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100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます  作者: あまうい白一
第二章

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13話 変化の仕方

ロウたちによって俺たちが案内されたのは、交易都市の中央にある大きな宿屋だ。

 そして、宿屋に訪れるなり、そのまま上層にあるフロアの一角を丸々客室にしたような部屋まで通された。


「ここを自由にお使いください。それでは、夕食の時に」

「またなあ、アイゼン殿。リンネ殿ー」


 案内を終えたロウとデイビットはそう言って部屋から出ていった。

 そして部屋に残った俺たちは軽く室内を見回ったのだが、


「随分と広いな。この部屋を二人で使うとなると、大分スペースに余裕が生まれそうだ」

「そうですねえ。ベッドも複数台ありますし――お風呂も付いてますし! いいところですね!」

 二人だけで使うにしては勿体ない位に広い部屋が用意されていた。

 折角の好意なので、有り難く使わせて貰おうとは思うが、

 

 ……こんな高級そうな部屋を軽々と用意出来る辺り、彼らのカンパニーは儲かってるんだろうか。

 

 出会ってからとんとん拍子にここまで来てしまったので、彼らの事を聞く暇も無かったのだが。 ロウは商人とか言っていたけれど、デイビットもそうなんだろうか。

 

 その辺り、今度の夕食の時に話をしてみるのも良いかもしれない。


「確か、食事は二時間後にセッティングだったな」

「そうですね。この宿屋の前の、おっきなお店でやるので。この宿屋の入り口で待ち合わせしましょう、と仰ってましたね」


 俺たちが宿屋に入る時に、ロウが近くにあった猫の形をした看板を付けた店を指差して、場所を教えてくれていた。

 待ち合わせ場所も分かっているし、時間帯もばっちり問題なく覚えている。


「それじゃあ、体力も別に減っている訳じゃないし。早速ここら辺を散歩するか」

「はい!」


 俺たちは部屋に荷物を置いた後、予定通り交易都市を軽く散策する事にした。

 


 交易都市の幾か所には塔が立っている。

 邪神との戦争時に監視塔として使われていたものだ。


 宿屋の受付に聞いたところ、今は一般開放されて展望台になっており、一般人でも入る事が出来るようになっていると聞いたため、俺たちはまずそこを目指して歩いた。

 

「わ、この交易都市名物って言っていた、果実のミックスジュース美味しいですよ、先生!」

「おお、そうか。いきなり美味い物に出会えたのは幸先の良い事だな」


 そんな感じで、途中の大通りの店で軽く飲み物を買ったり、周辺の街並みを見たりしながら、俺とリンネはゆったりと行く。

 

 そこまで早いペースで歩かずとも、塔までの距離はあまり遠くなかった為、直ぐに到着することになった。

 そのまま、俺たちは塔を登り、街を見渡せる位置までたどり着いた。

 

「わ、ここだと街をぐるりを見渡せますね」

「ああ。そうだなあ」

 

 リンネは街を見て嬉しそうにしている。

 そんな彼女と、周囲に広がる街並みを見て、俺はまず気付いたことがあった。それは、


「昔に比べて、交易都市、でかくなったなあ」

「え? そうなんですか?」

「ああ、街並みも綺麗になっているけれど。そもそも大きさが倍くらいになってるな。……何せこの監視塔も、昔は町の外縁近くにあったんだからな」


 昔の交易都市は円形の、そこそこの大きさをした街であった。

 その外縁にあったこの塔が、今では街の中に取り込まれている。

 

 ……この塔より外側は、昔はただの野原だったもんなあ。

 

 十数年で、ここまで街が広がるとは。


「凄い発展速度だよなあ」  

「そういえば、宿屋で地図を見られたときも先生、『おっ』って顔されていましたもんね」

「ああ。昔は程々の円形だった交易都市が、やや歪になりつつ、大きく広がった円になっていたからな」


 地図を見た時には予想も付いていたけれど、やはり目で見てみると大分違うものがある。

 

「ロウたちも、外縁部を商業地や住宅地として使えるように整備しているって話していたからな」 

 宿屋に入るまでの間、交易都市について軽く聞いたけれども、未だに都市は拡張中らしいし。

 

「……とりあえず、下に行って新しい都市部分を歩いてみるか」

「あ、私もお供します!」


いつも応援ありがとうございます!

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