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100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます  作者: あまうい白一
第二章

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6話 語らいと進行

『最強預言者』コミカライズ、本日より裏サンデーとニコニコ静画でスタートしています! 是非、御読み頂ければ嬉しいです!


 交易都市を目指して進む事しばらく。

 乗車させて貰った馬車は、中々素早い事が分かった。


 荷台を引っ張っている大きな馬は、思い切り駆けている訳ではなく、どちらかというと早歩きのような歩行をしているのだが、


「結構速度が出るんだな。しかも結構大きな荷台を一頭で引っ張ってるのに」


 幌付きの荷台から顔を出し、御者台にいるロウに言うと、彼は頷きを返してきた。

 

「ええ、ウチのカンパニーが保有して訓練している馬車ですからね。馬も車も一級品で、性能も良いんですよ。……そもそも故障してしまうと、無意味なのですが」


 ロウは苦笑しながら言う。


「まあ、直ったしいいんじゃないか?」

「本当にお蔭様です。緊急手段として、交易都市と開拓都市の間にある宿場町で新たな馬車をレンタルしようかとも考えたのですが、中々。馬を置いていくわけにもいかず」

「それは、かえって良かったんじゃないか? 俺たちが宿場町に行った時、馬車は全部契約済みだったし」


 レンタル馬車の受付に話を聞いた限りでは結構前に、全て契約済みになっていたようだし。行っても徒労になってしまっていた可能性が高い。


「そうだったのですか。だとすると、――あそこで悩んでいたから、お二人と会えたと考えるとむしろ良かったのかもしれませんね。ただの結果論ではありますし、もっと他に出来たことはあったのかもしれませんが」


 あそこで留まるしか出来なかっただけなのですけれど、とロウは再び苦笑いを浮かべた。まあ、行為だけを見ればそうかもしれないが、


「どういう選択を取るにしろ、その時に自らの意思で選んだ行動で得た結果が良かったなら良いと思うぞ。……それに、今回はその馬にとっても、な」


 そんな俺の言葉に、ロウは目を見開いた。

 そして手綱の先の馬を見る。


「この子にとっても、ですか?」

「そうそう。ずっと苦しい時に、さすってくれて、傍にいてくれて有り難かったって感謝していたぞ?」

「あはは……この子は、ずっと私と共に鍛えられてきた良い子ですので、放り出したくはなかったのですよね」


 ロウは馬を、いつくしむような目で見る。

 そのことが馬も分かっているのか、どことなく足取りは軽く、嬉しそうにしている。


「うん。さっき言葉を聞いた時もそうだったけどさ、ロウのことは凄く信じている感じがしたし。信頼関係があるのはよくわかるよ」


 先ほどもそうだし、今の一人と一頭を見ても、友情のような繋がりが見えたし。


「だとしたら、有り難い事ですね。商人にとって馬というのは相棒――いえ、この子との間柄はもはや戦友と言っても良いかも知れません。それくらい長い付き合いですから」


 そんな彼の言葉に、馬は

 

 ――ブルル!

 

 と、鼻息と共に声を上げた。

 そんな馬の姿に対し、微笑を浮かべた後、ロウはこちらに顔を向けた。


「何というか、良いお話を聞けましたアイゼンさん。……交易都市までもう少し掛かりますから。後ろでリンネさんと一緒に、ゆっくりと休んでいてください」

「ああ、ありがとう。そうさせて貰うよ」


 そうして、俺たちは、ロウの馬車に乗って交易都市へと進んでいく。

前書きにも書きましたが『最強預言者』コミカライズ、スタートしています! 

裏サンデーや、ニコニコ静画の方では、アプリがなくても見る事が出来ます。


面白いので是非、お読み頂ければ嬉しいです!!


そして、いつも応援ありがとうございます!

面白いと思って頂けましたら、下のブクマ、評価など、よろしくお願いします!

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