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100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます  作者: あまうい白一
第二章

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74/84

37話 合流

最強預言者のコミックス1巻、大重版が決定しました! ありがとうございます!


 狼の一撃から守られたロウは、深く息を吐きながら、アイゼンに礼を言っていた。

 

「あ、ありがとうございます、アイゼンさん……」

「気にするな。ここに来る前から、君を助けて欲しいと、ずっと言われていたのだから」

「助けて欲しいって、誰から……」

「誰からも何も、今そこにいる男からだよ」

 

 言われ、アイゼンがちらりと見た先に目を送ろうとした矢先


「――間に合ったか、ロウ……!」


 こちらの動きにかぶさるように声が聞こえた。

 それだけではなく、肩をガッと掴んでくる衝撃まで来た。

 デイビットだ。


「デイビット、君まで。ここに、来てくれたのか……。しかし、どうして」


 アイゼンが来てくれたこともそうだが、デイビットがここにいるのも、どちらも驚くべき事だ。自分達が戦っている場所は、教えることは出来ていなかったのだから。そう思って問うと、


「メタルシープの一件に関わる輩が街にいる事が分かってな。だから街に戻ろうかってときに大きな音が聞こえて来てさ、そこで、アイゼンさんが戦闘をしているロウの声を聞きつけたんだ。だから、先に行って、もしもヤバかったら助けてくれ、と頼んだんだよ」

「そ、そうだったのですか……。いえ、助かりましたが……」

「――ああ、大変な事になってるな、こりゃあ」


 デイビットは街を襲っている狼達に見て、冷や汗を浮かべた笑いと共に言った。

 ここまで交易都市の中に魔獣が入り込んだ事がないのだから、当然だ。しかし、

 

「ロウ、話せそうか? 状況を聞かせてほしいんだ」

 

 それと対照的に、とても落ち着いた様子のアイゼンは、狼たちを見たあと、こちらに視線を向けてきた。


「は、はい。口は動きます」

「なら、聞いておきたいんだが、あの三つ首の狼――種別としてはアビスフェンリルってところだけど。黒煙を纏っているな。邪神の肉を食らった個体か?」


 アイゼンの問いかけに、ロウは一瞬で思考をめぐらす。

 そして、先ほどデイビットから受けた話と、自分が見ていた情報を組み合わせて、


「そうです……! 街中の研究者が、牧場のメタルシープや、誘い込んだ人間を餌に、邪神の肉を食った魔獣を育てていて――そして自ら一体化したのです」


 一息に説明した。

 すると、デイビットとアイゼンは顔を見合わせて、互いに頷いた。

 

「どうやら、メタルシープの一件の犯人も、ここにいたようだな」

「み、みてえだな。予想以上に、ヤバそうな奴だが……」


 デイビットはアビスフェンリル達に視線を送る。

 

 新たな人員がやって来て警戒しているのか、アビスフェンリルはこちらを見たまま、詰めてきたり、攻撃を仕掛けてこようとはしない。とはいえ、

 

 ……シャドウウルフを定期的に生み出しているのは、止まりませんし。危険な状態なのは事実ですね……。

 

 そう思っていると、自分の隣にいたアイゼンが、よし、と声を上げた。


「状況は分かった。それじゃあ、予定通りだ。フィーラ、リンネ、デイビット達は、戦えなくなった人を連れて下がってくれ。俺が、アイツを相手にする」

「りょーかいー。まっかせてマスター!」

「はい。護衛をしながら、下がります」


 そんなリンネやフィーラの言葉に、アイゼンは頷きを返す。

 

「さあ、それじゃあ、始めるか。大捕り物になるか、討伐になるか分からないが。街を守るための戦いを」


最強預言者のコミック1巻が、11月19日(火)に発売されました!

また小説2巻も、11月20日に発売されています! 

詳しい情報は下の画像からどうぞ。どちらも面白く仕上がっていますので、お手に取って頂けますと嬉しいです!! 


また、ウェブ版もいつも応援ありがとうございます。

面白いと思って頂けましたら、下のブクマ、評価など、よろしくお願いします!!

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 8月に始めたばかりなこちらの連載も、是非、お読み頂ければ頂けると嬉しいです!
《羊飼い》な少年が伝説の魔獣と共に、開拓をしたり、無双したりして成り上がる話です!
 昔滅びた魔王城で拾った犬は、実は伝説の魔獣でした~隠れ最強職《羊飼い》な貴族の三男坊、いずれ、百魔獣の王となる~
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