6月11日日報、総合ギルド及び買い物デート
今年もネット大賞の季節かーとか思いながらキーワード設定したのに更新をしなかった。
色んな人に読んでもらえる機会なのだからガンガン更新すべきなのに。
だからというか、あらすじを増量しました、この世界の秘密や成り立ちをさっくり書いた。
こんな微妙にVRか? みたいな感じでも良ければお楽しみください。
ところで剣と盾を購入したりしていた。15日過ぎに更新が不定期になったら申し訳ない。
フレスに書類を書いてもらっている間に運営に対し現在の状況を報告した、運営としても困っていたのだろう、一応彼ら運営AIも監視はしているが相手は自分たちより上位の存在であるプレイヤーだから強くは言えないのだろう。
故に、対プレイヤーとして俺達のような自宅警備員が常時待機しているのだ。
とは言え、今までは精々レイドボスに挑みに来た相手のみ対応していた為、レイドしないソロプレイヤーだったユニークもどき達の発見が遅れてしまった事は否めない。
そういう事もあり俺だけでは対応に遅れが出ると思ったから龍の奴を誘おうとしたが現実世界側において防衛の任務に当たっているとかで、これはリュールに言ったように一週間後まで保留だな。
「旦那様、お待たせ、はいコレ」
書類を出し終わったフレスは黒い輪っかを差し出してきた。
これは……首輪か?
「従魔の証として見えるところにつけて下さいだって、首輪としては旦那様からすると小さいから、前足につけたいと思うんだけどいいかな?」
『頼む、右足にしてくれ』
お手をするように前足を軽く上げ輪を付けやすく構える。
前足に輪をスッと通せば輪が縮まり丁度良いサイズで収まり、ズレもせず、かといって締め付けられる感じもない。
まるでつけていないかのような感触だった。
「ありがとう……よし、これで旦那様は私のものー」
えへへ、と顔に抱き着いて擦りついてくる。
『ふむ、後でお前にも指輪を買わねばならないな』
「おー、そうだね! けどこの輪っかが指輪の代わりじゃなんだか悪いなー」
『気にするな、この体では指輪は無理だからな、それにあまり洒落っ気のあるものは好きではない』
「そっか、けどいつか別の物を贈らせてね?」
『いつかな……』
それは現実において、という意味だろうか。
総合ギルドを後にした俺たちはフレス、というより≪フラワーガーデン≫御用達の生産ギルドのハウス兼店舗へと足を運んだ。
「いらっしゃい、よく来てくれた。俺はカジキ、生産ギルド≪なんでもつくります!≫の鍛冶部門の主任をやってるもんだ。後アンタが言うとこのユニークもどきってやつだ。俺の分は情報板に心当たりを出しといたから、勘弁してくれ、この通りだ」
フレンドリードワーフ風ずんぐりむっくり狼男が頭を下げながら握手を求めて来た。
器用なやつだ、だが流石に握手は出来んから、軽く前足で触れる程度で合わせた。
『それは把握している、まあ……なんだ、装備の方をよろしく頼む』
「あぁ! ありがとよ! さぁ、こっちだついてきてくれ!」
気のいい奴だ、他のユニークもどきもみんなこうだといいんだが。
カジキの後追い俺たちは店の中へと入った。
この間嫁はずっと俺の背中の上でモフっている。
店の中は色々な装備が展示……というには少しごちゃごちゃしていた、なんなら散らかっていると言える。というかさっきからちょいちょい踏みつけてもいた。
『歩きにくいな……』
「はっはっは、すまねぇな。どうにも片付けるのは性に合わなくてよ」
まだ防具ばかりだからいいが武器とか踏んだらどうするんだ。
『壊しても弁償しないぞ』
「かまわねぇよ≪フラワーガーデン≫はお得意様だしな、それにその辺に転がってるのは出来そこないの文字居通りガラクタだ。そんな半端モン客には売れねーよ」
これで半端か、やはりこいつはユニークもどきなんだな、こんな装備朝ギルドまで行く道中で見た武器屋でも取り扱ってはいない、ランクとしては二つほど飛びぬけた一級品ばかりだぞ。
≪剣魔法≫と言ったか、こいつは自分でデメリットにならないもんを晒したが本当に必要なものを他にも何か隠してやがるな……生産方面のスキルを。
『ところでお前は今度のPVPイベント参加するのか?』
「俺は戦いはするが本職は鍛冶屋だぞ、今まで一度も参加したことねぇよ」
「そうだよカジキさん強いけど、毎回誘われるけど、それでも頑なに出ようとしないんだよね」
「まあ、人切って血まみれた手で武器を打ちたくないだけだ」
実際に手が汚れるわけでもなくてもか、困ったな、戦いの場でないと権限の絡みで今すぐには暴けないし。
スキルだけ見とくか。
[管理権限行使:双犬認証]
[対象:プレイヤー:カジキ]
[対象項目:スキル一覧]
[スキル:≪鍛冶≫、≪剣術≫、≪鎚術≫金魔法Lv.8≪メタルバレット≫≪アイアンウォール≫≪スチールスラッシュ≫≪シルバーランス≫≪ゴールドボディ≫≪プラチナソード≫≪ミスリルシールド≫≪タングステンドリル≫、光魔法Lv.5≪ライト≫≪フラッシュ≫≪レーザー≫≪レーザーシールド≫≪シャインボディ≫剣魔法Lv.4≪ソードメイク≫≪ソードブレイク≫≪ソードブラスト≫≪ブレイドメイク≫、≪刀術≫、≪採掘≫、≪採取≫≪錬成≫リンクスキル≪マテリアライズ≫、≪空想付与≫]
ごちゃごちゃしてるな……肝心なのは最後の方か、リンクスキルはいいとして、それで作った物を武具に付与する上位スキルか?
こりゃ普通の素材でしか作っていないこの辺りのが半端ものって思えるのも仕方ないか?
だが≪空想付与≫水蛇当たりの管轄だったか、これは紛れもなく秘匿された上位スキルだ。
どうするか……ここでは俺にそこまでの権限がない。
どうしても暴くにはイベントに参加させるか、水蛇の奴をここに連れてくる他ない。
『しかし勿体ないな折角秘匿された上位スキルを持ってるのにな、みんなの前でお披露目すればもっと全体のレベルが上がるっていうのに』
ここはストレートに言う、この言い方ならまだ≪剣魔法≫と勘違いするだろう、カマをかけるだけだ。
「≪剣魔法≫はもう披露したんだから勘弁してくれよ……旦那の言いたいことも分かるが、まずは身内から……その後はきちんと全体に公表するから、この通りだ」
ただカマをかけた、だけなのに。
こいつは……根が正直者なのだろう、言う通り身内で広めたら公開するかもしれない、だがそれでは遅すぎる、時間は無限だがそれはプレイヤーだけの話、NPC達からすれば奴らは待ってはくれない。
だが……。
『分かった、そこまで言うなら信じよう……だが、忘れるな、タイムリミットはもうすぐそこだ』
何のとはまだプレイヤーに伝えられないが、それでも元レイドボスとして警告を出すのは許されている。
「ありがとよ、それでだ、お詫びと言っちゃなんだが……いやこれで許してもらおうってわけじゃないが頼まれてたもんを少し手を加えさせてもらった。いい加減旦那から降りてきて見ちゃくれねぇか?」
「んーここじゃダメ?」
「駄目だ、客とは言えくつろぎすぎだろ……」
そういわれればフレスはしぶしぶ降りて来た、良い子だ。
「これだよ頼まれてた鞍、つーか困難で本当に良いのか?」
見れば馬のような鞍であるがただ一点異様な……デカイ穴が開いていた。
『なんだその穴は……』
鞍の体をなしていない、座る部分にぽっかり穴が開いているんじゃ、つける意味ないだろ。
「えへへ、これなら旦那様のモフ……毛並みを堪能しながら座れるよ」
モフのためにわざわざ穴をあけたというのか。
もしかして俺の嫁ってバカなんじゃ……。