね。やっぱ行く」


「それが水菜の選択か......。それもまあ、いいんじゃない?」


「誘ったのは風香じゃん!」


 太は死にたくなった。あまりにも自分たちとかけ離れた青春を送っている彼女たちが羨ましくて仕方がなかったのである。同時に彼の中に強い憎しみが湧いた。畑山の計画には賛同していたものの、彼ほどの怒りを覚えているわけではなかった。しかし、彼女たちのキラキラした姿と会話を見聞きしたために、全てを壊したくなる衝動が生まれたのである。そして、太は考えた。いったいどうすれば破壊できるのかを。だが、太はすぐに冷静になった。畑山の言うとおり、涼野の弱点を知るためにはまず相手を知る必要があるからである。ただ、第2の関門を突破する方法を太はいまだに考えついていなかった。


「ん?......あ!そうか、これだ!」


 突然大声を出した太に周囲の女子たちは顔をしかめた。しかし、太にとってそれは小さなことであった。


 ついに見つけた第2の関門攻略法!太はいったいどうやって突破するのか?いよいよ次回、涼野風香に太が接近する!

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ