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100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます  作者: あまうい白一
第二章

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8話 時代と警告


 荷台で休んでいた所に衝撃を感じた俺は、その衝撃を作った原因である野盗たちの前に降り立っていた。そんな俺を見て、


「てめえ、何者だ」


 まず、中央の最も体格のいい男が、長剣を抜き放ちながら言った。

 話を聞いていた限りでは、彼がボス格らしい。


「杖を持ってるし、魔術師の護衛か?」

「宿場町でマーキングした時にはいなかっただろうし、雇いやがったか」

「まあ、近づいちまえば、問題ないけどよー」


 彼の周りにいる野盗も口々にそんなことを言ってくる。


 ……邪神との戦争時にも、それなりに野蛮な奴らはいたものだが……。


 今もいるという事なのだろう。

 

 ……無くなる訳がないのだから、当然と言えば当然なんだけどな。

 

 そんな事を思っていると、


「どうしますか、先生」


 リンネも荷台から降りて、こちらへ来た。すると、


「マジかよ。美人がいるじゃねえか」


 盗賊の中の一人、顔の半分を布で隠した、体格のいい男が笑うような口調でそう言った。


「そうっすね、ボス。しかもエルフとは。生かして売れば価値が高く付きそうだし、儲けものですぜ……!」

「カンパニーの馬車の荷を狙ったら、おまけがついてくるとは。稼げそうでありがてえ話だ」


 野盗たちはにやついた笑みを浮かべて、そんな事を言ってくる。

 なるほど、人身売買も行う系の、野盗か。


 ……世界が発展していても悪人の行為そのものは、昔と変わらないのかもなあ。

 

 まあ、仕方がない。

 魔獣と同じで、物騒な奴らは出る時は出るものだ。

 そう思いながら、俺は彼らに言葉を飛ばす。


「一つ聞く」

「なんだ、ひょろい魔術師さん。助けろって話なら、目と耳と喉と心臓を焼く位して貰わないと無理だぜ?」

「はは、頭の言う通りだ。何せ、もう顔を見て、声を聞いてるんだからな」

「いや、そうは言わない。――ただ、今すぐ街の警護隊に、出頭する気はないか? とは言うだけだ」


 こちらの要求を簡潔に述べた。

 すると、野盗たちは一瞬、目を丸くして、

 

「ぶははは!」

 

 まず野党の頭が噴き出すように笑った。そこから部下たちも重ねて笑い声をあげる。

 

「ははは、随分と上等な命乞いだ! 冗談が上手いな、魔術師さんよ。まあ、一笑いさせてもらったところで――話は終わりだ」


 そして野盗たちはひとしきり笑った後、


「いけお前ら。冗談のお礼にいたぶりつつ、綺麗に片付けてやれ」

「うっす!」


 武器を抜いて、集団で突っ込んできた。

 もはや、俺やロウに対しては殺意しか向けていない。

 それを見て、俺は頷く。


「うん、出頭の気はないか。じゃあ仕方ない」


 俺は杖を肩に担う。

 その動作を見て、先頭にいた三人の野盗が声を上げた。

 

「はは、今更、魔法の準備か」

「俺たちの接近の方がはええのに、悠長な事だ!」

「そんな奴の魔法が、当たるかよ!」


 そのまま、怯むことなく、突進してくる。

 どうやら、魔術師相手に対しては自信があるようだが、関係はない。

 

「――強盗の現行犯ってことでな。俺が街の番屋に突き出そう」


 声と共に、魔法を使う事もなく。

 一息に杖を振るった。それだけで、


「「「――っ!?」」」


 三人の頭と体を撃ち抜き、地面に転がした。 

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