18話 懐かしい出会い2
「そう、マスターの言う通り、このフィーラちゃんは人を笑顔にするのが大好きな【楽聖】なの!」
俺の紹介を聞いて、テンションが維持されたままのフィーラはそう声を出した。
その上で、ようやく俺の隣にいたリンネに気付いたのか、
「むむっ、そのピンクのエルフの子から、マスターが好きそうな音とオーラを感じるわ! ここにいるってことは、もしかして……私の同士……あるいは、同門かしら!?」
そんな風にリンネに声をかけた。
「ぴ、ピンクのエルフ……いえまあ、色々と間違いないですが、はい。先生の弟子をやっておりますリンネです。なったのは一番最後ですが……」
リンネがそう答えると、彼女は両の手をぎゅっと組み合わせて、楽しそうに笑った。
「わあ、やっぱり同門だったのね!? というか、貴方が偶に、マスター宛の手紙を返してくれてたリンネちゃん!? 代筆している時とか、名前を添えてくれたわよね」
「そ、そうですね」
リンネがおずおずと頷くと、フィーラは嬉しそうに、リンネの手を取った。
「そうなの! ということは間違いなく、私の妹弟子なのね! ――ああ、良いわ! そういう風に見ると尚更、可愛いわ! それに妹弟子ってだけじゃなくて、アナタも私と同じマスターを愛する人とということでだし――、これはもう友人と言っていいかしらね! 是非、仲良くしましょう、リンネちゃん!」
「は、はい。よろしくお願いします、フィーラさん」
そう言ってリンネは、やや興奮気味のフィーラと握手を交わす。
いきなりの賑やかな出会いではあったけれど、少なくとも、お互いに悪い印象は受け取っていないように見える。
……まあ、大分性格が激しいが、フィーラは悪い子じゃないしな。
むしろ、このくらいストレートに感情を出してくれる方が、リンネと遠慮せず仲良く出来るだろう。
リンネもリンネで大分、芯が強いというか、意思が強い部分もあるし。
相性的には悪くはない、とは思う。
そんな風に思っていると、
「あー……アイゼンさん。とりあえず、ですが。ちょっと、個室を取ったので、そちらに移りましょうか。この店の中で音漏れの心配ない部屋ですし、なんだか色々と騒がしくなると、アイゼンさんにとってはよくないでしょうし……」
ロウが小さめの声で提案をしてきた。
確かにここは半個室で、フィーラの声はまだ抑えられている方だ。だから、ある程度他の演奏や喧騒で音は消える程度だけれども、あまり声を大きくし過ぎるのは良くないか。
……フィーラの声はよく通るからなあ。
興奮しすぎると押さえも効かなくなってくるだろうし。
「ああ、頼む。お気遣い感謝する、ロウ」
「はい。では、こちらへどうぞ」
そんな感じで、俺は懐かしい出会いをしながら、白猫の休み場の個室へと向かっていくのだった。
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