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100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます  作者: あまうい白一
第三章

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1話 プロローグ 1

翌日、旅立ちの日。

 俺は、フィーラとリンネと共に交易都市の南門に向かって歩いていた。


「ついにマスターとリンネちゃんとの旅立ちね。とっても、楽しみだわ!」


 自分の荷物をもって、ワクワクした表情でフィーラはこちらを見てくる。

 

「ああ、俺も久々に、こんなに大勢で旅が出来て楽しいよ」

「はい、私もです。……っと、待ち合わせ場所は、ここですね、先生」

「お、もう来たのか」


 俺たちは南門の前で足を止めた。


「とりあえず、ウッズさんの話ではここで待っていれば、連絡用の手紙とか、必要な物を渡すという話だったが……」


 手紙以外に必要なものとはなんだろう、と思っていると、

 

「あれ? 先生、何かこっちに向かってきますよ?」

 

 街の方から、馬車がゆっくりとした動きで、こちらに来ていた。

 しかし、ただの馬車ではない。

 御者台に見覚えのある顔の男が座り、また見覚えのある馬が引いている馬車で、


「こんにちは、アイゼンさん。宴会以来、ですかね」


 馬車を操るロウが、目の前に止まったのだ。


「ロウ、どうしてここに? というか、宴会の後、入院したって聞いたが」

「ええ、でももう治りましたので仕事を再開したんです。――それで、今回はアイゼンさんの次の街まで安全に、送り届ける、という依頼を受けたんですよ」


 そう言って、ロウは、懐から一枚の封筒を取り出して、渡してきた。 


「そしてこれが、市長に渡してほしいという手紙になります」

「なるほど……ウッズさんから、連絡用のアレコレを用意するからここで待っていてくれって言われたんだが……その中に君も含まれてたんだな」


 そういう事です、とロウは頷く。


「副市長も、何もかもをアイゼンさん任せにしてしまうのは申し訳なさすぎる、と仰ってまして。少なくとも荷物と人材を運ぶくらいは我々の都市の力で行わせて頂こうということになり、更にアイゼンさんの事情を知っていて、フォローも出来るということで、私が呼ばれたんですよ」

「言霊の扉は街との繋がりが深いギルドだから、色々な仕事をやるって聞いていたけれど……今回もそうだったんだなあ」

「ええ。まあ、今回は半分志願ですけれどね」


 ロウは苦笑しながら言葉を続ける。


「アイゼンさんに何度助けられたんだって話ですから。恩を返せない商人にはなりたくないので。せめて、これくらいはさせて貰おうかと思いまして。あの町には言霊の扉の支所もありますので、顔も効きますし。市長との面会予定などでもサポート出来るでしょうし、何かとお役に立てればと」

「そっか。……なんか、色々と気遣ってくれて、ありがとうな」

「いえいえ、先に気遣ってくれたのはアイゼンさん達の方なので。当然ですよ。それこそ、交易都市に来る前から、です」


 言い合って、俺たちは互いに笑みを浮かべる。

 交易都市に来るときに出会ってから、何とも縁がつながった話だと。


「――ともあれ、皆様、お乗り下さい。荷台はきっちり、以前と異なって居住使用になっていますから」


 そう言って、ロウが案内してくれた荷台は確かに、前とは違った。

 絨毯が敷かれていて、座るためのソファもある。

 

「わあ、こんな荷台にした馬車があるんですね」

「ホントね! どこもフカフカだわ!」


 先に入った女性陣二人は嬉しそうに荷台の居住性を味わっている。

 旅に出る前から楽しそうで何よりだ。


「うん、そうだな。こういう移動は皆でワイワイしながらの道中は、昔からそうだけど、何とも楽しみだな」

「ふふ、私も、マスターやリンネちゃんとお喋りしながら移動できるのは久々だから、すっごい楽しみよ!」

「はい。私は初めてですから、本当にドキドキします……!」


 フィーラもリンネも、テンションが高くなっている。

 無論、自分もだ。


 ……うん、やっぱり旅はいい。世界を周る選択をして正解だった。


 と、思っていると、


「皆さま、席につかれたようで。出発しますね」


 御者台のロウが声をかけてきた。


「ああ、了解だロウ。安全運転で頼む」

「はい。勿論、快適な運転で行きますよ」


 そうして、俺たちは、賑やかさで楽しさに包まれながら、次の街へと向かっていく。

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