表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

会社の窓から見る景色を俺はぼーっと眺めていた。

今日はなんだか気分が乗らない。

偶にそう言う事が自分の中で起こるのだ。


営業職として働いているがこの会社は営業でも定時に帰宅するよう通達されている。

以前この会社で働いていた社員が退職しそれまでサービス残業を強いられていたことを労基署に告発したらしい。


労基署から査察が入って以来一切の残業が無くなった。

それはそれで有難いのが早く帰ってもすることが無いのが困ったものだ。


「桜井君。今いいかしら」

「あ、はい…」


俺の名前を呼ぶのは同じ部署で先輩にあたる赤城詩音さん。

俺が新入社員の時からの指導役だ。


赤城さんは仕事が出来て周りからの評価も高い。

上司や部下に受けがよく彼女もまたそれを知ってか人当たりもいい人だった。


俺は赤城さんを密かに想っていた。

黒髪の肩くらいまであるサラサラした髪の毛やぱっちりした目、すっと鼻筋が通って所謂美人顔。

美人だからだけではなくとても内面に惹かれてしまったのだ。


実は彼女に対するファンがいるくらいモテている。

俺もその一人だった。


だけど、他の人には言えない秘密があった。


「紫野、今日も行っていい?」


事務所の会議室へ連れられて赤城さんが俺にそう告げた。




あれは新入社員研修最終日の打ち上げの時だった。

久々に酒を飲んで酔っ払ってしまった俺を赤城さんが介抱してくれた。

店のトイレで苦戦する俺の背中を優しく擦ってくれた。


「今日はこのまま帰りましょう。あまり無理したらダメよ」

「……はい……すみません……」


赤城さんに言われるまま俺を連れて一緒にタクシーに乗った。

でも…その後の記憶が全くない。


気が付くと知らない部屋と知らないベッドの上に寝かされていた。


「気が付いた?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ