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100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます  作者: あまうい白一
第二章

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20話 予定の続き

白猫の休み場での食事会は、その後小一時間程、続き、お開きとなった。

 そして宿屋に戻る為、俺が店を出ていると、


「マスター! まだ一杯話したいことがあるから、続きは宿屋で話させて頂戴!」

「ああ、了解だ。しっかり聞かせて貰うよ」

「わあい! 有り難う、マスター! 大好き!!」


 フィーラはそう言って俺の腕に抱き着いてくる。

 食事会からずっとこのテンションであるが、衰え知らずだ。更に、


「リンネちゃんリンネちゃん。今日は一緒に寝ましょう! それで、マスターに付いて語り明かしましょう!」

「は、はい! お邪魔でないのなら、是非……!」


 フィーラそう言ってリンネにも抱き着いている。

 先ほどの食事会でずっと話していたが、リンネとフィーラは大分打ち解けたようだった。

 出会ってあまり時間は経っていないのだけれどもが、  手紙で元々、疑似的に会話していたこともあってか、距離感もそこそこ掴めているようだし。

 とりあえずは、二人とも問題なさそうだ

 そんな事を思っていると、


「アイゼン殿。ちょっといいかい」


 自分と同じく店から出てきたデイビットが声をかけてきた。

 

「今日は色々と有難うな。すげえ助けられたよ」

「いやいや、デイビット。こちらこそ礼を言わせてくれ。いい食事会だったんだから」

「はは、楽しんで貰えたようで何よりだ。まあ、俺の方も楽しくなり過ぎて、ちょっと用件を言うのを忘れちまってな。ここで聞いて貰ってもいいかい?」

「ん? 構わんが、用件?」

「ああ、明日、言霊の扉の、カンパニー本部に来て貰う事は出来るかなって聞こうと思ってたんだ? この宿屋の近くの建物なんだが」

「カンパニー本部に……って別に構わんが、どうしてだ?」


 言うと、デイビットは、懐から一通の封筒を取り出した。

 ユリカからの手紙だ。


「この手紙を読んだ事だしさ。アイゼン殿に協力させて貰おうって思って、とりあえず交易都市にいる百英雄の情報ってのがあるから、渡したくてさ。ただまあ、今すぐ口頭でってのは無理だから、まとめた上で明日受け取って貰えればな、とな」

「この街にいる百英雄っていうと――交易都市の市長になっている子か?」

 

 確か、交易都市を運営しているとの手紙が届いたことがあった。それから変わっていないのであれば、市長としているだろう。

 そう思っての言葉にデイビットはこくりと頷いた。

 

「ああ、市長はそうだな。でも、市長はずっとこの街にいるって訳じゃないからさ。その辺りの情報や、あとはついでにこの街付近に誰かいないかっていう噂とか知らせとかだな。ウチのカンパニーはそこそこ大きいから、情報も集まって来るし。今日は予想外の事を起こしちまった埋め合わせ――って事でもないんだが、ゆっくり喋れない事もあったしさ。出来れば明日、あそこのウチの本社に来てもらえる時間をくれるとありがてえんだが……」

 

 デイビットはそう言って、宿屋の近くにある、背の高い建物を指差した。あそこが、彼の言う言霊の扉の本社なのだろう。

 

 こちらとして、弟子たちの動向は知っておいて損はない事だろうし、折角協力してくれるというのだから拒む理由はない。だから、 


「ああ、こちらこそ助かるよデイビット。じゃあ、明日、あそこに寄らせて貰うよ」


 そう言うとデイビットは、ほっと息を吐いて微笑した。

 

「ああ、良かった。じゃあ、それまでに情報はしっかり纏めて集めておくから、今日はゆっくり休んでくれ」

「分かった。また明日、よろしくな、デイビット」

「おう、了解だ、アイゼン殿」


 そんな感じで、明日の予定を決めて俺たちは解散するのだった。


いつも応援ありがとうございます!

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