表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

9

「そうだよ。それまでは……違う場所にいたの。でも今日から紫野ちゃんと二人で生活するの」


おいおい、ちょっと待てって。

俺はそんなこと了承した覚えないぞ。


「さっちゃんって今幾つ?」

「ん? 17だけど」


17!? 女子高性と一緒に住むとかあり得ないし、そもそもそんなことしたら犯罪じゃないかっ。

俺はソファに掛けてあった自分のスーツを手にして立ち上がろうすると、いきなり俺にさっちゃんが抱きついてきた。


「行っちゃダメ。此処で私と暮らして? お願い。何もしないし、干渉もしない。お互いここでクラスだけのルームシェアの間柄でいいから」

「ダメだよ。女子高性と一緒に住むとか…それに俺には部屋があるから」

「戻ったらあの人と会うんでしょ? いいの? 会ったりして」


それは……、言葉が詰まった。

あの人には婚約者がいて、俺はただの遊び相手に過ぎない。

幾ら彼女の事を愛していてもその愛は届きはしない。


「戻っても……確かに……」

「なら、ここに居てよ。私、此処に紫野ちゃんがいて欲しいって本気で思ってる」


仕方がない。

戻りたくないのは本当の事だ。

どうせ戻ったらまたあのやりきれない関係を続けていくに違いない。

いい機会じゃないか。

忘れよう、あの人の事を。


「分かった。ただ、次の部屋が見つかるまでだ」

「うんっ。それでいい」


元気な笑顔を俺に振り撒いてさっちゃんは俺の腕に抱き着いた。

夜も深まり俺はソファで寝るというと、ベッドで寝てよ、と言われた。

ダメダメ。俺はソファ、君はベッド。

そう言ったのだがベッドで寝ろとうるさく付き纏う。


「知らないぞ。襲っても」

「そんな事、しないって分かってるもん」


クソ……なんか年下に、しかも女子高性に遊ばれている俺が無性に腹が立ってしまった。

彼女の強い押しに負けた俺はダブルベッド? の中に仰向けになって布団をかぶった。

さっちゃんは俺の隣に横向きになって眠ってしまった。

何も考えず、寝よう。

俺はそう思ってゆっくりと目を瞑った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ