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異世界ヒーローはチート使い  作者: みか
一章 異世界ヒーロー編
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第四話 ネフィヤという国






何が起こったのだろうか。

ここに居る誰もがそう思っているだろう。床に落ちた短剣の落ちた音が頭に響く。

一瞬できた隙を見て美代は騎士の腕に噛みつき、逃げ出す。




「ぐあああっ! くッ、何が起こったのだ」




噛み付かれた腕を押さえ苦しみに悶えながら【漆黒の翼(ダーク・ウィング)】は叫ぶ。

俺だってよく分からないが一気にチャンスとなった。




「動くなよ、裏切り者」




俺達を囲んでいた騎士達が【漆黒の翼(ダーク・ウィング)】を囲う。




「く、クソッ」




悔しさが滲み出るそんな叫びと共に国王殺害の事件は解決したのだった。












「本当にすまない……お前達がこの世界を救う勇者だと知らずに危うく殺してしまう所だった」




本当にそうするつもりだったのか。この男、恐ろしい。

事件も解決して俺達は城の応接間に居る。応接間と言ってもやはり造りは豪華で金色の柱に白の壁。高そうな花瓶に絵。ベットは当然フカフカだ。




「美代、その大丈夫か?」

「鷹広……うん! あれぐらい平気だよ。むしろ普段出来ない体験が出来て嬉しいぐらい」




あれだけ怖い目にあったというのに美代はいつもの元気さを失ってはいなかった。だが少し顔色が悪い気もする。無理しているのだろう。




「皆様にはこの世界の事をお話しなくてはいけません。聞いて貰えますか?」




この世界の事は俺も知りたい。文乃を探さなくてはいけないからだ。何の知識も無しに行っては危険な所だからな。




「……聞く」

「ありがとうございます。それではまず今居るこの世界の事です。この世界には人間ヒューマン魔国マーラ、や獣族、精霊や竜族が居ます。

その中でも我々、人間ヒューマン魔国マーラとは敵対関係にあります。それ程に魔国マーラは危険な存在です」




これはまた、よくある設定だ。俺達が勇者になって魔国マーラの魔王を倒すんだろ。それで俺はどんな魔法を使えるんだ?出来れば拳が良いのだが。




「質問良いかな? えっと…」

「あ、自己紹介まだでしたね! 私はネフィヤ王国第一王女 リリベル・ネフィヤと申します」




リリベルは名前を言うとお辞儀をした。年は俺達よりかなり下そうだ。だが、草部や鷹広よりしっかりしてそうだな。




「……ねぇ、秋哉。今バカにした?」

「お前は心が読めるのかっ!?」




思わずツッコんでしまった。恐らく草部にそんな力は無い筈だ。たまたまか。




「俺は成瀬秋哉なるせ あきちか

「私は草部美代くさべ みよだよー。よろしくね、リリベルちゃん」

「俺は三浦鷹広みうら たかひろだ。後ここには居ないが姫路文乃ひめじ あやのっていう子も居る」

「アキチカ様にミヨ様、タカヒロ様にアヤノ様ですね……所でアヤノ様は何故一緒にいらっしゃらないのでしょう?」




今触れられて欲しくない話題になってしまった。

俺だって今すぐにでも探しに行きたい……せめて一人じゃないと良いが。




「文乃はここに来た時から別々だったよ」

「あ……わ、私のせいで!」




確かにリリベルのせいではあるのだが、相手が子供という事があって言えない。




「リリベルちゃんのせいじゃないよ! それに文乃ならもう異世界に馴染んでるんじゃない?ね、秋哉」

「はっ? あ、そうだな」




いきなり話を振るのは止めろ草部。

まぁ、確かに文乃ならきっと笑顔で俺達を探してるだろう。




「…話を戻しますね、魔国マーラはこの世界を支配しようとしているのです。私達、人間ヒューマン魔国マーラは千年以上も前から敵対してます」

「せ、千年以上も…」

「はい。魔国マーラに勝つには難しい事です。我々も魔力は持っていますがそれでも高い魔力を持った魔国マーラには及びません。

そんな時、先祖達は異世界から来た異世界人を召還しました。すると、今まで負け続けていた我々があと一歩まで追い詰めたのです」




リリベルは嬉しそうに微笑む。




「それでリリベルは俺達を召還したのか」

「タカヒロ様の言う通りです。国王だった父が殺され、このままでは魔国マーラに攻めこまれ、ネフィヤが危険になります。

なので急遽………本当にすいません!」




国の為、父親が殺されたにも関わらず必死になる。悲しい筈なのに強い奴だ。




「まぁ、来ちゃったもんは仕方ない。な、二人とも」

「そうそう! こうなったら魔国マーラの魔王を倒しちゃおうじゃない…ね、秋哉」

「……俺に振るな」

「皆様……ありがとうございます!」




和んだ空気だな。

たが一刻も早く文乃を探しに行きたい。




「そういえば、俺達って異世界人だけどさ。

どうやって戦うんだ?」




確かに鷹広の言う通りだ。

まさか拳とか言うんじゃないだろうな?




「それなら心配ありません。皆様はここへ来る前に光に触りませんでしたか?」

「あ……」




恐らく同じ事を考えるだろう。

俺達は光に呑まれてここに来たんだ。




「その光に触れた瞬間、その方に合う力が与えられます。確認の仕方ですが頭の中でステータスと念じてみて下さい」

「おぉ! まるでゲームみたいだな」




あぁ、ゲームみたいだ。


だがやってみるか……。







『…………ステータス』





『承認しました。ステータスを開きます』




頭の中で何やら機械音声が聞こえる。

これじゃ本当にゲームみたいだ。






Name アキチカ ナルセ


Level 20


HP 450/450


MP 250/250


Class Normal


Age 17


RACE 人間ヒューマン


STR 170(攻撃力)


VIT 200(物理防御力)


INT 340(魔法の威力)


WIS 300(魔法防御力)



ユニークスキル 自然治癒


チート 言霊使い


称号 異世界人








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